◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2002年12月10日(火) ガラスの風景・・・新人公演

ガラスの風景・・・新人公演・・・。
聞いただけで気の毒なくらい・・・だって難しすぎるもん。

そんな気持ちで出かけた新公だった。
すずみんは芝居ができる・・・と思っている。
決して美人ではないが、独特な華やかさを持った人だと思う。
前作『プラハ』の新公で・・・そう思っていたからとても楽しみではあった。

幕開き、青い影のコロスたちが湖畔の風のように踊る。
まず、キラキラボールを持った夢乃聖夏ちゃんに目が止まった。
少しクセがある踊り方・・・。見入っている間にジョーイ・・・すずみんが登場。
渚・安蘭・夢輝・・・の本公演のような響きあうコーラスではないものの
いつの間にか・・・吸い込まれていた。

では、登場人物・・・順不同思い付きのままで・・・。

ピッコラ&アルト(いきなりかいっ!!!)
毬乃ゆいちゃんと星風エレナ。
本役のような味はないが、お調子者の姉妹で通していた。
年齢は・・・若くしてあるようだった。
ただ星風さんの声が甲高すぎて・・・ナニを言っているのかわからず、
そういうのがあとあとになって・・・ただのうるさい姉妹に見えてしまったのが残念。

シモンズパパ&ママ
青空弥ひろちゃんと叶千佳ちゃん。
若い・・・とにかく若い。
千佳ちゃんなんてどう考えてもローラのママとは気の毒すぎる。
弥ひろ氏は・・・若いけれども避暑地のリーダー格という雰囲気は出ていた。

クレマン教授・・・
大真みらんちゃん。
ガイチのようなどこか神経質そうな利発そうな・・・というイメージはなかったが
妻リーザを愛する・・・どこか疑いながらも愛しているということが
ツラくなるくらいに伝わってきた。
ラスト・・・自分の想いを歌いながら告白するところが
とてもとても大切にしている・・・ということと
これで何かから解放されたという安堵感が見えた。

リーザ
琴まりえ
少し気の毒な役どころだった。
これはもしかしたらバクスターの次に難しいかもしれない。
セリフがたどたどしいので、いろんな男性を惑わす女性には見えなかった。

ミラー警部
柚希礼音
参りました・・・。すごかったです・・・はい。
前作『プラハ』のヤンパラフの時はまだ少し荒削りだったのに
トウコのようにはいかなかったものの・・・すごくうまくなっていた。
ビックリした・・・・・・。
スーツやコートがよく似合い、時には軽快に時には重々しく・・・
うまくストーリーを運んでいたように思えた。

ピエトロ
綺華れい
これも難しい役なんだ・・・と思った。
やりすぎてもいけないし、そこそこやりこなさなくてはいけない。
彼女なりにいろいろ工夫しているのが見えた。

アメデオ&ロベルト&プリシラ
天緒圭花・鶴美舞夕・陽月華
セリフが早すぎて・・・。
ウメちゃんが本役の千佳ちゃんとは違った役作りで笑いを取っていた。

ジョヴァンニ
美城れん
なるみんはなかなかキレものの助手・・・という感じだったが、
美城さんは・・・気はきくけど、ちょっと(かなり?)どんくさい・・・というか
人の良さが前面に出ていて・・・かわいらしかった。

マリオ&クララ
彩海早矢・南海まり
銀行の御曹司・・・というよりも・・・金持ちのちょっと荒くれたぼんぼん・・・という感じだった。
南海まりちゃんと並ぶと「どっかで見たぞ。この並び」と『ヴィンターガルデン』を
思い出してしまった。
クララがお母さんである千佳ちゃんよりも、姉である仙堂さんよりも年が上に見えてしまったのが・・・見ていてちょっと「あらら?」という感じだった。
事件の直後、動揺しているのがすごくよくわかって、
「あー、動揺して気がついたらボートに乗ってたんだな。」と
見ているだけでよくわかった。

レオナルド
嶺恵斗
もうオトコマエすぎ・・・。スタイルがいいから、どの衣装もよく似合う。
「そりゃ、奥様もちょっと気になってしまうだろう。」というくらいオトコマエだった。
リーザに「もうおしまいね。」と言われたあとにまとぶんとは違った落胆ぶりが
見えてそれが妙に心に残った。
事件の真相がわかったあとのジャケットに白いパンツがまぶしいくらいだった。

ケント
祐穂さとる
さとるっちもいい味を出していた。
「あら、この人もリーザに気があったのね。」と初めて気がついた。

ローラ
仙堂花歩
セリフを急ぎすぎるのが気になったが、ジョーイの別荘で自分の気持ちを
はじめて告白する時の様子がとても初々しく、「恋する」というのがわかりやすかった。
ただ、大人っぽい衣装やカツラがかわいらしい顔にしっくりこなくて
見た感じに違和感があったことは否めない。
自分の気持ちと自分の立場を理解しようと努力している葛藤がうまく表現できていた。

ジョーイ
涼紫央
とてもていねいに・・・セリフを大切に運ぶ人。
歌も格別ウマイわけではないのにどの歌もあたたかく、聞こえた。
ローラに告白された時に見せる一瞬の喜びの顔と戸惑いの顔の変化がよかった。
最初にクララをいいなだめている時の雰囲気もとても優しくて心が和んだ。
たーちんのジョーイは、今までの人生経験からにじみ出る・・・悟りのようなものがあったが、
すずみんのジョーイは真面目にひたすら真面目に生きてきた・・・心根のやさしい好青年だった。

最後の挨拶で「新公が大好きでした。」とまたまた正直に語り出したが
途中うまく表現ができなくて・・・伝えたいことが言葉にならなくて・・・という面があり、
それはそれでまたとても微笑ましかった。
まだ話している途中だったのに、ラストの曲が始まって・・・幕が降りてしまい
少し気の毒だった・・・・・・。

今回は、どれだけ本役がすごいか、難しい役が多いか・・・と
いうことを痛切に感じた公演だった。
全体的にセリフを言い急ぐところがあり、所々、ただやかましいだけになっていたことと
歌える人たちまでも歌に問題があったことがとても残念だった。
歌で納得できる人がいなかった。
強いていえば、すずみんがとてもていねいに心をこめて歌っていたのが心地よかったくらい。
すずみんが歌やセリフを大切にしていることでとても幸福な気持ちになれた。
たーちんのジョーイとは違った・・・好青年的なジョーイだったが、
全体的に小粒(?)だった新公だったから、それくらいのほうが枠からはみ出ることもなく、
おさまりよかったのかもしれない・・・と思った。

新公らしい新公・・・そんな感じの公演だった。


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春吉

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