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■ ごめんなさい~~~
予告していた、インフォメ・ページの開通は日曜になります。
……思わず○マの魔力に負けました。がくり。 ……家の掃除(修羅場中は腐海状態だったので)やってました。 ……○マ小説サイトの長編うっかり読んでしまいました。
さぁ、このどれが本当の「開通できなかった」理由でしょうか!! (↑正解は全部じゃないのか?)
Web拍手にて、修羅場中に体調の心配をしてくださった方。 ありがとうございました(ぺこり)……無事に生きてます。 入稿後、コメント入れてくださった方。 ……入籍じゃないです(笑)お疲れ様です。(更に笑) でも、日記を見守っていてくださりありがとうございます。 ……楽しみだと言ってくださった方には、 いつもより短いですが(…)軽く読み流して お楽しみいただける作品だと思いますので。よろしくお願いします。
そのほか、拍手を押してくださった方。 最近は全くレスが出来ない状態ですが(汗)励まされております。 頑張りますし、頑張ってますので、 どうぞ今後ともよろしくお願いします~><///
というわけで。現在チラシ作成中。 本編に入れそびれた(というより、時間がなくてあせって忘れた)エピソードをオマケSSとして、P.6とかそれくらいの、書こうかと思ってます。 今日中に書こうと思ってたのにな。へにゃ。 あと一時間で今日が終わりますが。
新刊試し読みを、ここにちょっとフライングで紹介。
▼ ▼ 「眠れぬ夜を駆け抜けて」試し読み
最終電車の上り列車に飛び乗って 今夜 僕は君に帰る
眠れぬ夜を駆け抜けて 今 君に会いに行く―――
------------------------------- Prologue. -------------------------------
知っていますか?
逢いたいのに、逢いたい人が傍に居ない。 声を聞いただけでは安らがず、 眠れぬままに、遠い場所に暮らす大切な人に思いを馳せて、 逢えない寂しさに震える夜があることを。 夢でも逢いたい、この思いを。 あなたは知っているのでしょうか?
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一昔前のCMを思い出す。 クリスマス・ソングが流れる中、駅のホームで恋人が帰って来るのを待っている。 けれど、約束の時間を過ぎても、彼の姿は列車から降りてはこない。 何台も、何台も、その後に列車がホームに滑り込んできて、そこから人が吐き出されてゆく。 ある人は、迎えに来た家族と抱き合い、ある人は疲れたような足取りで更にこの先に続く家路へと歩みだす。 そうして、何時間も悲喜こもごもの寸劇を横目に眺め、自分の番を待っていた。―――…最終列車がホームに滑り込み、最後の乗客の一人が姿を消すまで。 だが、とうとう最終列車が車庫へと去る、テールランプの赤を見送るまで待っても、待ち人は姿を現さなかった。 ほろりと白い頬を伝う。 唯一筋のその涙が、とても綺麗だ、と思った。 それは酷く哀しい涙だった。 待ち人に何かあったのだろうか? もし自宅に緊急を知らせる電話が入っていたら? もし帰って来る筈の人が帰れなくなるような、事件なり事故なりがあったのだとしたら? 何時間もの間に胸に渦巻き蟠っている不安に、表情を蒼白にして、誰も居なくなったホームから、慌てて踵を返そうとした。――…その双眸が、ホームに並ぶ太い柱の影からひょっこりと姿を現した、小さな恐竜のパペットを映し出す。 どうしたの? 何をそんなに慌てているの? そう問いかけるようにおどけて動くそのパペットに、一瞬あっけに取られて……それから、ゆっくりと柱の影から現れるその姿を見つめた。 緑の恐竜のパペットが、そこから伸びる腕が、肩が、首が、そして最後に顔がゆっくりと現れて―――…照れ笑いで「やあ」と言った。 散々心配させて。何時間も待たせて。 漸く叶った再会の第一声が、「やあ」? ふざけている!と憤りでカッとしたのは一瞬で、次には笑うその人に向って手を振り上げて駆け出していた。 何時間待たせるのよ!とか、心配させないでよ!とか、馬鹿!とか、冗談にしても性質悪すぎ!とか……盛大に言いい文句があったけれど。 でも一番に、会いたかった人と無事に会えた事を喜ぶ気持ちが溢れて止まらなくなって、泣き笑いを浮かべたまま、その人を抱きしめる。 二人しかいない真夜中のプラットホームで。 抱きしめてくれる人の、抱きしめたい人の、腕がここにある幸せをかみ締めながら―――。
そんなCMの恋人達が羨ましかったと言ったら、電話の向こうでCMになに感情移入してるんだと笑われた。 それでも自分をCMの彼女に投影してしまうのは、待つ辛さを知っているからだ。 次に逢えるその日を待つ間の、不安を知っているから。 会えない辛さ、会いたい寂しさ、全部、今の自分にならば当てはまると感じるから。 だから余計に、自分以外にも同じ辛さ、寂しさを抱える人がいて、同じようにこのCMを見ていたら、会いたくなるだろうと思った。 ―――…逢いに来て。 ―――…抱きしめて。 電話口で睦言のように囁いて、次に逢う日の約束を交わした。
「次の日曜日。誕生日に、逢いに行くから」
日付が変わるその時に、「おめでとう」という為に。 トンボ帰りになるけれど、その日、その時、あなたに逢いたいから。 逢って、あなたの生まれた日を祝福したいから、と。 明るい声で告げたあの人の声が、いつまでも胸の中に響いている。
―――…それは、大切で忘れられない、小さな小さな約束。
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約束をした。 だから、ここで待っている。 (それは、誰と?)
