サッカー観戦日記

2020年09月29日(火) 雑文・各地サッカーマニアのZOOM座談会 Vol.17

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今回は終盤戦、ほとんど優勝が決まった先週末の各地域リーグ、および東海学生リーグをメインに関東のアミノバイタルカップや後期リーグのお話しなどをしています。あと昨年のクラブ選手権覇者のFC淡路島の話なども。いつもながらついてこられる人だけついてきて、的な濃い話です。
あと、参加者も募集中です。特に北海道・東北・東海・北信越・四国在住である程度地域内の社会人か大学か高校生か女子といったアマチュアに詳しい、現場をリスペクト出来る生観戦者を探しています。



2020年09月28日(月) 雑文・サッカー観戦日記 YouTube版 Vol.31

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今回はやはり先週末の観戦、つまり土曜日の高校選手権大阪大会4回戦の模様、ヌヴェール対天王寺と常翔学園対千里青雲の試合の雑感、および日曜日の北信越リーグ最終節の二強直接対決の決戦、福井ユナイテッド対アルティスタ浅間の模様を写真で紹介しています。あと、Jグリーン堺や芦原温泉の模様なども。



2020年09月27日(日) 北信越フットボールリーグ 福井-浅間

JFL以上の全国リーグ無し県は47都道府県でたった二つ、福井県と和歌山県だけである。このうち私の認識としては福井県は特にフットボール後進県ではない。福井ユナイテッドはサウルコス福井時代に国体優勝もあるし、JFL昇格に近い。が、なかなか上がれない。現在、北信越フットボールリーグは2強体制だ。福井と長野のアルティスタ浅間である。今年も最終節の直接対決で優勝が決まる。全勝の福井に対し浅間は1引き分けがあり、得失点差でも差があるため、引き分けなら福井の優勝である。会場はテクノポート福井スタジアム。地方には珍しくきっちり税金で作られた球技場で収容人数も多い。ただし交通の便が悪い。公共交通機関ではほぼ行けない。えちぜん鉄道三国駅からタクシーである。福井は丸岡スポーツランドサッカー場もあり、サッカーへの理解の高さは感じる。近くには芦原温泉もあり、帰りに寄った。


北信越フットボールリーグ第7節(最終節)
福井ユナイテッド-アルティスタ浅間
9月27日 13時30分 テクノポート福井スタジアム 13時30分 良芝

福井           浅間
---山田--金村--- --伊集院--岡田---
---角野--福田--- 岡本-------喜屋武
木村---奥野---吉田 ---長谷--清水---
--石川-洪--橋本-- 木村-鈴木--金澤-加地
-----千葉----- -----吉内-----



福井 監督:寺峰輝
GK  1 千葉奏汰
DF  5 橋本真人
   17 洪潤極
   18 石川智也
MF  4 吉田旭陽
DF 13 木村健佑
MF 16 福田航太
   25 角野翔汰
   30 奥野将平
FW 10 山田雄太
   39 金村賢志郎

=====

GK 31 吉内博也
DF  2 長谷澪杜
DF 13 木村太貴
MF 18 加地玄季
DF 20 鈴木雄大
DF 24 金澤卓巳
MF 10 喜屋武聖矢
DF 14 岡本裕樹
MF 23 清水夢希
MF 7 岡田孝徳
FW 22 伊集院雷




福井は実質5バックの中盤3枚でガチガチに守る。しかも浅間も守備のチームに見える。双方守備時は引いて相手にボールを持たせてカウンターを狙いたいチーム同士。これは大勝負あるあるなのか、ゲームプランなのか、今期北信越で星を落とさないためのチームスタイルなのかは分からない。自陣深くで持つと相手の裏目がけてロングボールを蹴りだす。これは渋いゲームになると思ったが、早々のプラン変更になる。11分、福井が裏に出したボールが⑩山田に渡り、左シュートが決まり1-0。これで2点取らなければならなくなった浅間は慎重に繋ぎ始める。ここから2失点しなければいい福井はますます守る。しかし浅間も守備的で微速前進といった印象である。バランスを崩し追加点を食らうとジ・エンドである。テクニックのあるレフティー喜屋武がタメを作り、遅攻主体でミスのない無難なパスを回すが、シュートにはなかなか行けない。福井も極端にシュートが少なく、ロングカウンター一点張りである。フットボール嫌いの人(多くは野球ファン)は、「サッカーは点が入らない」などと皮肉るが、そういう人は野球を捨ててずっと点の入るアメフトやバスケのようなアメリカ二大プロスポーツには転向しないものである。フットボール好きはこういう渋いゲームが好きなのであり、ロースコアスポーツならではの緊迫感を楽しむものである。福井はロングシュートを放つが、決定機はなく、浅間は自陣に引く福井を崩せず、ほとんどシュートに行けない。タフなゲームに1147人、入場料1000円の観客は固唾をのむ。前半は1-0で終了。お茶を飲む余裕もないゲームだった。観客が飲水タイムで一斉に水を飲むのが印象的だった。

後半も同じ流れ。打開できないと判断した浅間が59分、㉒伊集院に代えて⑪塩沢勝吾を投入する。プロ契約選手で、長身センターフォワードタイプ。彼へのハイボール放り込みを開始する。そして塩沢へのハイボール放り込みからPKを獲得する。キッカーはエース⑩喜屋武。しかしあまりのプレッシャーにのまれたのか、左足キックは右にコースが甘くセーブされる。スコア動かず。以降、浅間の攻撃を跳ね返すたびに地元福井の観客の圧が凄く、相変わらず浅間はシュートを撃てない。今季で引退の塩沢頼みである。そしてハイボールに塩沢が勝っても人数を割いて守る福井の守備を崩せずタイムアップ。福井ユナイテッドが今年も優勝し、地域チャンピオンズリーグ出場を決めた。

物凄くプレッシャーの厳しいゲームだった。観客も声を出せないながらも集中力があった。こういう消耗度の高いゲームをファンは求めているのだ。

福井は車社会なので観客はほぼ全員自家用車だった。タクシーで三国駅に戻ったのは私一人ではないだろうか?

