【読書記録】豊島ミホ「花が咲く頃いた君と」 |
ストーリー:花が咲く頃、一緒にいたのは――。
四季の花とともに4篇。 「サマバケ96」まったくタイプの違った私とアンナは中学最後の思いっきりはっちゃけた楽しい夏休みを過ごそうと約束する。予定通り10日で終わった宿題、そして念願だけどちょっと怖くもある渋谷へと二人は乗り出した。 文字にされない気持ちの扱い方がうまくなったなぁとしみじみ感じました!私が読み取れなかった気持ちもあるだろうし、最後の繊細さがとても心引かれる作品。
「椿の葉に雪の積もる音がする」眠れない夜、私はおじいちゃんの部屋に行く――。 哀愁というよりも、愛惜を感じる情緒がある作品。椿の花と葉にゆっくりと舞い降りる雪と、ほんのり積もった雪にうもれる庭。そこに和服姿のおじいちゃんがいる情景がこのうえないほど素敵でした。主人公はしっかりと冷静さをもっていて、それが豊島さんらしいのに、ほろっと剥がれ落ちる瞬間の美しさがあるように感じました。NO.57■p213/双葉社/08/03
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2008年10月19日(日)
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