paranoia kiss
    

1年ほど過ごした街が画面に映し出されていた。
こよなく愛したあのお店も。

あの人が僕の友人の隣で
食後のひと時を過ごしながら見ているのが
容易に想像できた。

僕は、君と、あの街を見ていた。

いつかきっと行こう。と言ってくれたけれど。
まだまだ遠い土地である。

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もしかしたら。
僕の中に宿った命を大切にしていたならば。
あの人はまだ隣で笑ってくれていただろうか。
かすれた声を聞き続けることができたんだろうか。

でも。
週末ごとにギャンブルに出かけるんだろう。
そうやって口に出せない不満を
澱のように溜めていく一方だったんだろう。

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何が正しいのか、
そのときの選択がよかったのか。
死に際までわからないようにできているのか。

ビールと焼き鳥片手に
笑って逝けたら。
そんな人生になれば。


2007年05月25日(金)



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