予防審美  
小林歯科クリニック  
 
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★予防と審美専門★【小林歯科クリニック】

2018年06月30日(土) 口腔内の歯周病菌が大腸がん発生に関与

Medical Tribuneによると・・・

横浜市立大学肝胆膵消化器病学内視鏡センター診療講師の日暮琢磨氏らは、大腸がん患者の患部組織と唾液から口腔常在菌の一種であるFusobacterium nucleatum(F. nucleatum)を分離、解析したところ、患者の4割以上でがん組織と唾液に共通する菌株が存在したことを報告したという。
同氏は「この結果から、大腸がん組織中のF. nucleatumが口腔内に由来することが示唆された」と述べている。

近年、大腸がんの病態や予後にF. nucleatumが悪影響を及ぼすという報告が増え、注目されている。
しかし、これまでヒトの腸内からF. nucleatumが検出されることは少なく、大腸がん組織におけるF. nucleatumの感染経路は不明だった。

日暮氏らは、F. nucleatumが口腔内環境において優先菌種であることに着目し、口腔内に存在するF. nucleatumが大腸がん組織へ移行しているとの仮説を立てて検証を行った。

同氏らは、大腸内視鏡検査で大腸がんと診断された84例のうち、1カ月以内の抗菌薬使用歴がないなどの条件を満たした患者14例(男性10例、女性4例、平均年齢69.4歳)を対象に、内視鏡を用いて採取した大腸がん組織および唾液検体からFusobacterium選択培地を用いて計1,351コロニーを分離、特異的プライマーポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で361のF. nucleatumを検出した。

その結果、8例で大腸がん組織および唾液の両方からF. nucleatumが検出された。
さらに、これら8例から分離されたF. nucleatumをarbitrarily primed PCR(AP-PCR)法を用いて菌株レベルで解析したところ、6例において大腸がん組織および唾液の両方から同一菌株が検出された。

以上から、同氏は「F. nucleatumは健康人の多くが口腔内に保有する常在菌の一種であり、歯周病の悪化にも関与することが報告されており、近年では大腸がん悪化への関与が強く疑われることも報告されている。
今回の研究の結果、口腔内と大腸がん組織におけるF. nucleatumの菌株が一致したことから、口腔内のF. nucleatumが大腸がん組織に移行、感染していることが示唆された」と結論した。
 さらに「詳細な移行・感染ルートの解明は今後の課題であるが、今回得られた知見により、口腔内や腸内の細菌を調べることで大腸がんの簡便な診断法を開発できる可能性や、口腔内、腸内細菌を制御することが大腸がんの治療や予防につながる可能性が示唆された。今後は分子生物学的手法も取り入れて、より多くの大腸がん患者を対象に研究を進めて行く予定だ」と展望した。


口腔内のF. nucleatumが大腸がん組織へ移行しちゃうんですね♪



2018年06月29日(金) 関東甲信地方が梅雨明け

ウェザーニュースによると・・・

午前11時、関東甲信地方の梅雨明けが気象庁から発表されました。
関東甲信地方の今年の梅雨明けは、去年より7日、平年よりは22日も早くなりました。
6月中に梅雨明けするのは統計開始史上、最も早い梅雨明けとなります。

梅雨の期間は23日間で、こちらは1978年と並ぶ最短記録となりました。

また、奄美の次に関東甲信が梅雨明けしたのは2015年以来になります。

<関東甲信地方 梅雨明けが早かった年>
2018年 6月29日
2001年 7月1日
1978年 7月4日
1973年 7月5日

夏の太平洋高気圧が勢力を強め、関東甲信地方では7月前半にかけて晴れて暑い日が多くなる見込みです。

一時的に湿った空気や前線の影響で雨の降ることはあるものの、夏らしい日が続くため梅雨明けとなりました。

ちなみに、今年は梅雨期間が短かったため、平年の梅雨期間における降水量の平均と比較すると、6割程度に留まりました。

<梅雨期間中の各地の降水量>
東京 155.5mm
前橋 131.0mm
甲府 67.5mm
長野 38.00mm
(6月28日までの値で算出)

