サッカー観戦日記

2025年05月31日(土) 北信越クラブユース選手権準決勝 新潟−富山 長野−松本

この数年、北信越クラブユース選手権準決勝に足を運ぶようになった。日本クラブユース選手権は前橋の昼間開催だったが、熊谷で当時気温最高記録を観測した日に前橋にいて流石に危険を感じ、倒れたら運営に迷惑をかけるし、二度と行かないと決意した。ちなみに全国大会が各地分散開催のナイトマッチになったのは昨年からだ。そうなるとまだ猛暑ではない時期の予選に足を運ぶことになる。で、いろんなクラブを観たいからセントラル開催の地域を探すことになる。九州は少し前までセントラル開催だったが、予選に足を運ぶ決断をしたタイミングで分散開催になってしまった。そうなると唯一のセントラル開催の北信越を選ぶことになる。

さて、当日富山県射水市で15時キックオフなので、高槻から湖西線新快速で敦賀に向かい、75パーセントオフの北陸新幹線で富山駅で降りて海鮮丼を食べるプランを立てた。が、天候がよろしくない。予定の時間に高槻駅に行くと、敦賀行のはずの湖西線新快速が近江今津行きと表示されている。何か様相がおかしい。駅構内放送に耳を傾けると、湖西線が強風のため止まっているとのこと。こうなるとプランが大きく狂う。富山駅からの会場までのバスに間に合わなければ観戦は不可能だ。そしてとりあえず新快速に飛び乗ると、京都行に変更、と車内放送。そして敦賀行特急サンダーバードは米原経由になるという。湖西線新快速で北陸新幹線乗り継ぎに間に合うプランなので、時間的余裕を見ている。したがって京都でサンダーバードに乗り換えれば計算上は間に合う。遠征を好む生観戦者かつ鉄道ファンならば、トラブルに対処するくらいの余裕というか落ち着きはある。サンダーバードに乗り換え、東海道本線・北陸本線経由で敦賀に向かう。北陸本線といっても北陸を走るには敦賀市内に数キロに過ぎないのだが。米原駅で運転停車したのちスムーズに北陸本線に入り、順調に敦賀へ。予定の北陸新幹線の間に合う。北陸新幹線は結構混んでいる。隣に座る人もいた。が、やはり様相がおかしい。なかなか発車しないのだ。実に26分遅れで発車。乗り継ぎに配慮した、とのこと。当然ながら富山駅到着も大幅に遅れ、海鮮丼は到底無理になり、駅コンビニでサンドを買い、会場で食べるしかなくなる。
バスは駅を出て南下して富山大の前を通った後、北上し、海沿いを西に進み、射水市内へ。会場は人工芝2面とフットサルコートのあるフットボールセンターに着く。全国各自治体にこのクラスの施設が欲しいものであるが、富山駅からは交通の便は悪い。

会場そばを新湊大橋、つまり港を挟んで射水市と新湊市があるのだが、昔は橋がなく、渡船で結んでいたが、今は橋がある。その橋側のピッチと海側のピッチの間にクラブハウスがあり、屋根の下の入れる。この日は雨なので。

さて北信越は2枠で準決勝の勝者が全国へ行く。カードは新潟対富山、松本対長野である。同時開催なので、前半は新潟対富山、後半は松本対長野を観ると決める。


北信越クラブユース選手権準決勝
アルビレックス新潟−カターレ富山
5月31日 15時 オリバースポーツフィールド射水 橋側 人工芝 雨


新潟
八番十八十一
七番十六
十番
五番二番三番六番
二一

富山
十番八番十一
十三六番
七番
誰々四番五番二番
誰々


双方4−3−3。
新潟は支配力に優る。GKから繋ぐのだが、昨年までの内山と違い、今年のキーパー21番はシンプルに繋ぐのみ。最終ラインは極端な偽サイドバックで、特に左の5番は2番の前やさらに内側にいることが多い。そしてこの位置からゲームをコントロールする。2番は左ストッパーみたいな役割もあるが正確に繋ぐだけではなく、インテリオール7番にズバズバ通す。3番はフィードが光る。一気に逆サイドに展開するなど、後方ビルドアップの中心。6番は右ストッパー的な役割が多いかと思えば、彼もはっきり偽サイドバック。やはりみぎインテリオール16番を見つけてパスを通す。ボランチ10番は一番うまい。長短のパスで組み立て、自ら持ち上がれるが、プレーは自嘲気味かな?5番がいるからカバーを信じて仕掛けてもいいが。8番はカットインもタテへの仕掛けもある。ドリブラー。彼のところで質の違いを見せていた。センターフォワード18番はポストもいいが、下がるタイミングが上手く、絶えずスペースを作る動きをしていて、相当クレバーだ。全体的に新潟はボールの回し方、スペースの作り方をしっかり教えられていて、王道のポゼッションサッカーをしている。