帰りはあわら湯のまち駅に寄り、芦原温泉に浸かった。外湯500円。駅にはマンガ・アニマ「ちはやふる」のキャラクターイラストとノートがあった。猪熊さん。あわら市には縁もゆかりもないはずだが、「ちはやふる」の主要キャラクターにはあわら市出身の設定がいる。そしてお約束の福井駅で羽二重餅を買い、往復とも高槻駅に止まるサンダーバードを使用。
サンダーバードが高槻駅に停車するようになってから高槻駅から使うのは初めてだ。



2020年09月26日(土) 高校選手権大阪大会5回戦 天王寺-ヌヴェール 千里青雲-常翔学園

香里ヌヴェールは元は女子高で、京都の聖母学院の系列校だ。聖母学院は京都の高校女子サッカーの低迷期にフェスティバルを主催するなど大きく貢献した。自らは全国経験はないが、こういう高校に支えられて現在の高校女子サッカーがある。その香里ヌヴェールは元JリーガーでG大阪ユース出身の植田龍仁朗さんを監督に招聘し、強化を図った。そして大阪府4部リーグから毎年昇格し、今年は2部リーグでも優勝したが、新型コロナウィルス禍の為、今期は昇格できない。対する天王寺は元日本代表監督で現JFA副会長の岡田武史さんの母校である。




天王寺          ヌヴェール
-----九番----- ---七番--十八---
-十一--十番--七番- ------------
---二二--八番--- 十番-四番--十四-九番
十五--------二五 六番-十五--五番-三番
------------ -----一番-----

香里ヌヴェールはボランチから大きく展開し、サイドチェンジを交えてしつこくサイドを攻略する。ちなみにボランチの一人はプロ入りが後に発表されたが、どちらかは分からない。とにかくはっきり言えるのは体格に優り、稲本潤一タイプのボランチが失わず、大きなパスで支配することだ。天王寺は自陣に張り付くしかなく、遠すぎてセンターバックやゴールキーパーの背番号が分からないほどだった。サイドを攻略したヌヴェールが次々と加点し、前半で0-5としたので、観戦ピッチを移動した。新興勢力としての力量は分かった。



常翔学園は大阪府1部リーグの強豪だ。しかし前半0-1と千里青雲が食らいついている。
ちなみに常翔学園ラグビー部は何度も全国制覇していることで知られる。旧大工大高である。ただし大工大こと大阪工業大は大学ラグビーの強豪ではない。

千里青雲         常翔学園
-----九番----- ---七番--十八---
二四-五番--三番-七番 ------------
------------ 十番-四番--十四-九番
------------ 六番-十五--五番-三番
------------ -----一番-----

千里青雲が抜群の走力で前から追いかける。常翔学園もなかなか追加点を奪えない。しかし0-3として、千里青雲が一か八かの猛攻を仕掛けると常翔学園はカウンターを狙う。千里青雲キーパーが至近距離シュートを動物的反応でセーブするシーンもあった。あれは才能とトレーニングとどちらも必要なセーブだった。しかし終盤、常翔学園がロングカウンター2発で止めを刺し、0-5と勝った。ロングカウンターということは千里青雲が良く攻めていたことでもある。



2020年09月23日(水) 雑文・サッカー観戦日記 YouTube版 Vol.30

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今回は写真主体で先週の観戦についてお話ししています。天皇杯1回戦のおこしやす京都-奈良クラブ、東海学生リーグの四日大-岐協大、そして東園大-名産大の前半30分までと樽見鉄道完乗と終点からのうすずみ温泉、そして日曜日の関西リーグのポルベニル飛鳥-レイジェンド滋賀、おこしやす京都-関大FCです。神武天皇陵や近鉄ビスタカーの写真も。



2020年09月19日(土) 東海学生リーグ 四日大-岐協大 東園大-名産大

東海学生リーグは現在4強体制、つまり東海学園大・中京大・常葉大・静岡産業大の時代となっている。だが関西以外の観戦会場を選ぶ際のポイントは等身大の大学リーグを観ること。つまり中堅レベルを選ぶということだ。岐阜協立大も四日市大も昨年中位であり理想のカードだ。そしてこのレベルならタレント発掘にも適している。つまり高体連なら県内1部リーグクラスではあっても、トップとか2強クラスからの進学は少ない。そういう意味でもポイントだ。

東海学生リーグ
四日市大学-岐阜協立大学
北西部運動公園 9時30分 人工芝 晴


四日大          岐協大
-----木村----- ---横山--重松---
-----魏------ ------------
中島-坂梨--本多-石崎 鬼頭-柴田--吉田-持田
板井-森本--鈴木-畠山 井上-大坪--伊東-若原
-----阿久津---- -----親盛-----