去年に続き、空梅雨傾向と言えそうです。
水不足にならないと良いのですが♪



2018年06月28日(木) 東京都独自の受動喫煙防止条例可決

産経新聞によると・・・

従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とする東京都独自の受動喫煙防止条例案が、都議会定例会本会議で賛成多数で可決・成立したとのこと。
国会で審議中の健康増進法改正案よりも厳しい規制を敷く内容で、2020年東京五輪・パラリンピック直前の平成32年4月に全面施行するのだとか。

国の法案は客席面積が100㎡以下で個人などが営む既存の飲食店を喫煙可能としている。
これに対し都条例は店の規模にかかわらず従業員を雇っている飲食店は原則全面禁煙。
飲食のできない喫煙専用室を設置を認めるが、都によると都内の飲食店の84%が規制対象になる。

また幼稚園や保育所、小中高校で屋外に喫煙場所を設けることを認めている国の法案に対し、都条例は「敷地内禁煙」として喫煙場所設置も認めない。
病院や大学、官公庁は国の法案同様、敷地内禁煙で屋外への喫煙場所設置は可能になる。
改善命令に従わない施設管理者や禁煙場所で喫煙を続けた違反者には5万円以下の過料が適用される。

一方、加熱式たばこについては、「受動喫煙による影響が未解明」などとして、罰則は適用せず、加熱式のみを喫煙できる禁煙専用室で飲食可能とし、国の法案と足並みをそろえた。


そういえば国の法案って、国益を損なう代議士に依るヤジが問題になっていましたね。



2018年06月27日(水) 口角を上げよう!

埼玉新聞によると・・・

山田食品産業(埼玉県所沢市)が、7月から主力事業「山田うどん」の屋号を「ファミリー食堂 山田うどん食堂」に変更し、8年ぶりに新規出店を再開するとのこと。

更には、1968年に誕生した、案山子(かかし)柄のロゴマーク →
も一部修正するという。

「笑顔でお迎えしたい」との思いから、「への字」だった口元を「逆への字」に修正し、“柔和な表情”→
になるのだとか。

ロゴは、7月の新店から導入、既存店では順次、改修時に対応するとのこと。

やはり、口角が下がっているのは、イケてないですよね♪



2018年06月26日(火) 全国地震動予測地図2018年版

毎日新聞によると・・・

政府の地震調査委員会が、今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した「全国地震動予測地図」の2018年版を公表したのだそう。
千島海溝沿いの巨大地震を新たに考慮したため、北海道東部の太平洋側で17年版より大きく確率が上昇したとのこと。

都道府県庁所在地では千葉市の85%が最も高く、横浜市82%、水戸市81%と続いた。
北海道の道東では、根室市が78%で昨年版より15ポイント、釧路市が69%で22ポイント上昇した。
東京都内は都庁がある新宿区は48%だが、地盤が軟らかい湾岸部などはこれより高い。
大阪市は17年版と同じ56%で、大阪北部地震の発生を考慮しても、確率に大きな変化はない見込みだという。



ただ、確率が低くても過去に大きな地震は発生している。
18日に発生した大阪北部地震で、震度6弱を観測した大阪府高槻市は22.7%だったが、同本部地震調査委員長の平田直・東京大教授は「震度6弱以上の揺れが起きる確率がゼロの地域は全国にどこにもない。家庭や職場で備えを進めて欲しい」としている。

また、東京大地震研究所の古村孝志教授(地震学)は「予測地図は相対的な危険度を示し、公共施設の耐震化の優先順位を決める参考程度に考えるべきだ。確率の数字だけで判断しないでほしい」と指摘している。



2018年06月25日(月) イオン飲料とどうつきあう?

読売新聞の「教えて!ヨミドック」によると・・・

Q : 暑くなってきたね。たくさん汗もかくし、子どもの体調に気を使うね。

ヨミドック : お子さんは、健康的な食事をしていますか?
バランス良く栄養を取っていないと、体にいいと思ってしたことが、逆効果になることがあります。


Q : いったい、どういうこと?

ヨ : 偏食の傾向が強い乳幼児に、食事や離乳食代わりにイオン飲料をたくさん与えると、意識障害などの脳症を起こすことがあります。


Q : イオン飲料って何?

