Leaflets of the Rikyu Rat
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2005年05月11日(水) 素晴らしい世界

 先週の金曜のことから書こう。
 確か夜の八時から朝の六時までゲイバーでのバイトに入る予定であった。
 これまでは八時から十二時であったので一気に六時間も延長することになる。
 九時からで良いとのメールが来たため少しラクになると安心。
 結局客が四時半に途切れそこで終わった。
 七時間半労働。
 当初の予定より二時間半も短縮されたことになる。
 にも関わらず、とんでもなく厳しく感じた。
 お客さんはいつもよりもずっと話しやすいひとばかりで環境は申し分無かった。
 七時間半立ち続けることに関しての疲労感はあまり無かった。
 笑われるかもしれないけれど、酷い眠気と、
 眠気による酔いやすさが重なり大変な苦行であるかのように感じられた。
 当然ながら酒の量もいつもより遥かに多く、
 多量のアルコールが肝臓へと染み渡るのを感じた。
 
 朝飯をマスターに奢って戴いた。
 とても美味しく、
 けれど食欲はほとんどなく、
 それでも残してはあまりに申し訳ないと何とか食べきった。

 六時半頃、帰宅しそのまま布団に倒れ込む。
 
 十時丁度、激しい頭痛で目が覚める。
 おそらく二日酔い。肝臓が痛んだ。
 良く分からないけれど、僕は痛みに敏感な方だと思う。
 身体の中のどこが痛いのか、どういう風に痛みが進行しているのかが感覚的によく分かる。
 それを上手に表現する語彙能力が無いのが恨めしいけれど。

 驚くべきことに昼過ぎにはすっかりおさまった。
 気分転換のため自転車に乗って目的も無くふらついた。
 ツツジの花が満開であり綺麗だった。
 とても暖かく、半袖から晒しだされた腕がぽかぽかと包み込まれた。
 すこしチクチクした。
 最近周囲に気を配ることがめっきり無くなっていた。
 目を凝らさずとも
 少しでも注意を払えば何かを発見できることがあるのだと思い出した。

 僕はとても視野が狭くなっていたかもしれない。
 たこ焼きを買って帰った。おいしかった。

 コミック「素晴らしい世界」全二巻(浅野いにお)を購入、読了。
 おもしろかった。
 CD「quake and brook」(the band apart)を購入、現在ヘビーローテーション。
 すごかった。

 おいしかった、おもしろかった、すごかった。
 言葉にすると平凡で単調な想いかもしれないけれど、どれも「本気」で思った。

 GW明けに飯を食おうと言っていた彼からのメールは無い。
 当分無いだろうと予想していただけに
 あまりに予想通りで愉快だ。
 昔から僕は彼のことに関しては誰よりも何よりも予感が的中する。
 僕は彼のことが大好きだったから彼について何でも分かった。
 彼のことが何でも分かったから僕は彼のことが大好きだったし、
 だから僕はいつでも必死だった。
 彼が僕を見限るのも容易に予想できた。

 彼が甘い言葉を発するたびに僕は喜びと
 同時に焦りと失望を感じていた。
 彼の甘い言葉が妄言であるのだとはっきり確信していれば
 焦りも失望もしないはずであるけれど
 やはり信じていたのだと思う。
 彼は悪気などなく思いつきで全ての「ことば」を僕へ伝えたのだろう。
 こうなればいいと思ったことを言うだけ言ったのだろう。

 
 おいしい御飯を食べて
 友達と会話して
 朝まですこし寂しくひとりで過ごす日々。

 あさってのバイトに備えて胃薬でも買いに行ってこよう。




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