岐協大の右インサイドハーフは記録では㉒吉田となっているが、私のメモでは19番になっている。この辺り真偽不明。


四日市大
GK 1 阿久津大輝 3年 99.09.30 168/68 旭
DF 12 畠山海   2年 00.04.03 177/68 厚木北
DF 3 鈴木大誠  3年 00.01.11 176/70 大同大大同
DF 5 森本大地  3年 99.06.30 177/67 日章学園
DF 19 板井秀汰  1年 01.07.21 179/75 開新
MF 6 本多訓大  3年 99.10.24 168/65 帝京大可児
MF 10 石崎柾  4年 98.12.11 175/65 主将 暁
MF 14 坂梨寿莉 3年 99.10.16 172/60 帝京大可児
MF 20 魏彰寿  2年 00.12.15 175/70 海星
MF 7 中島郷   4年 98.07.17 175/62 岐阜工
FW 9 本村比呂  3年 98.10.04 177/75 富山第一
サブメンバー
GK 16 平野魁斗
DF 4 稲田竜也
DF 18 甲斐有哉
MF 24 中戸川有樹
MF 15 二瓶瑠星
MF 25 大山幸央
FW 11 日高太一
FW 13 日下部玲生
FW 17 長田歩
メンバー情報 (岐阜協立)
スターティングメンバー
GK 13 親盛龍斗  4年 98.09.25 175/65 西原
DF 11 若原駿介  4年 99.02.01 172/63 FC岐阜U-18
DF 3 伊東竣    4年 99/03/10 180/73 守山北
DF 4 大坪正幸  4年 98/04/23 180/73 佐賀学園
DF 5 井上亮雅  2年 00/04/19 173/65 名古屋グランパスU-18
MF 8 持田大輝  4年 98/06/18 169/60 大社
MF 14 柴田悠登 2年 00/08/21 170/60 中京院中京
MF 22 吉田迅社 3年 99/08/22 174/62 北陸
MF 32 鬼頭克満 2年 00/11/01 174/58 FC岐阜U-18
FW 27 横山智也 2年 00/09/01 167/62 FC岐阜U-18
FW 10 重松寛太 3年 99/05/02 175/68 星槎国際湘南
サブメンバー
GK 24 相庭拓海
DF 2 松崎亮凱
DF 15 加藤悠人
DF 16 須藤悠斗
DF 17 太田寛人
MF 18 知花龍雅
MF 6 丸山晃史
FW 9 田中洸太朗
FW 20 重松歩夢


さて、立ち上がり、岐阜協立大は「シンプル、シンプル、裏」と声を掛け合っている。勿論シンプルにプレーするのが一番難しい。基本を高めるのは一番難しい。だからこそ多くの高体連は勝負に勝つために基本をおろそかにして走る傾向にあるし、プロ育成機関のJユースは徹底的に基本を鍛える。岐協大はプレッシングからの素早く隙を伺いタテに仕掛けるだけの基本の高さがある。一方、四日大はショートパスを繋ぐチーム。やや基本技術で岐協大と比べ劣勢でプレッシングをもろに受けるが、それでもリズミカルに回す時間帯もあり、そして左ハーフ⑦中島に渡るとタテに仕掛けて左足で正確なクロスが飛んでくる。⑨木村のポストも軸だ。岐協大は⑩重松が中で踏ん張り、そして目立つのが㉗横山で自由に動きスペースを突く。守備力では岐協大が上回る。つまり体格に優り、四日大のポストを潰し、一方四日大は体格もないがスピードも足りず、横山の蹂躙を許している。11分、四日大がカウンターから繋いで⑦中島の強烈な左足ミドルはセーブ。27分、岐協大㉗横山の右クロスに⑩重松ヘッドは外れる。四日大はマーク外されかかったが何とか寄せた。四日大も⑨木村がペナ内で倒されるが、ちょっとPKまでは取れない。四日大は35分、正面20mFK、ここで⑲板井の左足フリーキックはわずかに外れる。4年生でいい左足を持っている中島ではなく1年生の板井というあたりに期待感を感じる。45分、岐協大㉗横山が左を切れ込み中詰めて決める。ポジション的に重松か?とにかく四日大0-1岐協大。前半終了。

後半もペース同じ。13分の選手交代の際、四日大が4-4-2と話していたが、最初から4-4-2だと思った。⑨木村の1トップで⑳魏がシャドーとして中盤という解釈か?いずれにせよ⑩石崎がトップへ。つまり裏も狙っていこうという判断だろう。しかし岐協大はプレッシングの位置を下げて対応。1点リードを守り抜き、0-1で勝利した。

交代は省略。

四日大について。繋ぐスタイルはいいが、パターン化されておらず、カウンターの威力もない。よりパス回しの精度を高めなければ、4強を崩すのはなかなか難しいだろう。まあ時間をかけて力をつけるしかない。

岐協大について。プレッシングは四日大には通用したが、上で通用するにはもう少し頭の回転を速くしたい。こればかりは実戦経験しかない。東海学生リーグで経験を重ねて少しずつ力をつけるしかない。




東園大          名産大
-----森永----- ---岡本--山田---
-福田--児玉--白川- --野中----住川--
---小原--山内--- 長縄---太田---樫木
前田-岡本--岩永-大津 --高井-田中-金子--
-----木佐貫---- -----木戸-----



監督:安原成奏
GK 1 木佐貫峻也 2年 00/05/01 180/67 静岡学園
DF 4 岡本杏太  4年 98/09/10 176/72 宇治山田商
DF 5 大津佑和  4年 98/05/15 168/62 湘南ベルマーレY
DF 6 岩永陸弥  4年 98/11/15 179/64 中央学院
DF 24 前田絋基  4年 98/08/25 177/68 大阪桐蔭
MF 14 小原基樹  
MF 18 福田望久斗 3年 20/02/20 168/58 中央学院
MF 13 山内彰  3年 00/03/10 170/62 中央学院
MF 9 白川大吾廊 4年 98/05/07 172/68 静岡学園
FW 10 児玉駿斗 4年 98/12/03 166/61 中央学院
FW 23 森永秀紀 4年 98/12/24 178/66 初芝橋本
サブメンバー
GK 16 高安寛人
DF 22 福田航希
DF 33 藤本奎詩
DF 28 楠本羽翼
DF 32 舌古圭佑
MF 20 井堀ニ昭
FW 19 野中魁
FW 15 野村魁
FW 26 福島広陽