ヨ : 運動した時に飲むスポーツドリンクや、発熱、下痢などで脱水状態になった時に利用する経口補水液です。
体に吸収されやすいよう、成分が調整されています。


Q : どんな成分?

ヨ : 体調を整えるナトリウムやカリウムといったミネラルのほか、糖分が入っています。


Q : 意識障害などを起こした子どもは、実際、どのぐらいいるの?

ヨ : 全国の小児科516施設の調査などで、2010年1月~15年9月に、イオン飲料を大量に飲み、意識障害などを起こしたと思われる乳幼児が、少なくとも33人いました。
日頃から食事や離乳食をあまり食べない子どもが多かったようです。


Q : ほかにどんな症状が出るの?

ヨ : 目が動かしにくくなる眼球運動障害、心不全、脚のしびれやむくみが出る 脚気(かっけ)などが考えられます。


Q : なぜそんなことが起きるの?

ヨ : 糖をエネルギーに変えるにはビタミンB1が必要ですが、イオン飲料には普通含まれません。
ビタミンB1が足りなくなると、エネルギーができにくくなったり、乳酸やピルビン酸などがたまって血液のバランスが崩れたりして、症状が出ます。


Q : どんなことに気をつければよいの?

ヨ : 毎日、イオン飲料をたくさん飲むような生活では、カロリーの取りすぎや虫歯にも注意が必要です。
普段の水分補給は、水やお茶で十分でしょう。
もちろん、食事のバランスも大切です。
ビタミンB1は、豚肉や豆類などに多く含まれています。


乳幼児に限らず、成人にも当てはまりますね♪



2018年06月22日(金) 受動喫煙対策を訴える肺がん患者に国会議員がヤジ-2

昨日の続きです。


「こんな人が、国民の健康を守る大事な法案を審議しているのかと思うと残念でなりません」
ヤジを言われた瞬間は何を言われているのか理解できなかったという長谷川さんは、その後、残念な気持ちが湧き起こってきたと話す。

「私以外の受動喫煙に反対する医師にも文言はわかりませんがヤジを飛ばしていました。一部の国会議員は、意見を聞くために呼んだ参考人に対しても、自分の意見と違うとヤジでプレッシャーを与えるものなのかと驚きました」

やはり参考人として呼ばれ、長谷川さんの隣の席に座っていた全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介さん(44)も、長谷川さんにヤジが飛ばされたことに、一瞬耳を疑った。

「参考人として招かれ、体調が良くない中をおして出席したがん患者に、ヤジを飛ばすとは驚きましたし、悲しく信じられない気持ちでした。受動喫煙対策はマナーの問題に止まらず、国民の命や健康に関わる問題であり、受動喫煙に苦しむ患者やこれから苦しむかもしれない国民のためにも、真摯に向き合った議論をしてほしい」と話している。


ヤジを飛ばした自民党の穴見陽一議員 →
は、きっと喫煙者 = 国民の敵ですね♪



2018年06月21日(木) 受動喫煙対策を訴える肺がん患者に国会議員がヤジ-1

BuzzFeed Japan Medical によると・・・

受動喫煙対策が議論された衆院厚生労働委員会で、6月15日、参考人として招かれたがん患者が意見を述べている最中に、自民党の穴見陽一議員が「いい加減にしろ!」とヤジを飛ばしていたことがわかった。

受動喫煙対策をめぐっては、昨年5月の自民党厚生労働部会でもヤジが問題になった。
大西英男衆院議員が職場での受動喫煙対策を訴えた三原じゅん子参院議員に「(がん患者は)働かなくていいんだよ」とヤジを飛ばし、謝罪した。

受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案は、飲食店内は原則禁煙にする当初の厚生労働省案に自民党が反対。
一定面積以下の店は「喫煙」「分煙」などと表示すれば喫煙可能にする対案を出すなど自民党の抵抗が続いてきた。

その後、妥協案として、客席面積が100㎡以下の店を例外とするなどの経過措置が設けられた政府の現改正案が出され、がん患者らから「骨抜きにされた」と批判を浴びていた。

ヤジは、自身もステージ4の肺がん患者で、日本肺がん患者連絡会理事長の長谷川一男さん(47)→
が意見を述べている最中に飛んだ。
日本維新の会の浦野靖人議員が、屋外で吸うことに対する考え方を質問し、それに答えていた。

