V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
「今後貴社が一層発展するには、自信を付けつつある彼らが目先のことだけでなく、長いスパンで貴社をどのような会社にしていくか考える力をつけていくことが必要でしょう。このプロジェクトを通じて彼らの潜在能力と更なる自発性を引き出せるものと確信しています」。某社トップに私が出した企画書の「はじめに」の一節である。これを読んだ当の「彼ら」は、この一文に燃えたという。「はじめに」で人を動機付ける。コンサルタント冥利だ。
大手企業の課長30人に、入社してから「期待以上だったことは何?」と聞いた。主な答えは2つ。第一は「会社がここまで大きくなるとは思わなかった」。今、大会社に勤めている人の多くは、90年以降この逆で、いかに会社を小さくしていくかばかりを体験し、大きくすることのイメージすらできないのに、これは素晴らしい体験だ。ただし、大きくしたのは他の誰でもない。この課長たち自身である。
タクシーに乗ったら、座席の目の前に「あなたの手と足となり、ベストガイドで頑張ります」と書いてあった。この運転手の決意表明だ。「足」になるのは分かるが「手」とは…とすぐにはピンと来なかったが、荷物運びを意味するのだとわかった。この運転手は自分が何を売っているかよくわかっている。タクシーは客を目的地に運ぶことだけが仕事ではない。その街のポーターでもあるのだ。 |