こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
◇洞ケ峠を決め込む(一覧へ)
◇とこしえ(前回へ)
◇倒れるなら前のめり(次回へ)
2004年10月27日(水) |
【情操】4巻 さらに効率よくイラク駐留自衛隊を撤退させるための人質の取り方① |
また日本人がイラクにて拘束されました。
記事を詳しく読んでないので、 状況はよくわかりませんが、 前回と同様に、 イラクに駐留してる自衛隊を撤退させることが 目的らしいですね。
日本政府としては またその対応が急がれるわけで、 役人としては 『興味本位でイラク行ってるくせに 人質になって仕事増やすんじゃねー!!』 って気分でしょう。
私が役人だったらそう思います。
とはいえ、外務省に勤めてるなら 仕事なわけだしそんなことも言ってられません。 それに同じ日本人なわけだし、 人質の首がはね飛ばされる姿は見たくありませんね。
さてさて、日本政府は自衛隊を撤退させるでしょうか?
・・・あり得ませんね。
どうせ前回同様、 イスラム教スンニ派法学者とヒゲの濃い愉快な仲間たち、 「イラク・イスラム聖職者協会」の方々に 拉致グループへの説得工作してもらって、 開放してもらうことでしょう。
『撤退も無し、なおかつ人質も無事』という 男にさんざん貢がせて エッチさせないブランド好きな女のように わがままなベクトルで突き進むことでしょう。
そんな強腕行政、嫌いじゃないです。
私は嫌いではないですが、 人質取る方にとってはたまったもんじゃないですよね
せっかく人質とっても 目的である自衛隊撤退を達成できないまま ヒゲの濃い聖職者協会の面々に うまく丸め込まれてしまう。
何度やっても結果は同じ。
極端な話、 実際に人質殺しちゃっても 自衛隊が撤退する保障もないわけで。
困りましたよね
では彼らはどうすれば 自衛隊撤退という目的を達成できるのでしょう。
~つづく~
※何でもかんでも邪推する評論家気取りの方々とは違い、 政府の対応に批評している文章ではございません。 また、著者は人質を拘束していることを 容認しているわけではありません。 人質になっている日本人の方の、 早期解放を願っております。
2004年10月26日(火) |
お伽話【流れ星を食べる怪物】 第三話 |
第三話
怪物が流れ星が食べていると教えられた村人たちは 次の日の夜、 流れ星の流れる瞬間をジーッと待ちました。
そして、流れた瞬間をよーく見ると、 白髭の老人が言ったとおり、 流れ星が来た瞬間、大きな黒い影が、 流れ星を包み込むように 食べているのが見えました。
村人I『ありゃ~ぁ 神様が言ったとおりださ。』
村人J『黒いヘンテコリンな奴が食っちまってるさあ』
村人K『ありゃ、バケモンに違いねぇ』
村長『神様の言ったとおり退治せにゃいかん』
村人L『でも村のはずれにある山さ入ったら出てこれねえがもよ』
村長『このまま流れ星に願えなかったら、村人全員が死んでしまう。 山さ入って死ぬのも結果は同じだぁ』
というわけで、 村長はじめ村人たちは、村のはずれの山に入り、 黒い怪物を退治することにしました。
次の日、 村長はじめ村の若い衆は、 鍬(クワ)や鉈(ナタ)を持ち、 怪物退治に出かけました。
普段、村人が入らない山の中は、 たくさんの木が茂り、 昼間でも光が射し込まず、 薄気味悪い雰囲気を漂わせていました。
村人M『ホント、不気味なとこだぁ こったらとこだば、怪物いてもおかしくねぇ』
少々おびえつつも、村人たちは道なき道を突き進みました。
しばらく行くと、大きな洞穴がありました。
怪物の住処(スミカ)をこの洞穴と判断した村人たちは、 洞穴の入り口で火を熾(おこ)し、 洞穴に煙を入れることで怪物をあぶり出す作戦を採りました。
しばらくすると、洞穴の中から 『ズシーン ズシーン』という地響きが鳴り出しました。
その音は次第に間隔が狭まり、入り口にいる村人たちに近づいてきます。 最後は『ゴゴゴゴッ』と地面が揺れ、 洞穴から大きな黒い影が飛び出してきました。
『シェー!?』 村人たちは驚き、腰を抜かしました。
その影は全身黒い毛に覆われ、 鋭い牙を持ち、ギョロッとした眼で 村人たちを睨みつけました。
まさしく流れ星を食べているあの怪物です。
『ウォグガガァ ウォグガガァ』と吠えると、 その声だけで、地面は揺れ、 風圧だけで村人たちは吹き飛ばされそうになってしまいます。
村人N『か、怪物だぁぁ~!!』
村人たちは恐れおののき、一歩も動けません。
目を覆い、ガクガク震える者。 木にしがみつき、風圧に耐える者。 はたまた失禁している者。
大きな怪物を前に、村人たちはお手上げでした。
そんな村人たちに、怪物はさらに 『ウォグガガァ ウォグガガァ』とうなり声を上げます。
そんなとき一人の村人が あまりの恐怖に我を忘れ、 持っていた鉈(ナタ)を 無我夢中に怪物に投げつけました。
すると、 その鉈(ナタ)はクルクルと回転しながら怪物の鼻に命中。
『ウッ・・・・』
その場の空気が静まりかえります。
村人O『いま、ひるんだ?』 村人P『・・・うん。ひるんだね』 村人Q『もしかして弱くない?』
思わぬ鉈(ナタ)の効果に、 標準語になってしまった村人たちは、 目を合わし、全員でコクンと頷くと、 一気に反撃に転じました。
持ってきた鍬(クワ)や鉈(ナタ)で 怪物の体を傷つけます。
怪物は防戦一方 村人たちに囲まれ逃げることさえ出来ません。 その痛みにうなり声を上げるばかり。
なぜか怪物は、村人たちに手を出しませんでした。
人間の体など一突きで貫く爪があっても、 食いちぎれるほど鋭い牙があっても、 怪物は村人を殺すどころか 傷つけることさえありませんでした。
肉がえぐれ、大量の血が流れても、 ただじっと我慢していました。
その我慢も限界が来たのか、 怪物は気を失い、大きな体は音を立てて倒れ込みました。
村人R『これでもう悪さしないべ』
村人たちは意気揚々と村へ帰っていきました。
|