長谷川さんは「原則としては屋外でもなるべく吸ってほしくないというのが肺がん患者の気持ちではある」と述べたうえで、「やはり喫煙者の方がどこも吸うところがないじゃないかとおっしゃるのもすごくよくわかります」と喫煙者の思いにも配慮した発言をした。

その直後に、議員席に座っていた青いシャツ姿の議員から「いい加減にしろ!」とヤジが飛んだ。

長谷川さんはBuzzFeed Medicalの取材に「最初は何が起こっているのかわからなかった」とヤジについて振り返る。
そして、そのまま次のように意見を続けた。

「そういったことで、屋外の喫煙所を作る、増やしていくというのは一つの方法ではないかと考えてはいます。しかしながらそれも一時的なもので、なんとか数年経った後にそういったところもなくしていくことができればいいんじゃないかなと個人的には思っております」

すると、再び青シャツの議員から「いい加減にしろ!」とヤジが投げられた。
別の自民党議員はヤジを飛ばす議員を見ながら笑っていた。

長谷川さんが、病気のために脆くなった骨を守るコルセットを外しながら、受動喫煙による被害の実態を必死で訴えた後に行われた質疑だった。

委員会を傍聴していたBuzzFeed Medical記者と他の複数の出席者が、この議員が穴見議員だと確認した。


明日に続きます♪



2018年06月19日(火) 防災委員会

奇しくも、昨日は身元確認合同訓練の検証会。

まさか、派遣要請が発動されるかもと思った委員も少なからずいた模様。

真剣に身が入ります。


と言いながら、今夜も同じ場所(部屋も!)に出かけます!

帰りの時間帯は、気を付けなくっちゃ♪



2018年06月18日(月) 近畿地方で震度6弱の地震



死亡事故や火災などが報道されていますが、被害が大きくならないよう、祈って止みません。

大阪府で震度6弱以上の揺れを観測したのは、気象庁が1923年に地震観測を始めて以来、初めてなのだそうですね。



2018年06月11日(月) 台風5号(MALIKSI)

ココ渋谷区では、何事も無く過ぎ去った感がありますが・・・

皆さまがお住まいの地域でも、被害が大きくならないことを祈りたいと思います。








2018年06月08日(金) あなたの知らない! ギョーカイ人の常識

今日放映の日本テレビヒルナンデス!では、↑ というコーナーで、今回は『歯科業界』というテーマ。



見た目インパクトがある歯科医師が、、、
・ 歯科医は、歯ブラシを「1ヶ月」に一度新しくする
・ 歯科医は、歯ブラシを「横」に動かして歯を磨く
・ 良い歯医者さんは歯の「磨き方」を教えてくれる
などと解説していましたが、プラークコントロールだけが予防歯科というのは、もう過去のものですよね。

昨今は、“力のコントロール”や“栄養のコントロール”も必須! です♪



2018年06月06日(水) 関東甲信、東海、近畿地方が雨入り




2018年06月04日(月) 歯と口の健康週間



“歯と口の健康週間”・・・ってご存知ですか?

かつて、1928年~38年まで「6(む)4(し)」に因んで6月4日に“虫歯予防デー”と呼ばれていましたが
1949年、これを復活させる形で“口腔衛生週間”が制定されました。

1952年に“口腔衛生強調運動”、1956年に再度“口腔衛生週間”に名称を変更し
1958年から「歯の衛生週間」と呼ばれていたものを
2013年からは「歯と口の健康週間」と呼ぶようになりました。



2018年06月03日(日) TCH是正指導セミナー

TCH(歯列接触癖)は、上下の歯を“持続的に”接触させる癖のことです。

上下の歯の接触と聞くと一般的には「かみ締め」や「食いしばり」を思い浮かべる方が多いと思いますが、実際にはグッと強い力で「かみ締め」や「食いしばり」、もちろん「歯ぎしり」を行わなくても、上下の歯が接触する程度でも筋の緊張・疲労が生じるということで、TCHという名称が考えられました。



