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2002年05月28日(火) 梔子の花を一輪捧ぐ

実家では小型犬を三匹飼っている。

お父さん犬は小心で小型犬の中の小型犬。
少し奇形なせいか受け口でいつも海老の様に背中が曲がって
チトチト歩く。一番の寂しがり屋

お母さん犬はペット店で過ごしたせいか
食べ物に対する執着心がもの凄い。
その頃飼っていた猫が横を通るだけで
食べながら牙を出して唸っていた。
でも、忠義心が厚く本当にお母さんお母さんしてた。

子供犬は生き残りの仔。
他の兄弟は皆、死産だった。
心臓が弱いせいか、よく泡をふき一番手が掛かる。
一番、病弱なくせに先輩猫と仲睦まじくする所か
喧嘩を売って婆さん猫に何時も酷くやられていた。
ってか、マタタビに反応しない大人しい婆さん猫を本気にさせるお前って・・・



私用で高校卒業前から半年ばかり家を出てた私は帰って来てみて吃驚した。

確か私用で家を出る前はマルチーズだった犬がヨークシャに変わってた。
白から茶。大から小。♂から♀。

そのうち、不思議な変化をとげた彼女は婿養子を貰い母になった。

彼女が妊婦の頃、固唾を飲んで家中で出産に挑んだ黄金週間。
彼女にとっては皆にチヤホヤされ喰えや飲めやの黄金週間。

咽元すぎれば。か

勝手な人間の盛り上がりも下火になり
各々、元の勝手な生活に戻り
何時も通りの叔母と母しか居ない土曜の昼に陣痛は起きたらしい。

ナカナカ出てこない仔。
何時もお世話になってる病院に駆け込んだけだらしい。





圧を加えるとパフパフと鳴るボールが大好きだったらしく
寝ている親の耳元でパフパフしては怒られていたらしい
父が読んでいた本を唾液でベタベタにして
生えかけでイジイジする歯を紛らわせていたらしい
毛虫を甘噛みしてキャイキャイ鳴いたらしい


そして一緒に過ごした数年。

「らしい」しか知らなかった私。



今日、久し振りに叔母から電話がかかってきた。

何となくわかってた。

週末から何故か彼女の事ばかり考えていたから

彼女は婆さん猫の横に埋められたらしい。

梔子は手向けの花にはむかないけど
一番好きな花を供えたい。

オヤスミそしてアリガトウ


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