白い木蓮の花の下で ~逝くときは白い木蓮の花の下で~ 目次|過去|未来 【検索からお越しの方へ】
すっかり日付がズレてしまったのだけれども 11月27日の火曜日の夜は「風邪っぴき」の身体に鞭打って 私が激愛している『劇団 新感線』の秋公演 『轟天対エイリアン』を観に行ってきた。 『劇団 新感線』とは古田新や羽野晶紀が所属している 関西を本拠地とする小劇団である。 最近はメジャーになりつつあって、大きな公演をしたりしている。 ↑今夏は石田壱成がクスリで掴まった時に公演してTVの話題になった。 「勧善懲悪」「派手な衣裳」「大仕掛け」「くだらないギャグ」 ……がメイン・カラーの劇団で『 吉本新喜劇』と『宝塚』を足して2で割ったような 面白いと言えば面白いが、さして人生の役に立ちそうにもない そんな芝居ばかりしている劇団である。 メジャー路線を行くにしたがって「くだらないギャグ」の割合が どんどん少なくなり、最近は「まともな芝居」っぽい感じになってきていて ファンとしては非常に哀しい思いをしていたのだけれど 昨日の公演は「本来の路線に戻った」公演で 筋書きもなく、内容もなく、ただ派手で、くだらないギャグの多い どうしようもなく素晴らしい舞台だった。 アンコールの時、主役の役者さんの言った言葉が心に残った。 ゲストがたくさんいらしている時の芝居は「よそいき」の芝居です。 本来の僕たちは、こんな芝居をしています。 力の続く限り「馬鹿」やっていきたいとおもいますので みなさんも力の続く限りついてきてください。 『劇団 新感線』は真剣に「馬鹿」と取り組む大人の集まりであり 私は、そんな彼らがたまらなく好きだ。 馬鹿で世の中の役に立たないものは、どこか魅力的だ。 「役に立つ」ものは素敵だが 「役に立たないもの」は、もっと素敵だ。 ……と私は思う。 大好きな劇団の芝居に敬意を表して 私は、おろしたての黒いコートを着て出掛けた。 シンプルで機能性を重視したコートは、とてもあたたかだった。 でも、それ以上に「訳が分からなくて馬鹿馬鹿しい芝居」は 私の心に熱く食い込んできてた。 風邪をおして出掛けて良かった…と思った。 |