「穴」という映画を観た。
原作を本屋で見かける度に、表紙の「明るく不気味な」トーンが
すごく気になっていた。
こわかった。
若さ故の狂気が巻き起こす悲劇。
謎の高校生失踪事件を解くサスペンス。
見終えてものすごいダメージだよ。
親友がゲロゲロ吐きながら死にそうなときに
隣で自分の恋がうまくいきそうだと得意気に勝ち誇ったように笑いながら話す
「リズ」の神経、目を覆いたくなるシーンの連続で、
最後の「リズ」の供述シーンの
「彼が死んでしまった今思うと、彼はずっとわたしを愛したまま裏切らない。」
と、殺しておいて(直接じゃないけど)、開き直るところ、
限りなく前向きな姿にゾッとした、だって彼女はまだ高校生。
ゆがんだ一方的な愛が生んだ悲劇。いや彼女にとってはハッピーエンド?
大人にはわからなくても、女にはわかるような気がした。
安部サダ、とかね。
でも、わたし納得できないのが、
相手を憧れレベルで見ているだけで
「全部好き」かなんてわかんないじゃない?って思ったの。
わたしは知らない人は好きになれないですよ。
ラストのあの誇らしげであるかのような薄笑顔が
いや~なかんじで胸に刺さって抜けないよ。
久々にこわい映画でしたね。でもかなり好き。
いちいち映像が恐怖の連発だし。
観た人ならわかると思うけれど、
あの、洗面台のシーンなんか、ねぇ?
プロモーション素材にもよく使われている洗面台のあの写真ですよ。
なにより主演のソーラ・バーチの表情がこわい。
かわいかったりブスだったり「本当の顔」が見えない不安定な怖さ。
それが「リズ」の精神状態だったりするんだろう。
わたしは映画を観ても、出演者個人に入れ込めないので
俳優の顔と名前がぜんぜん覚えられないのだが
ソーラ・バーチはかなり強烈な印象を残してくれた。
アメリカン・ビューティーもゴーストワールドも観たけど
「ソーラ・バーチ」だったんですねぇ・・・彼女。
確かに「役」は強烈にゆがんでいたから覚えてますとも!
ゴースト・ワールドは特に好きだしね。
もう彼女は覚えたぞ。
この映画、実話じゃないのが救いだけれど。
引き合いに出されてる映画の「乙女の祈り」とか「ヴァージン・スーサイズ」は
実話ですからね。
わたしは「乙女の祈り」には強烈なショックを受けて
大好きな映画なのですが、
あの主演の女のコ、今は売れっ子なんですってねぇ?
あの映画の監督が「ロード・オブ・ザ・リング」も撮ってるとか。
「ヴァージン・スーサイズ」の学園アイドル的男のコを演ったコも
今ハリウッドで大人気なんですって。
ほらね、わたしぜんぜん役者を知らないのよ。
「女と女と井戸の中」という映画を思い出しました。
「井戸」の方にも、めちゃくちゃ精神をヤられました。女って女って。
穴と井戸。
漠然と「穴」って暗くて恐くて不安の塊。
そして、まんまとハマってしまうのだ。
下記URLでハマりましょう。
http://www.a-n-a.jp/
「a-n-a」ってところがキョーレツにかわいい!
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