メンバー情報 (名古屋産業)
スターティングメンバー
GK 1 木戸裕貴  4年 98/04/30 183/82 鹿島アントラーズY
DF 30 金子力矢  2年 99/09/21 192/86 菊華
DF 3 高井健太  
DF 7 樫木雄飛  2年 00/10/25 160/57 鵬学園
DF 28 田中将勢  
DF 18 長縄遥輝  4年 98/11/16 165/65 愛知FC
MF 16 太田海地  
MF 14 住川鳳章  4年 98/08/16 178/65 青森山田
FW 10 山田清貴 3年 99/08/31 164/64 菊武ビジネス
FW 13 野中俊哉 2年 01/01/15 170/64 浜松開誠館
FW 9 岡本翔太  2年 00/08/07 174/74 藤枝明誠
サブメンバー
GK 22 岩本達也
DF 5 中山純希
DF 2 柳澤雅也
DF 23 鈴木凛
MF 8 鎌田悠斗
MF 25 菊池伶桜
FW 15 大山晟那
FW 19 芹沢諒
FW 27 奈良脇玲央


名産大は3-5-2表記だが、実際は5バックの前に中盤3枚が陣取る堅陣。5-3-2だ。
第2試合は30分だけと決めていた。第1試合を最大限の集中で観ると決めていたし、観戦体力・集中力の自信がなかったからだ。また温泉に行くという第2の目的があった。東海学生リーグの最強校の一つ、東海学園大対圧倒的な強さで2部を制し昇格してきた歴史の浅い名古屋産業大の注目カードである。4-2-3-1の東海学園大の1トップは森永秀紀。178cm66kgでポストプレーを期待されているのだろう。しかし名産大で彼をマークするのは2年生の金子力矢だ。192cm86kg、身長で14cm差、体重で20kg差あり、これは潰される。彼は東海選抜でもあり、全く無名の菊華高校出身ということもあって相当将来が期待される逸材だ。明らかにアフリカ系の血が混じっていて身体能力、特にジャンプ力が凄い。しかし東海学園大は森永が勝てないとみるや、すぐさまプランを変えてきた。トップ下のユニバー代表児玉駿斗が森永を囮に東海選抜の右ハーフ白川や左ハーフの福田を操りインナーレーンを攻略してきたのだ。白川や福田は外しまくったが、プランBが功を奏したのは明らかだった。囮になる動きが出来る森永もさすが東園大で1トップを任されるだけはある。12分、東園大先制。これに対し、名産大のプランBも観たかったが、修正する前に離脱しなければならなかったのが残念だ。最終スコアは3-1だから名産大も対応策を見出したのかもしれない。あと児玉は自ら決めに行く姿勢が観られなかった。児玉はプロに行く選手だと思うが、決めに行けなかったんか、決めに行かなかったのか、とにかくこのゲームはトップ下で味方を操ることに専念していた感があった。





フットボールは実戦経験が大きくものをいうスポーツ。これは東海全体にも言える。東海学生リーグ中堅レベルの底上げがあってこそインカレで再度優勝できるようになるというものだ。普段からいかに濃い実戦経験を重ねるか。そう言う意味では四日大や岐協大のレベルアップは大きい。



2020年09月15日(火) 雑文・各地サッカーマニアのYouTube座談会 Vol.16

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今回のネット座談会は亀岡スタジアムから中国・関西・関東・東海の社会人リーグ?そして関西や東海、関東、東北、四国の大学サッカー、そして関東大学女子やJFLなどの話題です。段々慣れてくるに従い、普通の聞き手にはフレンドリーな内容ではありません。容赦ないマニアがどういう会話をしているか、知ることができると思います(笑)。



2020年09月14日(月) 雑文・サッカー観戦日記 YouTube版 Vol.29

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各種プログラム類の購入方法を紹介しています。買ってください。そして関東大学リーグと関西学生リーグがなぜ「大学リーグ」と「学生リーグ」なのか、そして各地域のリーグの名称を語っています。案外ご存じない方が多いので。



2020年09月13日(日) スーパープリンスリーグ関西 三田学園-神戸

今期は高校生の全国リーグであるプレミアリーグが移動難から開催不可能なので、関西のプレミア4チーム、つまり京都・G大阪・C大阪・神戸のJの4クラブはプリンスリーグ関西に編入され、スーパープリンスリーグ関西を戦っている。そして新型コロナウィルス禍で異常事態の今季は各チームコンディションがバラバラで、関西に限らず「まさか」の結果が続いている。神戸は今季すでに観戦しているが、明らかに状態が悪い。


スーパープリンスリーグ関西
三田学園高校-ヴィッセル神戸U-18
2020年9月13日 神戸ユニバー陸上競技場 良芝 晴


三田学園         ヴィッセル神戸
十一---十番---十七 ---十一--十四---
---八番--七番--- ------------
-----六番----- 三九-六番--十八-誰々
五番-十三--三番-四番 二番-二九--十九-誰々
-----誰々----- -----誰々-----

