2004年01月04日(日)
東電OL症候群
にわかに東電OL殺人事件に興味を持ち、「東電OL殺人事件」(佐野眞一)と、「グロテスク」(桐野夏生)を読む。
前者は、こじつけと妄想と先入観にあふれた読むに耐えないものでしたが、後者は面白かった!女の嫌なドロドロとした部分をこれでもかと思うほど描き出してある後味のわるーい作品なんだけど、恐ろしいほど東電OLをモデルにした佐藤和恵に共感するところが多かったです。
真面目で勉強ができることがアイデンティティーだったのに、高校に入って「美しさ」という別の(しかし女にとっては頭脳よりよっぽど重要な)判断基準があることに気付いて、プライドが崩壊していく過程とか、自慢のお勉強でさえも、もっとずっとできる人に出会って唯一のアイデンティティーも失ってゆくあたりとか。 自分も思春期に感じたことが多かったなー。
昔何かで読んだんだけど、女性は男性と比べてもともとの能力は劣らないのに、思春期になると急激に学力が低下する人が多いんだって。 その理由は、思春期になると周りの女性が、勉強よりも男性にどう見られるかとか、どうやったら美しくなるかとか、そういうことを気にし始めるので、それに驚いて、彼女たちについていこうとして自分も外見やら男性の視線やらを気にしはじめて勉強を疎かにする・・・というパターンが多いらしいです。
それ、すごくよくわかるんだよねー。私も中途半端にお勉強ができて(傲慢ですみません)、中途半端に男性の視線も気になる人なので。
なんだかふと、男の視線も他の女性たちに和することも構わずに一生懸命キャリアを積んで、エリートと呼ばれるようになった女性と、優秀な能力を持ちながら、平凡な結婚をして専業主婦になった女性と、どっちが幸せなんだろうと考えてしまいました。いまどきの娘さんたちは「キャリアも美しさも!」なのかしらねー。でもそれはほんの一握りの人のような気がしてならない私でございます。
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