最終兵器彼女

 今。たった今読み終わって。まだドキドキが止まりません。


 なんで今までこんなすばらしい作品に目を向けなかったんだろう。タイトルは知ってた。有名だから。アニメにもなっているし。
 きっかけはそのアニメ。たまたま。本当に偶然つけたTVでやっていたアニメ。それを観たのがきっかけ。でも、声優が好みじゃなくて続けて観る気にはなれなくて。でも、ストーリが何故か気になって、気になって。とりあえず買ってみた1、2巻。もう、泣き通し。そして速攻買い集めた既刊。
 涙が止まらない。止め処なく流れて呼吸が苦しくなる。

 何に泣いているのか。すべてに。ちせの心に。シュウジの思いに。
 なんだかすべての人が、すべての心がきれいで苦しくて。
 今、自分の国じゃないけど、戦争をしてるからかな。なんだか微妙にリアルで。でも経験したことなんて無くて。
 自分が生きるために誰かを殺す。でも殺された人にも生きる権利はあって。誰かを守る為に誰かを殺す。でも殺された人にも守りたい人はいて。そして誰かに守られていて。自分のことで精一杯で。でも守りたくて。ちっぽけな自分にムカツイて。後戻りはできないけど、前にも進めない。
 理由がわからない「戦争」という肩書きに隠された「殺し合い」。守る為なら奪って良いのか。もしかして次に奪われるのは自分かもしれない。
 
 「慣れた」という言葉がまた苦しくて。「自分だけがガマンすればいい」って。そんな分けない。そんなにがんばる必要なんて無いのに。みんな同じように苦しめば良いのに。だけど。優しいから。守りたいから。自分ひとりが「苦しむ」ことで他の人の「苦」が少しでも減ればいい。
 
 世界のどこかで誰かが人を殺している瞬間。
 世界のどこかで誰かが人に殺されている瞬間。

 「恋」することを許して欲しい。
 コレだけが「人間」であることの証。

 「人間」でなくなってしまった彼女にとって「彼氏」と居る時間が唯一「人間」でいられる時間。

 だから。
 
 「恋」したい。

 「恋」してる。

 「生きて」いく。

 
 何故「彼女」なのか。最後まで語られることは無かったけど。
 語られたところで納得なんてできない。
 どんな「理由」でも陳腐なものにしか聞こえないから。
 あえて語らないで欲しい。聞きたくない。


 地球が終わっても。
 
 恋は続く。

 宇宙のどこかで。


 ふたりは生きる。

2003年04月18日(金)
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