「虹果て村の秘密」有栖川有栖著
「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」 と題のつく講談社のシリーズ第二回配本のひとつです。 第一回は小野不由美、島田荘司、、殊能将之。 そして第二回配本は有栖川有栖、篠田真由美、はやみねかおる。
基本的に児童向けの本なので本の中身は文字が大きく、 行間も幅があり、漢字に細かくルビが振ってあります。 けれど子供向けと馬鹿にしてはいけません。 装丁がとても凝っていて見た目も綺麗だし、 何より中身が本格的なミステリなのです。
私は著者のファンなので、新作をとても楽しみにしていたのですが、 やはり面白かったです。一気に読んでしまいました。
これは十二歳の、推理作家になりたい少年と刑事になりたい少女が主人公のお話です。 夏休みに少女の母親の別荘(といっても昔住んでいた家ですが) に遊びに行って、事件が起こる、という設定です。
中身は読んでのお楽しみですが、 子どもの頃の、本を読んでワクワクした気持ちがよみがえります。 この本の主人公の男の子と女の子は少々変わっているので、 彼らのような考え方は昔の私はしていませんけどね。
でも、推理小説家になりたくて、何もわからないながらも小説を書いてみる という少年の気持ちは分かります。 推理小説をかいてみようと思ったことはありませんが、 似たようなことならありますし。 マンガを読んで下手なりにも絵を描いてみようと思った事、とか。 そんな少年少女の気持ちを懐かしく思い出させてくれる作品でした。 もちろんそれだけではないですが。
この講談社のシリーズはまだまだ続きますが、 参加する作家陣がとても豪華なので、これからも期待しています。 まだ読んだことのない作家さんの作品も読んでみようかしら。
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