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2002年06月15日(土)
某氏に宛てたメール

以下、某氏に宛てたメール

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ここには私以外に日本人が3人いるんだけど、
3人が3人とも個性が強くて、とりあえず初日から死にそうだった。
内2人は、いつも帰りたい帰りたいって言ってるのね。
話してても中国のここが悪いということばっかりで、
最初の頃は私も少なからず夢を抱いて来てたので、
聞いててつらくて死にそうだった。
だからと言って、彼女達が勉強不足とか中国語まったく話せるようになって
いないわけじゃなく、明らかにキレ者の発言で言ってることはすべて正しい。
中国では日本で通用しないことがすごく多いから、
そうやって日常会話そのものが中国批判一色になってしまうのも
わかる気がするんだよね。
いわゆる冷静シニカリストな人達で、政治家すべてがこういう人だったら
日本はきっとよくなるんだろうけど、内容は的確だけど、
夢がなくて、理想も感じられなくて、聞いていてつらいのよね。

「ここにいたって所詮、外国人と本当の友達になんてなれない」
「話しててもどうせうすっぺらい話しかできないから時間の無駄」
「中国人ってどうしてああなんだろ。ばっかみたい。」
という留学半年後の結論。
私と同じ年の子がいるんだけど、
その子は簡単に「バカ」って言葉を使うのね。

留学生の中にはいろんな人がいてね、
もちろんすばらしい人もたくさんいるけど、
お金があればできるっていう面もあって、自国で大学進学できなくて、
学歴社会からはみ出してしまうのを逃れるために、
親にほぼ強制的に留学させられた人もいる。
高校の時、グレてたとかね。出来ちゃった結婚後うまくいかなくて
離婚の泥臭い手続きから娘を解放するためにとか、
もちろんただ単にお金があるからっていうのもあるけど・・・。
そういう人の中には真面目に勉強する人もいるけど、
まだこの時期の価値を発見できなくて、
時間とお金を捨てるように過ごしている人もいる。
だからそういう人をね、彼女は「バカな人」と言って、話するのも嫌う。

まぁ、私だってそういう感情がないわけじゃない。
この人が勉強してるかしてないかってもちろんわかるよ。

でも、価値がないとか「バカ」っていう言葉を使う
彼女の話を聞いてて心が痛いよ。

でも、日本人はそんな感じの人もいるけれど、
他の国の人とは結構うまくいってるし、
時にはそういうつらさを言ってみたりもしてる。
そんな時、「みきはみきで自分の思うことを
信じればいいんだよ」って言ってくれたけどね。

価値がない人なんていないって思うし、
時間やお金の使い方だって、育ってきた国がちがうわけだから、
ちがったってしょうがない。
あとは1年いるのと3年いるのとでは訳がちがうしね。
彼女はインドネシア華僑の子達がお金を湯水のように使うのも
毛嫌いしてて、インドネシアの人は日本人も驚くくらいお金を
使うんだけど、
私たちだって日本にいる時はそうとう無駄遣いしてる。
もしかしたら短期の留学生とかからみたら、いわゆる「ばかな」
お金の使い方をしてるのかもしれない。
(これは留学生になってみて気付いたけど、真面目な学生ほど
確実に感じてると思う。私達の飲み代はただの浪費だと・・・
まあ、価値観がちがうからしょうがないんだけど)
それを中国にいるからって理由で批判側に回るのも少しおかしい気がする。
たった1年だったら買わない物も多いけど、例えば自分が本科生で
あとここに4年いるとしたら、日本の生活と勝るとも劣らない便利さ
をお金で買うと思うんだよね。

ここで生活すると本当に自分と中国人との差が
ものすごくあることに気付く。
だから、彼らを尻目になんでもポンポン購入することに本当に抵抗がある。
日本だったら、個人個人の差っていうのを
電気製品くらいじゃ感じないから平気だけど、
ここにいると電気釜一つ持ってるだけで、一人部屋に住むだけで、
明らかに中国人学生との差が開いてく。
一回の食事が10元超えたらでもね。

それを思うと、私達の生活は使わなくていいものを買って、
食べて、遊んでいるように見えるから、
ものすごく無駄遣いのように見えるし、
お金の価値がわかってないようにも見える。

でもね、その理由はこの手にお金が握られているからだし、
連絡すればお金を送ってくれる人がいるわけで、
私達がお金がないといっても本当にないわけじゃなくて、
手元にないだけなんだという意味なんだと思う。

なんだかね、貧欲で無駄使いなくつつましく生活することが
いいように思ってしまうけど、
冷蔵庫やテレビやパソコンが買えるお金があったなら、
きっと誰だって買うんだよね。
それが日本人であろうと中国人であろうと。

時間とお金を使っている行為を見て、
それをばかげた行為と思うこともあるかもしれないけど
じゃあ、どういう風に使うのが正しいのかなんて
誰にも答えが出せないと思う。今はそういう結論に行きついた。
そんな感じ。

ここに来て3ヶ月。
彼らの中国批判も人の価値判断もだいぶ慣れた気がする。
聞き流すこともできるようになった気がする。
自分なりの判断をきちんとまどわされないで
考えられるようになった気がする。

ただね、来たばかりのころから今まで、
彼らに批判されるのが怖くて、
彼らの言う中国批判を嘘笑いしながら聞いて
小さく小さくなってた私。
私らしくいられなかった私がいた。

そんな3ヶ月だったかな。

こうやって書くとなんだかつまらないというか、
かわいそうな留学生活と思われてしまうかもしれないけど、
私は彼らに会ったことも貴重だと思ってる。
中国の矛盾を確実に突いてるし、その考えを聞いたことを
無駄だとも思ってない。
ただ確実に足りなかったものは、
私はなにも彼らを同じように感じる必要はない。っていう
信念だったのかも。
よく落ち込んでたし、批判ばっかりで飽き飽きした時もあったし、
怒りを感じることもあった。それも貴重かな。

今は一つだけ怖い。
もう「バカ」って言葉は聞きたくない。

この世にバカなんていないと思うから。

本当にいろんなことがあった3ヶ月かな。
日本人であることが時に良いときも悪いときもある。
私が起こしたことではないけれど、
戦争の話になれば、侵略者扱いだし、
経済、電気製品、ODAの話になると、とても尊敬される。
世界の人が集まればなにひとつ共通の認識なんて存在しない。
自国の教育で教育を受けたように、テレビで見たそのままを、
日本として認識している。

ここにいて、たった1年で何ができるかって考える。
なにもできないんじゃないかなって思うこともある。
でも、短い時間ながら、ここにいて、
帰る時、日本人が好きになったとか言わせてみたいよね。
それは最高に嬉しいけど、もし、日本が好きになれなくても、
本当の日本が少しでもわかってもらえればとも思う。
わかってもらう人は誰でもいいんだ。
皮膚の色が何色でも、勉強してようとしてなくても、
どんな暮らしをしてようと、もちろん中国人もだけどね。


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