いつも言っていることではあるが。番号判別困難ユニフォームはほんとに困る。ましてピッチまで距離のある陸上競技場では。常に双眼鏡は持ち歩いているが、わたしの観戦スタイルでは試合中に双眼鏡をのぞき込むのは困難だ。そして公式記録が出ず、大会プログラムは背番号が当てにならないのが常なので、背番号表記の観戦記にする。関西協会に公式記録が出ると思っていたので、判別困難な背番号を放置していたら、ホントに分からないままに……。
さて、結構観客が多く、スーパープリンスリーグ関西観戦を切望していたファンや保護者がこんなにいたのか、と感慨深くなる。ゲームはどうしても低調になる。神戸が立ち上がりから繋ぐが、ミスが多く、また大胆なプレーもなく、ゲーム勘の無さは相変わらずで、本来ならプレミアの威厳を感じさせない。三田学園の意図は前からプレッシングを仕掛け奪い素早く攻め切るというもの。現状の神戸にとっては一番厄介なスタイルだ。三田学園はもともとビルドアップにこだわるスタイルだったが、プリンス経験を積むチームにありがちな、実戦的で強い高校になっている。このゲーム限りの対神戸スペシャルかもしれないが、とにかくこのゲームについては最善の策を練った感がある。神戸は運べても勝負パスやドリブルが無いので三田学園ゴール前で脅威にならない。そして三田学園11番が左カットイン、こぼれを誰か蹴り込み先制。1-0。さらに神戸の左サイドバック2番がイージーな奪われ方をして三田学園センターフォワード10番がキーパーと1対1を沈め2-0とリードする。完全に神戸のゲーム勘の無さと三田学園の策が相まって絶対優位に進める。その後も神戸はポゼッションでは上回るが、全く効果的ではなく、回させられているだけで、どこからでも奪う意図のある三田学園の策にハマっていた。前半2-0で終了。正直、これは勝負あったと思った。

ところがハーフタイムを挟んで後半から様相が違う。神戸はロングボールを織り交ぜ、中盤からスルーパスがどんどん出てきてドリブルも仕掛けるなど、フットボールが面白くなっているのだ。前半の出来を観る限り、ハーフタイムで修正できるような状態じゃないと思ったし、問題がゲーム勘ならまだまだ時間がかかると思ったのだが、とにかくメンタルが変わった。特に左からの攻めが強烈でスルーパスが三田学園の右サイドバックと右センターバックの間に5本くらい通る。そして左コーナーキックも増える。そして右に展開、14鋭いターンで切れ込み、中で押し込み2-1。押せ押せムードになる。逆に三田学園は前半に勝負を決めるゲームプランで、まさにシナリオ通りだったと思うのだが、飛ばしたためプレッシングが落ち、神戸が後方で回すだけでなく、中盤高い位置でも回しはじめ、そしてロスタイムにも放り込みが通り決めて2-2のドローとなった。

三田学園得点者:清水、長野。

三田学園としては100点満点の展開だったと思う。特に策にはめたところは。ただ地力の差が出てしまった。引き分けは悪い結果じゃない。一方神戸はゲーム勘を取り戻しつつあるのかな、と。そして背番号が大きいところを見ると、今年の三年生のトップ昇格は難しいのかもしれない。野田監督になってから神戸は良くつなぐチームになった。しかしトップチームに多大な資金が流れると、ユース出身の逸材の出番がなく、つまりトップチームが強すぎて、ユースから昇格しづらくなった。何度も言っているが、藤谷壮は日本フットボール史上、才能では市川大祐に次ぐ才能を持つ右サイドバックだと思う。17歳の時には飛び級でU-19代表にも選ばれた。しかしトップに昇格しても神戸はサイドバックに代表経験者を招聘し、藤谷に出番がなく、せっかくの才能が今のところ開花していない。藤谷個人は移籍すれば良い。しかし神戸ユース出身の逸材を使う指導者が現れなければ、神戸ユースはいずれライバルチームへの選手供給源になり、やがて才能あるタレントが入らなくなるようになる、と思った。



2020年09月12日(土) 関西リーグ 和歌山-飛鳥

日本サッカーの仕組みについて。フットボールの掟はオープンリーグとオープンなカップ戦である。つまりJ1から各県のリーグまでつながっている。その中で全国リーグの4部リーグは何でもありのリーグ。つまりプロ・社会人の実業団・クラブチーム・大学など、力さえあれば形態はどうであれ所属できる。JFLの下は9地域リーグだが、JFLとは雲泥の差がある。そして9地域からJFLへの昇格方法は割愛するが、狭き門である。
新型コロナウィルス禍の現在は非常事態である。当初関西リーグは昨年最終節まで優勝を争い、JFLへの昇格大会に出場したおこしやす京都とTIAMO枚方の二強と見なされていた。しかしおそらく二強も他のクラブも本調子じゃないのだろう。みごとに混戦になっている。おこしやす京都は旧名をアミティエというが、エイプリルフールの夜遅くに「おこしやす京都」への改名を発表し、少し早いエイプリルフールを思わせたが本気だった。TIAMO枚方はイタリア語だが、私は今少しスペイン語をやっているので、何となく「TI」、つまり君が、または君を、と「AMO」、つまり愛する。つまり君が好きな、とか君を好きだ、と解釈できる。」スペイン語は動詞が格変化するので主語を省略出来、また主語も目的語も同士の前に来る。主語と目的語は微妙に形が違うが、イタリア語をやっていないので「TI」がどっちかは分からない。「AMO」については「アモーレ」から何となくわかるものかと。

でアルテリーヴォ和歌山とポルベニル飛鳥だが、全国リーグクラブのない県は福井と和歌山だけ。そして福井ユナイテッドは必ず全国リーグに昇格するクラブ。問題は和歌山である。関西リーグで優勝したことはあるが、全国でも特にサッカー人気が低く、県の経済力もなく、和歌山市内にサッカー場すらない。以前Twitterで過疎化の進む南海和歌山市付近にスタジアム建設を市議会が検討していると教えていただいたことはあるのだが、続報は聞かない。ポルベニルは明日香村ではなく、飛鳥地方のクラブ。つまり橿原である。今、奈良の高校サッカーは橿原付近が熱い。

