当世高校教師気質
一生勉強 一生青春

2005年02月27日(日) 『泣き虫弱虫諸葛孔明』

最近、太ってきたような気がしてなりません。
なにせ教壇に立たなくていい・・・
緊張感まるでなしの生活に身体だって反応しますよ。
やばいやばい~~、去年のスーツが入らなかったらどうしよ。

本日の1冊:
・『泣き虫弱虫諸葛孔明』(酒見賢一/文藝春秋)

やばい、やばすぎる1冊です。おもしろすぎます。
歴史好きの私も1度ははまりました、三国志。
マニアとまではいかなくとも、だいたいの筋はわかります。
でも、私、蜀はあまり好きじゃないんですよね。胡散臭い。
だから、孔明さんについてもあまり好意的じゃなかったんですが、
この本読んで開眼しましたよ。孔明、面白過ぎ!!
題名のように孔明がちっちぇ~人間なのかと思いきや、
孔明は超がつくほどスケールのでっかい人間でした。
でも、だからすばらしいんじゃなくて(ココがいいのよ)、
周囲が理解できない超変人ってことで落ち着いていくんです。
天才とバカは紙一重とはよくいったものです。
そのせいで関わった人間は良くも悪くも振り回されるんですが、
周りの人間もめちゃくちゃイイキャラしてるんです。
珍しく斜め読みせずに、最後まで丁寧に読みましたとも。

途中でイケてる英語訳『三国志』紹介まで登場してくるし、
ところどころの筆者のこまかい突っ込みもツボを刺激してくるし、
何度吹きだしてしまったかしれません。
酒見版『三国志』、是非お薦めします。



2005年02月25日(金) 『終戦のローレライ』

最後の定期考査に入り、生徒は必死、教員は束の間の急速。
とはいえ、総務課は卒業式、教務課は学検が間近に迫り、
暇なのは生徒会ぐらいだろう・・・
いやいや、生徒会だって忙しいはずなんですがね。
だって、学検終わったらすぐ球技大会なのに、
なにせボスが年休取っちゃうからシゴトが進まない。
つか、進めてもいいんですが、進めると拗ねるのです。
困ったちゃん。

ここ2日間の2冊:
・『終戦のローレライ上・下』(福井春敏/講談社)

映画も封切りになり、なにかと話題のローレライ。
タモさんも面白かったそうですが、私は映画館では観ないでしょう。
でも、原作のほうは図書館にあったので読みました。
戦争モノなんて、自分から読むのは初めてかもしれません。
最初は設定をつかむのに必死だったのですが、
途中から面倒になり、難しい説明は斜め読みしました。
それでも、じゅうぶん面白いので全然問題なし!
終戦間近、〈伊507〉という潜水艦を廻る舞台で、
艦内の人間模様と艦外の情勢が交互に続くのですが、
話の要は艦内の人間の人間性や生き様なんですよね。
最初は「え~」と思う人物も、己の生を生ききっているのです。
クライマックスに近づくと、涙が止まりませんでした。
こんな熱い生き方、現代が舞台の小説ではムリでしょう。
かといって、戦国時代でもいまいち現実味に欠ける。
私達が決して忘れてはいけないこの時代が舞台だからこそ、
コイツラの生き様が光るんだ~~~と強く思いました。

しかし、戦争モノだから覚悟してましたが、やはり出てきました。
「人肉」・・・意外とすんなり読んでしまいましたが。
大学時代、『野火』『ひかりごけ』ともう一作(忘れちゃった)を
「人肉三部作」と呼びならわし、課題だったのに読まなかった私。
多分食わず嫌いと一緒でしょうね。私にはまだ敷居の高いニ作品。

閑話休題。
あんまり書くとネタばれになるのでこの辺でやめますが、
久しぶりに気合いれて読みました。量も量だし。
本読んで泣いたことじたい、久しぶりだなぁ。



2005年02月20日(日) 『対岸の彼女』

一週間はGLAYの余韻で過ごしました・・・
そんなわけありませんよね。
楽しかった思い出に浸っていられるのは学生時代だけです。
今は目の前にやってくる現実の壁を乗り越えることに精一杯。
でも、乗り越える力は思い出からいただいたりもしますがね。

本日の1冊:
・『対岸の彼女』(角田光代/文藝春秋)

とりあえず読みました、直木賞受賞作。
独身・女社長の葵と家庭持ちで仕事に復帰した小夜子。
立場の違う対照的な女性が懸命に生きる姿を描いた物語ですが、
このテの小説はやはりすたれずに女性読者を掴むのでしょうね。
ただし、今回は小夜子のほうはあくまでも現実の中で悩む一方で、
葵は現実と過去のギャップの中で人物像を作っていくカンジ。
う~ん、なんだか読了感が中途半端なような・・・
葵の過去の思い出は過去の思い出として完成しているのだけれど、
最後でなぜあのエピソードが必要だったのかよく分からないのです。
私の読みが浅いからだと言われたら否定しませんが、
過去の思い出じたいは非常に大切に書かれていたから、
もっとラストできちんと実を結ばせてあげてほしかったです。
まぁ、相性なのかもしれません。
(いるいる、こんな人)と思わせる女性が主人公の小説は、
本当はちょっと苦手です。