歯科医療従事者でも正しく理解していない人が結構いて・・・
少しでも多くの医療関係者に正しい概念を知っていただくためのセミナー。

フ・フ・フ、今日は受講者ではなく、主催者側なのでしたぁ♪


ラフなイデタチでのスペシャルセミナーです。



2018年06月02日(土) たばこが原因の3大疾患、平均余命の短縮や手足切断も-2

昨日の続きです。

ダイアモンドオンラインによると・・・

● 平均余命が5~10年も縮む 喫煙者の2割が発症の「慢性閉塞性肺疾患」

口から吸いこまれた有害物質だらけのたばこの煙は、気道を通ってまず肺に到達します。
なので、たばこの害が肺で多く発生することは容易に想像できます。
たばこにより気道や肺の防御機能が弱まるので、細菌やウイルスの侵入を防ぐことができず、肺炎が発生しやすくなります。
気管・気管支への炎症も誘発することから、気管支喘息の発症も増えます。

たばこによる肺への弊害は多々ありますが、ここではたばこの煙が最大の原因となる重篤な肺疾患の一つ、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」について触れたいと思います。
これは、慢性気管支炎や、肺気腫といった慢性炎症性疾患の総称です。

喫煙者の20%程度が発症すると言われ、炎症の持続により咳や痰が絶え間なく発生し呼吸困難に陥ることがしばしばあります。
たばこなどの有害物質が肺胞という空気を取り込む袋状の構造物を破壊すると、酸素の取り込みや二酸化炭素の排泄ができなくなり、体全体に様々な不調症状が表れます。
そして、COPDを発症すると、どんなに治療をしても元に戻ることはありません。

COPDになると平均余命が5~10年短くなることがわかっています。
ただし、寿命が縮まる以上にCOPDに陥った方が悲惨なのは、COPDを発症したのに喫煙を続けると症状が急激に悪化していき、一気に重症化してしまうことがあります。
そうなると四六時中呼吸苦を感じるようになります。

生きるために人は呼吸を止めることはできません。
呼吸が止まるということは死を意味します。
溺れたときのように息ができなくなる苦しさがどんなに辛いか想像に難くないでしょう。
COPDは、少し歩いただけで息切れや溺れた時のような呼吸苦を感じ、重症化すると安静にしていても酸素吸入しないと苦しくて我慢できない状態に陥ります。
吐くのも吸うのもつらくなり、窒息しているような状態が常に続くことになります。

どんなに激しい痛みよりも、窒息するほどの呼吸苦は、人にとっては拷問です。
たばこをずっと吸い続けているとCOPDに陥る可能性は高まるばかりです。
COPDは発症すると治りません。
重症化すると、まさに生き地獄の日々を過ごすことになるのです。


● 手足の冷えから始まり、痛みから壊死へ 血管の病気「バージャー病」では手足の切断も

たばこは動脈硬化の危険因子であることはよく知られています。
「動脈硬化」が進むと心筋梗塞や脳卒中の発症に繋がることも皆さんご存じでしょう。
心筋梗塞や脳卒中の発症リスクに関して喫煙者と非喫煙者を比べると、圧倒的に喫煙者の方が発症リスクの高いことが疫学的に示されています。

例えば、非喫煙者に対して喫煙者は、心筋梗塞の発症リスクが男性は約4倍、女性は約3倍になります。
毎日20本以上たばこを吸うと、脳卒中による死亡リスクは、男性では2.2倍、女性は約4倍にもなります。
しかし、喫煙者であっても10年以上禁煙すれば、これらのリスクはほぼ非喫煙者と同等になることもわかっています。

さて、血管の病気の中で特にたばこに関連する疾患として「バージャー病」があります。
バージャー病という疾患名は皆さんあまり聞き慣れないと思いますが、最近の調査では全国で約1万人の患者さんがいると推計されています。
男女比は9対1と圧倒的に男性に多く、発症年齢は40歳代が中心で青壮年層に多く発症します。
動脈硬化症と同様に血流を悪化させますが、動脈硬化に比べるとより末梢の細い動脈の血行を傷害します。
背景に慢性の血管炎があり、その発症には喫煙が密接に関係していると言われています。

バージャー病の症状は、手足の冷え、しびれ、色調の悪化に始まって、進行すると痛みによる歩行障害が発生するようになり、しまいには安静時にも手足が激しく傷むようになり皮膚が崩れて潰瘍や壊死を来すことがあります。
動脈だけでなく手足の静脈にも痛みを発症することもある難治性の疾患です。