関西リーグ
アルテリーヴォ和歌山-ポルベニル飛鳥
9月12日 14時 堺S9 人工芝 晴

和歌山          飛鳥
---久保--中西--- ---金藏--小田---
------------ ------------
山本-松尾-高瀬-千川原 日高-中島--志水-赤谷
三浦-加納--白--髙橋 吉樹-吉尊--野本-塚田
-----臼杵----- -----尾関-----

和歌山
1 GK 臼杵裕太
3 DF 加納錬 (Cap.)
14 DF 三浦修
16 DF 松尾瑛太
22 DF 白明哲
25 DF 髙橋寛太
8 MF 山本大稀
10 MF 高瀬龍舞
27 MF 千川原慎
11 FW 久保裕一
17 FW 中西倫也

21 GK 桑水流拓也
6 DF 石垣徳之
7 MF 大北啓介
13 MF 井ノ内拓也
23 MF 加藤健人
26 MF 堀野翔
20 FW 辻村剛史

監督 北口雄一
コーチ 伊藤 文寿
コーチ 角島 康介
コーチ 高田 一憲
トレーナー 平松 慧之
マネージャー 吉田 郁生



先発
29 GK 尾関良繁
2 DF 塚田圭祐
3 DF 野本泰崇
5 DF 中島圭大
16 DF 吉岡尊志
18 DF 赤谷直紀
6 MF 志水克行 (Cap.)
10 MF 小田健伸
20 MF 金藏和仁
9 FW 日高恕保
23 FW 吉岡樹利也

控え
1 GK 佐藤由維斗
4 DF 清水勇輝
7 DF 石原歩
26 DF 高見力生斗
28 DF 坂本慎治
25 MF 吉田智尚
15 FW 池田智基
チーム役員
監督 内藤就行
主務 南 則行
トレーナー 楠元 史
トレーナー 嶋田 陽太
マネージャー 上田 彩加
マネージャー 木村 遼耶


61分(後半16分)
11 久保 裕一 13 井ノ内 拓也
72分(後半27分)
8 山本 大稀 20 辻村 剛史
80分(後半35分)
16 松尾 瑛太 23 加藤 健人
80分(後半35分)
27 千川原 慎 26 堀野 翔
88分(後半43分)
17 中西 倫也 7 大北 啓介
交代
56分(後半11分)
5 中島 圭大 7 石原 歩
66分(後半21分)
23 吉岡 樹利也 25 吉田 智尚
73分(後半28分)
10 小田 健伸 28 坂本 慎治
87分(後半42分)
18 赤谷 直紀 15 池田 智基



後で知ったのだが、無観客試合扱いだそうだ。そのため公式記録では観客数が0になっているが50人くらい観ている。こういうことは公式サイトに載せるべきだと思うのだが、堺S9は周囲から見えてしまう。そういう関係もあったのだろう。
さて、ゲームは双方イマイチ。通常のシーズンなら優勝争いは無理と断じてしまうところだが、非常時のリーグである。諦めない限り何かある。単純に高さ・パワーで和歌山が上回る上に、身体の使い方でも上回る。たぶん柔道とか体術勝負なら和歌山の圧勝だろう。アヤックスのアカデミーが柔道をやっていることは知られているが、よく自分の専門ジャンルに過度な誇りを持つ人が、「スポーツをするなら最低陸上競技の練習をすべき」「いや体操を」「いや体術を」という。キング・オブ・スポーツといわれるフットボールには最初から全てがあるので参考程度でいいと思うが、とにかく選手のレベルや経験の差からポルベニル飛鳥ははっきり落ちる。セットプレーで和歌山⑪久保をボランチ⑤がマークするが、センターバックに高さがなく、しかも俊敏なフォワード⑰にはターンなど再三入れ替わられる。和歌山にビルドアップ能力があれば⑪久保に入れられ放題になったはず。しかし久保の足元に納まらず、たぶんパワーを買われて入ったであろう飛鳥のセンターバック陣が潰すまでもない。飛鳥は左サイドバック㉓がタフなスタミナと正確な左足があるが、和歌山の右サイドハーフもきっちり戻り自由にクロスをあげさせない。右もそうで、高さで劣る飛鳥が正確なクロスを入れられないのでは勝てない。ビルドアップ能力もない。一方の和歌山は久保を活かせないものの、繋いで押し込み、ペナ付近でパスを回すこともしばしば。バックラインは高さではっきり上回るから放り込みやロングボールへは完璧に対処できる。飛鳥に中の崩しはない。28分、㉗千川原のターンで切れ込み⑧山本がファーでワントラップシュートが決まり和歌山先制。俊敏性に差がありすぎた。この時は大量点が入るパターンと思ったが、飛鳥は実によく粘る。和歌山はイージーシュートを外すなど決定機を逃し前半終了。粘っている限りフットボールは分からない。ロースコアスポーツにしかない魅力だ。

後半も和歌山の猛攻が続く。そして56分、飛鳥のキーマン⑤中島が膝を痛め負傷交代。攻撃力はないが中盤で守備に効いていてセットプレーでは⑪久保をマークする高さのある中島は替えの利かない選手である。飛鳥にとってはかなり痛い。この時間帯、飛鳥はサイド攻撃を徹底する。コーナーキックも増える。しかし中で勝てず惜しいシュートはない。66分、㉓吉岡が筋肉系のケガで交代。よく走る左サイドバックで左足セットプレーも担当。やはり代えの利かない選手である。代わって入った選手は右利きの左サイドバックでクロスは必ず右足でしかも不正確だから和歌山は跳ね返し続ける。ロースコアで粘り続けるのは見事だが、時間が過ぎて和歌山が勝利。