一番共感できたのは、オビの筆者コメントでした。
「あのころのような全身で信じられる女友達を必要なのは、
大人になった今なのに、と」
結局、コレが言いたかったのか・・・そっか、なるほど。



2005年02月15日(火) リフレッシュ完了

先週土曜日、名古屋まで行ってきました!
今年最初のGLAYライブです。
10周年記念をしめくくるライブということもあって、
おおがかりなドームライブ。初名古屋ドーム参戦。

一番インパクトがあったのは、やはりデビュー曲が聴けたことかな。
よく考えたら、生で聴いたことがなかったんですよね。
やはりデビュー当時とは声の力が全然違います。
当たり前だけれど、目の当たりにすると圧巻です。
英語もちょーっとだけ上手くなってたかも。多分。
シングルだけで構成されていただけあって、
懐かしい曲もたくさん聴けて、大満足でした。
アンコールでは久しぶりの「SS~アシッド」もあったし。
わざわざ名古屋まで出向いた甲斐がありました。

終わった後のビールと手羽先がこれまた美味。
成人していて良かったと心から思いました。
もうリフレッシュ完了。
残りわずかも頑張ります。



2005年02月11日(金) 国語科慰安宴会

昨日の推薦入試はとりあえず無事終了。
私は作文監督だったのですが、問題はなしで一安心。
その後の作文審理ではちょっと揉めたらしいですが、
最近の国語科の微妙な仲の悪さにはすっかり慣れてしまいました。
しかも、その後の飲み会では変に仲が良いしね。
もうずいぶん長く勤めている先生方が何人もいるので、
馴れ合いも出ているのでしょうね・・・他教科では考えられない。

慰安宴会(小旅行)はぼちぼち楽しかったです。
民宿に行ったのですが、出る料理の量がハンパない!
蟹を食べることが目的だったはずなのに、
蟹の記憶なんてほとんど残っていないぐらい出ました。
飽食日本? もう勿体ないよ~。
どんなにおいしいものでも限度がありますよね。
あれがサービスの一環だったとしても、
私にはあの主旨が理解できなかったりします。

夜は教頭(国語科ではないのに存在していた)トークショー。
バリバリ体育会系の教頭は話が面白くて好きですが、
なにせ話し出すととまらない。
国語科は基本的に自分がしゃべりたい人の集団なのですが、
その国語科の面々を押えてしゃべりつづけた教頭に拍手です。
私はいずれにせよ相槌係(下っ端ですし・・・)なので楽ちん。

次の飲み会は・・・いつだろ。
来月は時期的に飲み会が続いてもおかしくないので
体調管理だけは気をつけようと思います。



2005年02月09日(水) 『キッパリ!』

いよいよ本日、3年生最終登校日。
1限目の現代社会が彼らの最後の試験です。
私も監督に当たっていたので時間どおり教室に入りました。
現代社会は私達の時代にはなかった科目なんですよね。
私の時は「政治経済」と「倫理」でした。
ためしに問題を解いてみたのですが・・・とほほほほ。
新聞やニュースで話題になっているのを知っていても、
いざとなると名前が出てこないものが多すぎです。
これでまた現社の先生にバカにされるんだ~(涙)

本日の1冊:
・『キッパリ!』(上大岡トメ/幻冬舎)

昨年末、『負け犬~』より遅れてブームになってましたよね。
中身を見てみると、なるほど納得。
書いてあることは別に新しいことじゃないと思います。
今までもこのテの本はなかったわけじゃないですし。
中谷彰宏さんの本なんてまさにこんなカンジですよね。
でも、女性の視点で書かれているから細かいし、可愛らしい。
本当にコレならできるって思えることが書いてあります。
実際、私が実行していることも書かれていましたし。
最後は本人の心次第、読むだけじゃ変わりませんよね。
私もますますイイ女になれるようがんばるぞ~。


明日は推薦入試。
今年は大きく定員割れしてしまったので、先行き不安です。



2005年02月06日(日) 『蛇行する川のほとり』

昨日は一日中外出していたので、今日は家でまたーり。
うれしいのは明日から3年生の授業がないこと!
月曜日は5時間授業の日だったのが、イッキに3時間減。
午前中だけで授業が終わっちゃうなんて・・・腑抜けるかも。
2年生の授業は大詰めなので、教材研究には手を抜けませんが、
肉体的・精神的疲労はやはり減りますね。ありがたや。

本日の1冊:
・『蛇行する川のほとり』(恩田陸/新潮社)

恩田女史の少女小説ミステリー。
正月に『ネバーランド』という少年の世界を堪能し、
今度は少女ばかりの甘くも不安定な世界を味わいました。
出てくる少女が皆美しいっていう「こりゃ」って世界ですが、
なんだか映像として浮かびづらいんですよね。
この子はこんなカンジかなと想像してみても、どこか違う。
最後まで実態をともなわいキャラクターぞろいでした。
でも、話の運び方はやっぱり「さすが」ってカンジですよ。
最初は気楽な気分で読み始めたのに、途中でぐっと引き込まれました。
そして、少女は女性へと変わっていく。
小説の世界は「夏の終わり」
夏は子ども達を大人へと成長させる特別な季節なのでしょうかね。
私にとってはもはや暑いだけの季節になってしまいましたが。


 前世  人生  来世


葉明 [MAIL] [当世高校教師気質Ⅱ]

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