治療の基本は、禁煙です。
治療として高圧酸素療法や交感神経節切除手術の他に、昨今は遺伝子治療なども行われるようになってきましたが、コントロールが困難なことが多く、壊死が進行すると手足の指の切断やさらには四肢の切断が必要になることがあります。

禁煙ができずにだらだらしているうちに徐々に病状が進展して、手足を失うことになる怖い病気です。
ただし、早期に禁煙を厳守して適切な治療を施せば重症化を防ぐことができ、発症前の仕事や日常生活への復帰が可能です。


● 「がん」の発症リスクも喫煙でアップ 難治がんの「膵臓がん」対策は禁煙こそ近道に

非喫煙者に比べて喫煙者は、全ての「がん」の発症率が大きいという報告をしばしば目にします。
たばこを吸っている人がなりやすいがんとして、科学的に明らかなものだと、厚労省が発表したものは以下のがんです。

鼻腔・副鼻腔がん、口腔・咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、膀胱がん、子宮頸がん

他にも、大腸がん、乳がんも、たばこにより発症リスクが相当に大きくなることがわかっています。

がんは早期発見により根治が可能なものが増えてきました。
しかし、早期発見が難しく、一旦発症すると進行が速いがんは「難治がん」と呼ばれ、現代医療においてもコントロールすることが困難です。
その難治がんの代表的なものが「膵臓がん」です。

早期発見できたとしても5年生存率は40%程度、多くは進行がんで発見されるため、平均5年生存率は20%以下という非常に悩ましい疾患です。
予防こそが膵臓がんの発症をコントロールする極めて大切な方法と言えます。
極めて厄介ながんの代表格である膵臓がんを予防するための方法として、「禁煙すること」は大いに意味があるでしょう。


● 現代医療をもってしても たばこによる病気は治せない

以上、たばこによって引き起こされる代表的な病気を見てきました。
取り上げた疾患以外にも、たばこは、骨粗鬆症、糖尿病、甲状腺疾患、うつ病など様々な疾患の原因になります。
脳を覚醒させるためにたばこを吸っていたら認知症が進んだ、精神的不安を取り除くための喫煙がうつ病を発症し、さらなる喫煙によりうつ症状が悪化するという悪循環に陥ってしまった、などのことを改めて考えると、喫煙はやはり「百害あって一利なし」とうことになるでしょう。

愛煙家が注目しているという、電子たばこや加熱式たばこは、従来のたばこに比べて健康被害が小さいと期待の声が上がっていますが、それも喫煙ありきの立場からのもので、科学的な論拠は乏しいものです。
また、その発生する微粒子が健康被害を生むリスクも危ぶまれています。

たばこが医学的に体に悪いと知っていながら、ヘビースモーカーだった医師たちがきっぱりと禁煙した理由を改めて思い起こしましょう。
たばこを吸うことは、自身にとっても毒ですが、被害を受けるいわれのない周囲の非喫煙者や家族、自分の大切な方々に毒を盛るようなものです。
昨今は分煙化が図られているとは言え、周囲に全く害がないとは言えません。
ぜひ、周囲の家族の健康のためにも、禁煙に取り組んでいただきたいと思います。



2018年06月01日(金) たばこが原因の3大疾患、平均余命の短縮や手足切断も-1

ダイアモンドオンラインによると・・・

近年、喫煙による健康への被害が立証されるとともに喫煙者は減少しつつあるが、それでも喫煙をやめられない人は少なくない。
では、喫煙を止めないことは、体にどれほど重大な疾患をもたらす可能性があるのか。
今回はたばこが原因になっている「3大疾患」に着目して、北青山Dクリニック院長・阿保義久医師が解説するという。


● 外科医はヘビースモーカー?