まず和歌山について。例年ならこのプレーレベルなら無理だが、今年に限っては分からない。もう少し点を取りたかったが、今は勝つことが重要だ。強力な2トップは活かせなかったが、力はある。飛鳥は粘って何とか1部残留を。

なおこの節にTIAMO枚方は引き分けて、順位は1位から4位まで勝ち点8,8,7,7、の混戦になった。今季はとにかく2位以内に入ること。それが肝要だ。



2020年09月08日(火) 雑文・各地サッカーマニアのYouTube座談会 Vol.15

YouTube

今回はスーパープリンスリーグ九州の大津-ロアッソ戦の雑感から始まって、謎の天皇杯出場チーム・佐賀県代表EVインテルナシオナルやら、不気味な注釈の入った地域チャンピオンズリーグやら関東リーグ、関西リーグ、そして座談会当初の速報として東海学生リーグ日程発表やら東北大学リーグやらとごちゃごちゃです。そしてとても公開できない話をしているため、座談会途中でカットしています……。



2020年09月07日(月) 雑文・サッカー観戦日記 YouTube版 Vol.27雑8

YouTube

今回は各地スーパープリンスリーグの観戦可否を調べて、基本的に観戦自粛を呼びかける動画です。生観戦者として観戦を止める動画はなるべく作りたくないのですが、これは作らねば、と思ってアップしました。東海・北信越・関西・中国・四国・九州のうち大阪から観戦可能なのは基本的に関西だけです。九州は県内なら可能ですが、県またぎは観戦自粛を要請されています。この関係でスーパープリンスリーグの大津-ロアッソ他の観戦を断念せざるを得ませんでした……。



2020年09月05日(土) JFL 奈良クラブーヴェルスパ大分

ついにJFLも生観戦可能になった。今季のJFLは後期だけ。J3昇格?はあるが、地域リーグ降格はない。昇格についてホーム平均観客数2千人縛りもない。シンプルに4位以内かつ百年構想クラブで2位以内に入ればよい。その百年構想クラブの一つ、奈良クラブを率いるのは若干25歳の林舞輝さんであるヨーロッパでライセンスを取った理論派。日本の仕組みだと若くしてS級を取るのは難しい。したがって今期ヨーロッパを席巻したライプツィヒのナーゲルスマンのような選手としてのキャリアはなくても監督としての実力でのし上がる理論派は生まれにくい。80年代にプレッシングでフットボール界を変えたアリゴ・サッキの「名ジョッキーが名馬であった必要はない」にもかかわらず、「日本代表選手」出身の監督が幅を利かせているうち、つまり監督業が実力主義でないうちは、日本国内で指導のレベルアップは遅いだろう。そう言う意味でも林さんには日本のナーゲルスマンとして期待したい。
さてJFLはアマチュア最高峰である。今季の天皇杯予選はJ3が参加しないこともあってJFL16チーム中13チームが本大会に足を運んだ。三重と宮崎は2チームあるので、どちらかは必ず敗退するから、JFL以外に敗れたのは大阪決勝で引き分けPK負けのFC大阪だけである。むろんこの試合の奈良クラブもヴェルスパ大分も本大会に出る。
JFLは新型コロナウィルス対策の為、事前に席ゾーン指定を行った。私はアマチュア奈良招待券を受けられるJFA後援会である。今季使うのは初めてで、会費分使えるわけもなく、本来の精神に則り、JFAへの寄付行為と割り切っているが。
ヴェルスパ大分の須藤監督はU-16代表を率いていたことがある。その頃は評価しなかったが、しかし若き理論家だった頃と違い、経験を積んで洗練されているだろう。

この日奈良までの移動には意を用いた。密を避けるため、京都から特急を使ったのだ。自他ともに認めるケチに私には珍しいが、この時期安全第一と考え、なるべく空いている列車を使っている。出来ればビスタカーに乗りたかったが。スタグルでカレーライスの味をネットアンケートしてスパイシーカレーと決まった。むろん買った。量は多くないがピリッと辛いし、具も面白い。奈良クラブは昨年はハンバーガーが出ていたが、出来上がるまで時間がかかりすぎて食べられなかった。そういう意味では最初から狙っていたカレーライスを食べられて良かった。大人のゲームでは食べ物や飲酒をする方だ。この日はビール禁止なので、飲まなかったが。

奈良クラブ        ヴェルスパ大分 
---菅野--水谷--- ---中野--中村---
-----吉田大---- ------------
-山本--寺島--吉田- 利根-瓜生--金子---
加藤-西村--金--中村 西埜植-福元-浦島-西村
-----上田----- ------------


 1 上田智輝  181/79 96/03/03
 4 中村謙吾  170/68 92/05/05
24 金聖基   190/84 88/10/23
 5 西村洋平  181/75 93/06/01
11 加藤徹也  181/75 96/03/13
23 寺島はるひ 180/73 93/11/09
17 吉田直矢  166/60 97/12/19
27 山本宗太郎 185/79 96/02/07
 6 吉田大河  170/65 95/11/15
14 水谷侑暉  175/65 93/11/13
 7 菅野哲也  174/74 89/08/30



監督:須藤茂光

 4 西村大吾  178/71 96/03/14 
 3 浦島貴大  174/69 88/05/12
16 福元考佑  178/77 89/04/24
14 西埜植颯斗 174/70 96/02/21
 9 
15 金子雄祐  177/71 93/08/10
10 瓜生昴勢  166/63 96/01/08
11 利根瑠偉  176/68 93/02/15
18 中村真人  184/83 89/12/24
21 中野匠   170/62 95/10/14