対する富山はセンターフォワード8番が精神的な柱。開始早々ラフプレーで警告をもらったが、フォアチェックを頑張り、身体を張り、フリーキックも蹴る。富山は回されていたが、前への推進力、気迫で負けなかったのは8番の影響が大きい。左ウイング10番はうまくて左カットインを狙うが読まれていた感がある。右の11番はレフティ。やはりカットインを狙うが、レフティの右ウイングもタテがなければ新潟にとっては脅威が半減する。ボランチ7番は身体能力が高く、潰しは強烈。6番は右を飛び出したい。富山の右はカットインの11番、連動して崩すのが上手い6番、高速オーバーラップの2番とキャラクターが違う3人が魅力的。センターバックコンビは守備は固いが、守→攻の際、味方を見つけられず、なかなかカウンターに行けなかった。

富山もクオリティはあるが、後方のビルドアップに難があると思った。これでは松本国際や鵬学園にプリンスリーグで先を行かれるわけだ、と思った。前半は0−0。
ハーフタイムにピッチ移動したが、試合が終わると新潟1−0富山で終了し、新潟が全国へ行った。


さて、海側のピッチに移動すると、長野がPKを獲得、これを決めて2−0で前半を終了した。

前半、長野パルセイロ2−0松本山雅

北信越クラブユース選手権準決勝
長野パルセイロ−松本山雅
5月31日 15時 オリバースポーツフィールド射水 人工芝 雨

長野はオレンジ地の白の番号のため、判別困難。

長野
九番
十番
十一誰々誰々誰々
七番三番誰々誰々
三一

松本
五番
十番
七番二十十五十八
誰々三番八番二番
一番

後半が始まって長野が回す。技術的にしっかりしていて自陣から繋げる。まだ力が足りないJユースあるあるの技術戦術をたたき込む指導の一方で身体能力は足りてない。またベンチが熱い。かつての大熊さん並みに声が大きい。一方でピッチ内にリーダーがいない。ピッチ内の声量が足りない。ベンチが大声だとピッチ内にリーダーがいない、というあるあるの状況である。まだ育成実績が足りない長野にとっては勝つという実績が欲しいのか?
一方松本は身体能力もしっかりしている。こちらは育成実績がある。以前の3年生も出られた時のJユースカップでベスト4もあり、トータルで強い。恐らく力量的には長野を上回る。ただビルドアップのち密さには欠ける。ただ徐々に大雑把な攻撃を繰り出すようになる。前半からかは知らないが、トップに入った5番に当てていく。長いボールも蹴るようになる。そして放り込みに長野のキーパーが処理しきれず、こぼれを右寄りで7番が決めて2−1とし、直後にも放り込みから2−2とする。以降も松本がペースを握る。右ハーフ18番の放り込みや仕掛け、左の右利きの7番など、サイドが迫力を増す。トップ下10番の落下点察知も素晴らしい。しかし長野もよく耐えて90分間終了。2−2。

延長に入り、五分に戻す。一休みがあって両者落ち着いた。しかし延長では得点は入らず、全国出場権はPK戦になる。

先行松本は一人目が左に外す。いかにも自信なさげな弱々しいキックだった。普通一人目は技術と精神力を兼ね備えた選手を入れると思うのだが。アルゼンチン代表ならメッシが蹴るように。そして4人目が止められて長野は全員決めて、PK戦の結果、長野が全国行きを決める。



北信越の力量は新潟は間違いなく強い。全国ではグループリーグ突破、リーグ戦ではプレミア昇格が現実的な目標になるだろう。残念ながら?今期の京都サンガより上だと思う。

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さて試合終了後の撤退ルートが問題だ。当初の予定は万葉線の越の潟駅まで移動すること。港を超える橋を渡るつもりが、橋の入り口に行くと歩行者禁止と書いてある。グーグルマップは信用ならないことがある。そこで旧北陸本線の駅までのデマンドバスを考え、バス停まで移動すると丁度来たが、雨の中、予約がない人は乗れないという。うーむ。そこで行の北路線バスの起点まで行く。あいにくその日は本数が少なく、終バスが出ている。そのバス停から港を渡る渡船が出ていたという話だが、橋ができてなくなったと聞いた。そこでそのバス停でタクシーをお願いする。が、目的地である越の潟駅を告げると要領を得ない返事が返って来る。が、予約取った直後に渡船が確かに着くのを見た。実は今でも渡船があり、越の潟まで安価ですぐに着くのだった。調べが甘くてミスしてしまった。着いたタクシーの運転士さんともその点を確認した。越の潟駅からは万葉線、つまりかつての加越能鉄道が赤字で第3セクターになった鉄道になる。途中までは専用線だが、基本的には路面電車である。15分ヘッドで走っているということで需要もある。高岡駅まで50分近くかかり、そこからタクシーで新高岡駅まで行き、新幹線で帰ったというわけである。


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