2025年07月21日(月) |
2025参院選総括 |
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参院選が終わった。自民党公明党が大敗して参院での過半数を失ってしまい、衆参両院で少数与党に転落したことが話題になってるが、有権者が目覚めたかというとそうではない。公明党の退潮の理由は単に投票率が上がって組織票だけでは当選できなくなったことと創価学会員の高齢化であり、そこは共産党も同様だ。赤旗購読者は年々減り続けていて共産党支持者も高齢化している。そして若者は共産党や公明党に投票しないのである。
今回共産党の議席は激減したが、参政党が巧妙に共産党を攻撃していたことの効果はかなりあったような気がする。参政党の母体は統一教会の影響下にある日本会議や勝共連合といった極右勢力なんだが、そいつらが街宣で「日本を共産主義にしてはいけない」「中国やロシアのようになるのを防げ」「日本共産党は中国共産党の手先」とアピールすれば馬鹿は簡単に信じる。初めて投票するような若者は基本的に歴史認識が欠けてるのでそういうデマが有効なのである。そういうわけで共産党は浮動票を取れなかった。共産党は東京でしか選挙区での議席を獲得できなかったが、東京は確かに参政党に投票するような馬鹿も多いが、人口が多い分共産党に投票する方も多数存在するのである。そこは大阪との大きな違いである。今回、4議席全てがカルト政党に支配されてリベラル勢力が一つもとれなかった大阪はもう絶望的だ。
地方ではもう自民党は勝てないだろう。今回自民党が議席を守れたのは、参政党の候補が自民批判票を吸収してくれた選挙区である。自民党に入れたくないという票が分散したおかげで自民党は勝てたわけで、参政党旋風は一方では自民党を利していたわけである。
次の衆院選で参政党の神谷はまたしても全選挙区で候補者を出してくるだろう。その結果として衆院議員を50人以上当選させ、もはや無視できない大勢力になる可能性が高い。自民が大連立を組む場合も、あるいは立憲が非自民政権を作るとしても、いずれにしても参政党の存在は無視できないのである。
自民党は大敗した。しかし、伸びたのは参政党や国民民主党という改憲勢力であり、結果として国会の2/3は改憲勢力になってしまった。憲法改正の発議が出るのはほぼ間違いない。今の勢力分布ならば国会で改憲案を通過させられるからである。参政党の新憲法案は大日本帝国憲法よりも古く基本的人権を無視した悪法だが、今回参政党に投票した馬鹿たちはそんなことは知らない。
参政党の政策の中で唯一評価できるのは「消費税減税」「消費税廃止」の部分だが、その正体が自民安倍派であり、日本会議がバックについた極右勢力である彼らが本気でこのような主張をしているとは思えない。おそらく「選挙に勝つための嘘」だとオレは思っている。国民民主党が昨年の衆院選の時は消費税減税を主張しながら選挙後に党のWEBサイトからしれっとその公約を削除していたことに国民はほとんど気付いていない。
都議選で石丸伸二に騙され、兵庫県知事選で立花孝志に騙された有権者は、今回は参政党に騙された。単にそれだけのことである。戦時中は国民は軍部のプロパガンダを信じていたわけだし、今は動画サイトの政治系切り抜き動画を信じているわけで、国民は何一つ成長していないのである。
国民の多数派は馬鹿である。その馬鹿な大衆を「B層」と位置づけてワンフレーズで扇動して投票させるという手法を小泉純一郎が使ってから今に至るまで選挙の実態は何一つ変わっていない。しかし、国民が賢くなって批判精神が生まれると為政者は困るのである。だから教育よりも防衛費が重要なんだし、アメリカのご意向にも叶うのである。
選挙の結果日本が良くなるかと言えば、却って悪くなるとオレは答えたい。日本を救うための正しい方策など今の凡庸な政治家は山本太郎以外誰1人持ち合わせていない。そのれいわ新選組が票を伸ばせなかった今回の参院選、日本は滅亡にさらに近づいたのである。
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