||〜*…clover…*〜||
There are all in one.
◆cloverに出てくる人々◇|*|◇エンピツ書きに48の質問◆
「馬鹿なあんたに忠告しておいてあげるわ、6時と0時にあの町にいくのは止めなさい後悔するわよ」 とニゴリは言った。 確かにいったし、僕も確かにそれを聞いた。
が。
「KJあなた馬鹿ですか馬鹿でしょう。」 耳元でぶんぶんと煩く罵声を浴びせるニクを半ば無視しながら少年は赤い自転車を引きながらゆるゆると歩を進めている。 「待ってよニク、この辺なんだ。道がわからなくなるから話し掛けないで集中できなく」 「だからあなたは馬鹿ですかと言ってるんですよいいから今すぐ思い出しなさい彼女何ていってました?」 間髪入れずにそう耳元でまくしたてられては集中も何もあったものではない。 仕方なく少年は地図との睨めっこを諦めると己の記憶をひっぱりだす。 ええとたしか、 「6時と0時は近づくな?」 「で?今は何時だと」 まさか時計が読めなくなったわけではないでしょうねと言われてさすがにそこまで馬鹿ではないことを証明してやろうと時計を見る 「ええと、五時五十五分。あ。」 全くもうすぐ6時であるこの事態。ニクはとうとうあからさまにため息を吐いた。 「人間のくせに鳥頭ですか3歩歩いたら忘れるんですかこの前だって」 「ううう」 そうだった。でも過ぎたことは仕方がないじゃないか。 この前配達に行くときも、ニゴリに忠告されたのだ。 「大体夕方すぎたら町に入るななんて非常識もいいところじゃないか…」 「その非常識に従わなかった結果、あなたかっきり一週間寝込んだんですよ。その間の郵便は全部遅れてあの時は半年の減俸処ぶ」 「わかった、わかったから」 ニゴリもニゴリだ。どうせ忠告するなら理由まできっちり教えてほしい。 「でも今からじゃもうどうしようもないだろ、それに自転車壊れて直してたんだから時間が」 「だからあなたは配達員として未熟なんですよ商売道具の手入れぐらい毎日したらどうです」 手入れしたら画鋲を踏まなくなるのだろうか。 しかしのどかな町並みには、決して多くはないが夕時の買い物袋を下げた女性が歩いていたり、リボンをつけた少女が走り回っている。 「でもほら、この感じだとこの前みたいなことはないんじゃないかなー」 へらへらと少年は笑っ
この零と壱で構成された電子の世界の中でだけ確立される居場所は紛れもなく己のための物である。 現実という三次元で物理的な居場所を得られない、口下手で要領も頭も悪くてうまく人間と付き合えない現代人である僕らのための場所。 孤独を失うのは不可能である。 それ故僕らは足りないピースをなんとか埋めようと必死になる。 所詮何の役にもたたないのだ。形に惑わされて己を見失うこと勿。 キィを通した言葉はこんなにも流暢なのに、情報を限界まで排除した言葉はこんなにも意味であふれているのに、只一つ生身であるだけでデータが濁る。 死した言葉はこれほどに雄弁なのに生きた流れは其れを覆い隠してしまうのか。 所詮、壊れた過去としか向かい合う事が出来ないのか。今生きているのに。
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