皆さんの健康管理をつかさどるべき医師が「ヘビースモーカー」というのは、けしからん話だと思われる方が多いかもしれません。
私は大学卒業後、自身の専門科として外科を専攻しましたが、多くの外科医師が喫煙常習者であることに当初、違和感を覚えました。

ご存じのように外科は手術を担当する科です。
私が所属した外科の医局は、当時、胃がん、食道がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、乳がんなど、主たるがんの手術と、血管の手術を担当していました。

早朝のカンファレンスでは、手術予定患者さんの検査や治療方針に関して毎回真剣なディスカッションが交わされる中、カンファレンス室はいつもたばこの煙で充満されていました。
各臓器チームのリーダー格の医師たちは決まってヘビースモーカーでした。

また、大学の医局を一時離れて都市部の機能病院で連日手術を担当することになった時も、手術の合間の休憩室では先輩外科医のほとんどがたばこを吸っていました。
がんや大血管の手術という大きなプレッシャーを日々受けながら診療を担当する外科医は、そのストレス解消のためにたばこは手放せないのだろう、と当時は妙に納得していたものです。

言うまでもなく、たばこが、がんや血管病の発症リスクを大きくすることはどの医師も重々承知しており、日常診療で患者さんには禁煙を説いているのに自らは日常的に喫煙しているという、矛盾に満ちた状況でした。


● ヘビースモーカーの医師たちが 一斉に禁煙をはじめた理由は?

ところが、いつの間にか、大学病院はもちろん、市中病院においても、カンファレンスルームはおろか公共の場で喫煙ができるスペースはあっという間になくなってしまいました。
あのヘビースモーカーだった医師たちも、右にならうように皆一切たばこを吸わなくなっていました。
その理由として、国際的に禁煙が求められる風潮にあったことも挙げられるでしょうが、何よりも、喫煙があらゆる医学的観点において、重大な健康被害を生むことを示す科学的論拠が日に日に耳に入ってくるようになったことが大きいと言えます。

喫煙が健康上、プラスになる点を無理に探しても一つも見つかりません。
脳を活性化させる、イライラを止める、という側面がたばこにはあると言われますが、そのためにたばこを続けていると、認知症や精神疾患の発症が大幅に増えてしまうという客観的事実が次々と示されるようになりました。

そして、何よりも、喫煙者の周囲の人が吸うはめになる副流煙が健康を著しく害することが示されるようになったことも、医師の喫煙を止める大きな理由であったでしょう。
喫煙者自らが吸う主流煙よりも、周囲の人が吸いこむ副流煙の方が、ニコチン・タール・一酸化炭素などの有害物質が3~4倍多いということが示されたのです。

喫煙により自分だけが体調を崩すのであれば、医者の不養生で片付けられるかもしれませんが、人の病を治し健康を管理する医師が、自ら周囲の方の健康被害を作り出しているとしたら、それは職業上の背信行為でもあります。
受動喫煙による弊害が広く認知されるようになったことで、医師の禁煙が一斉に進んだと考えられます。


● たばこの毒性、受動喫煙による病気は深刻 副流煙の方が主流煙よりも毒性物質の量が多い

たばこの煙には200種類上の有害物質が含まれ、発がん性物質は50種類以上にも及びます。
有害物質として有名なのは、ニコチン、タール、一酸化炭素で、それぞれ、血圧を上げ、発がん性があり、血液中の酸素の運搬能を低下させます。
その他にも、アセトン、ヒ素、トルエン、カドミウムなどの有害物質が含まれます。ニコチンはご存じのように依存症が強く、禁断症状の強さや離脱の難しさは麻薬以上とも考えられています。

先に述べた受動喫煙の被害は、本来はたばこを吸いたくない、吸う必要のない人が、自分勝手に吸っている人の何倍もの有害物質を取ってしまうことで引き起こされます。
妊婦さんや乳幼児などたばこの害に対して脆弱な人たちが犠牲になりやすいことも問題視されます。

受動喫煙により吸うはめになる副流煙により、大人が被る重篤な疾患は、脳卒中・心筋梗塞・肺がん・慢性閉塞性呼吸障害・早産・低体重児出産など、子どもが被るのは、肺炎・喘息・中耳炎・乳幼児突然死症候群など軽視できないものばかりです。

繰り返しますが、主流煙よりも副流煙の方が毒性物質の量が極めて多く、たばこを吸っている人は、自分が被る健康被害の何倍ものダメージを周囲の人に与えていることになります。

さて、明日は、そんなたばこが発症に強く関与する代表的な疾患を見ていきましょう。


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