**Secret**..miho
『A Song for XX』
2006年02月20日(月)
私は、昔からミーハーな女の子ではありませんでした。
どちらかと言うと、自分の好きなモノを大っぴらにするのではなく、
自分の中だけで密かに大切に想い続けるタイプでした。
誰かに知られてしまうと、それだけ価値がなくなってしまうような、
そんなワケの解らない恐怖や不安を感じてしまうんだ。
単に、好きなモノを独り占めしていたかっただけなのかもしれない。

簡単には、「これが好き」と言えなくなってしまったのも、
そういう素直じゃなくて捻くれた性格だったからなのかな…
嫌いなモノに対しては、しきりに好きになろうとしていた。
そのうち、どんどん、嫌いなモノを嫌いと言うだけでなく、
好きなモノさえ好きと断言できなくなっていってしまった。
好きなモノと嫌いなモノとの区別が曖昧になっていったの。

最終的には、自分自身の事でさえ、解らなくなっていった。
嫌な部分ばかり浮き彫りになっていって大嫌いになる一方…
自分の好きな部分が解っている人は本当に幸せ者だと思う。


そんな私にもいくつか大好きだと信じられるモノがあり、
その一つは、20歳の時からずっと聴き続けている曲。
私は、浜崎あゆみ作詞の曲が大好きです。
今でも毎日のように聴いているよ。いつも聴く曲は一緒。
何度聴いても飽きないし、何度聴いても元気づけられる。
彼女の曲と共に苦悩を乗り越えてきたようなものだから。

最初のきっかけは、入院中、呼吸器外科病棟の看護婦さんが、
「何か音楽を聴く?娘は浜崎あゆみの曲ばかり聴いてるわ。」
と勧められて、私も親に彼女の曲を買って来てもらいました。
初めて彼女の曲を聴いたのは、高校3年生の大学受験の時。
たまたま本屋さんで『Depend on you』が流れているのを聴いて、
力強さの中に切なさが込められた曲という印象を抱いていた。
そして、入院中、独学の合間に彼女の曲を聴くようになった。

最初は、まだ、気分転換に聴いていた程度だったけど、
その後、更に、私にとって大きな存在となっていった。

入院半年目の3月、ずっと信じて頑張り続けてきた事が否定された。
病気が良くなって復学できて遅れを取り戻せると信じてきたのに…
病気は一向に良くならず、復学どころか退院さえも絶望的になり、
半年間の努力は全て無駄に終わり、大学の遅れは無情に遠ざかった。

信じていた大学の先生に見捨てられ、
信頼していた主治医にも裏切られた。

それまで背を向けてきた病気の私だけが
残されて、独りぼっちになった。
大嫌いな自分と向き合わされた。

もう何もかもが信じられなくなってしまっていた時に、
ちょうど彼女のベストアルバムが発売されて、
それ以来ずっと、毎日、何度も何度も聴き入っていた。
それ以外に、信じられるモノなんて見当たらなかった。
それだけが、私を理解してくれている同士だったから。

その中でも、私の気持ちに最も近くて、
いつも慰めてくれる曲が『A Song for XX』。
他にも、たくさんお気に入りの曲はあるけど、
この曲は、当時の孤独と重なっていて、
今でもずっと支え続けてくれているよ。

今の私の原点にある曲だよ。

今だに未熟で大人になり切れていない
私の心の中で、ずっと鳴り響いている。




どうして泣いているの
どうして迷ってるの
どうして立ち止まるの
ねえ教えて
いつから大人になる
いつまで子供でいいの
どこから走ってきて
ねえどこまで走るの

居場所がなかった 見つからなかった
未来には期待出来るのか分からずに

いつも強い子だねって言われ続けてた
泣かないで偉いねって褒められたりしていたよ
そんな言葉ひとつも望んでなかった
だから解らないフリをしていた

どうして笑ってるの
どうしてそばにいるの
どうして離れてくの
ねえ教えて
いつから強くなった
いつから弱さ感じた
いつまで待っていれば
解り合える日が来る

もう陽が昇るね そろそろ行かなきゃ
いつまでも同じ所には いられない

人を信じる事って いつか裏切られ
はねつけられる事と同じと思っていたよ
あの頃そんな力どこにもなかった
きっと 色んなこと知り過ぎてた

いつも強い子だねって言われ続けてた
泣かないで偉いねって褒められたりしていたよ
そんな風に周りが言えば言う程に
笑うことさえ苦痛になってた

一人きりで生まれて 一人きりで生きて行く
きっとそんな毎日が当たり前と思ってた


          (『A Song for XX』by. Ayumi Hamasaki)


m a i l



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