さて、ゲームは双方理論派らしくバランスを保ち自陣から繋いでいく。ただ局面で戦っているのはヴェルスパ大分で、つまりディテールで優っている。球際に強いのも動き出しが早いのもヴェルスパ。奈良は中盤ダイヤモンド、というか80年代のように一人のストライカー、1人のウイング、1人のトップ下を置いた形である。林監督としては、最新理論のスタイルで行きたいのだろうが、古典を学んでこその最新理論というものだ。早々にヴェルスパが右を崩しクロスにファーポスト際に⑱中村詰めて決める。0-1。これで奈良は1トップを断念。交代させ、フォアチェックを一気に強める。しかしアリバイディフェンス的というか、人には行ってるが、奪うような寄せ方ではなく、またヴェルスパの受け手がスッと動いても意識がアラートではなく、難なくマークを外す。つまり個々の意識レベルで甘いのだ。これでは理論がどうであれ厳しい。攻撃時はサイドバックが大きく絞ったり最前線に現れたりと面白いが、相手が引いてくれないとなかなか厳しいのではないか?私は当初林監督が「理屈倒れ」になるのでは?と心配した。経験が浅いし、監督経験もないし。勿論JFLは4部リーグ。これからステップアップしていく人が監督職に据えられる。がネット観戦した時にはなかなかの攻撃サッカーだと思った。今後の課題は繋いでくるチームへの守備「理論」ではなく、選手への局面の意識付けだろう。何度もテクニカルエリアで首を姫ったり、眉間を押さえるシーンが見られた。つまり「理屈では正しいはずなのに、何故上手くいかないんだろう」という感触か。トップ下⑥吉田大河の才能は輝くが、ボランチ㉓寺島が散らし2センターバックでビルドアップし、押し込む時間が長いので点は入るだろうが、失点の匂いもプンプンしていた。
これだと「低迷はしないだろうが、昇格は厳しい」という印象だ。逆に須藤さんのヴェルスパ大分は無茶苦茶楽しいです。須藤さんはそれこそ「理屈倒れ」タイプだったのが、現在では地に足のついた「理論派」になっている。選手の意識付け、素早い判断と集中力、攻守の切り替えなど常にアラートなのだ。個々の能力では奈良クラブだが、やるべきことが難しくなく整理され、選手が素早く判断できるヴェルスパ大分は優勝争いは無理でも、魅力的なフットボールを披露できている。正直ここまで強いとは思わなかった。前の週、ゲーム感覚を失った高校生のスーパープリンスリーグ関西を観ていただけに、「JFLは無敵なんだね」(原作マジンガーZ的)と思った。プロリーグ以外では最強リーグの看板に恥じない。フラットな中盤でヴェルスパはボランチ⑩瓜生が番号に恥じない組み立てを見せ、2トップはパスコースを消すことを意識してカウンターを常に狙い、右サイドバック④西村は攻撃意識が高い一方で奈良クラブの左ウイング⑦菅野をよく見ている。前半は0-1で終了。あまりにゲームを満喫し、のめり込んでいた。

後半開始。奈良クラブ、左コーナーキックを獲得。ここでサインプレー。つまりペナの角のほうにグラウンダーで出し、スルーして正面から㉓寺島が左足ミドル、これが突き刺さり1-1。奈良クラブは一層集中力が増す。しかしヴェルスパも⑩瓜生の左コーナーキックでサインプレー、ファーで③浦島折り返し④西村ニアでボレー。1-2。以降奈良クラブは2センターバックと㉓寺島で組み立て、圧倒的に押し込む。集中力もあるしまだまだ追いつける展開だが、攻守の切り替えが遅いこと、そして自らポジションを崩すスタイルなのに、守備になったらどこ行けばいいの?みたいなところがあって、個々の戦術眼の問題もあるのかな?と思った。㉓寺島の負担が大きすぎる。またヴェルスパ大分は自陣に大きく引きながらときおり左サイドバック⑭西埜植が俊足で加速して持ち出すなど、守勢に甘んじる気はないのだ。やがて奈良クラブはパワープレーを開始する。26番はほぼ高さで勝てるし、㉓寺島が左寄りから左足で入れて競ってこぼれを拾う攻撃に切り替える。しかしどうしてもこぼれを拾えない。能力では奈良クラブなのに個々の判断で劣勢で、一度は遠くからヘッドがバーに当たったシーンもあったが、何というか、勝てないときはこんなもんという雰囲気が漂い、さらに終盤カウンターを23番が故意に止めるプロフェッショナルファウルで2枚目の警告をもらい退場し、勝負は決した。結局1-2でヴェルスパ大分の勝利。

奈良クラブについて。個々の戦術眼アップや林監督の指導力アップには時間がかかる。時間をかけて成長を見守るしかなかろう。方向は正しいと思う。そして大分のファンは大分にはもうひと一つ魅力的なチームがあることを知ってほしい。

あと会場で家族連れとは言え3,4人隣り合って観戦すると家の中と同じとはいえ、普段から新型コロナウィルスへの意識が低いのでは、と思わされた。

なお、帰りも近鉄特急で帰った。いつもは有名な大仏プリンを買うのだが、30分に一本の特急がギリギリなので、余裕はなかった。なおビールは買った。



2020年09月01日(火) 雑文・各地サッカーマニアのYouTube座談会 Vol.14

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今回は関西リーグやら天皇杯やら、ここのところ毎回になっている四国大学リーグ(!)の首位争いやらJFLやら関東大学女子リーグやらなでしこリーグやら地域チャンピオンズリーグやらプリンスリーグやら、マニアックな愛媛県の年鑑600p3000円(!!)やら紹介しています。ちらっと北海道高校サッカーやら五戸高校も。分かりやすさは一切考えていません。ついてこられる人だけついてきて、的な。けものみち一直線です。


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