約束をした。 だから、ここで待っている。ずっと。
(誰が?)
約束をしたの。 だから、ここに居るの。ずっと。
(―――…いつまで?)
約束をしたわ。 だから、ここで―――終わらせた。
(何を?)
約束をした。 約束をしたの。 約束をしたわ。 約束を―――…。
(……したのは、誰?)
さんざめく人波が行きかい集う構内に撒き散らされる喧騒の狭間に紛れ込んだ、篠つく雨音のように寂しい泣き声。嵐のような哄笑。 けれど、それらは気づく者のないまま――駅という空間に飲まれて消えた。
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夜のホームに、男が一人立っていた。 最終列車がホームに滑り込むまで…いや、滑り込んでも、立っていた。 その最後の列車の、赤いテールランプが遠ざかっても。 ただじっと。 何かを待つように、線路の向こうから現れる『何か』を待つように。 ずっと。 ずっと。
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最終列車に、女が一人乗っていた。 その女は時計を常に気にしていた。 長い長い時間を掛けて、漸く列車が目的地のホームに滑り込む。 女は慌てたように座席を立った。 そして、人並みをすり抜けて、出口へ向った。
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雨が降っていた。 桜は散って、花冷えはとうに終わったかと思ったのに。 春の嵐はまだ去らず、梅雨入り前の不安定な曇天が、ここ数日続いていた。 五月闇の中、冷たいガラス窓に手のひらを押し当てて、瞬きもせず、浮き立つ心を表すように軽やかに遠ざかる背中を見つめた。 キリキリと、ガラスに爪を立てる。 ずっと見ている。 (見送るしかない背中を) ずっと見ていた。 (幸せそうな背中を) ―――…何も変わらない筈なのに、どうして自分は背中しか見られないのかと、胸の五月闇に問いかける。 答えなど返らないと解ってる。 それでも、「何故」と問いかける事をやめられない。
黒い雨雲が空を覆いつくす、昼尚暗いこの薄闇の中に。 いつでも一人取り残される。
―――…雨はこの身の中にこそ降り続いているのだと、ほとりと零す溜息が囁いた。
-------------------------------------- Chapter.1 最悪についていない日 --------------------------------------
いつまでも、待っている。 いつまでも、あなたを。 あなたの約束を。 夜と夜の狭間に落ちて見失った、あの日の約束を。 いつまでも。 いつまでも。 ―――…信じて、立ち続ける。
-------------------- 1.---------------------
不運というものは、怒る時には怒涛のごとく雪崩をうって続くものなのだろうか? (いやいや、雪達磨式に巨大化するというか、一度ある事は二度三度、というか) ああそういえば、修羅場というのは、梯子で続くと良く聞くが(いや、普通はそんな続かないから!/心の突っ込み)、こういう『不運』としか言えない出来事も、やはり一度魅入られると避けられないものなのだろうか?……等と、ここまでくるとしみじみ思わずにはいられない、谷山麻衣(19)だった。 事の起こりは、レンタカーの故障だった。 某所にて、いつものごとく、いつものメンバーで、いつものように恙無く(?)霊障の調査及び解決に従事した帰り道。機材を乗せたバンとは別に、メンバーを乗せて一路東京を目指し走り出したレンタカーが、突然調子を悪くなり、とうとう動かなくなってしまったのである。 運転していた滝川は、すぐさま先行していた機材運搬用のバンに連絡をとると、車を借り受けたレンタカーのトラブルデスクに電話を掛けた……のだが。 「―――…有り得ないような本当の話って、こういうのを言うのか?」 連絡を受けて少し先を走っていた機材運搬用のバンまでが、引き返してきたその場で何故か動かなくなってしまったのである。 「呪われているのか?」 誰ともなく呟いた言葉は、まさしく的を射ているような気がするが、誰もが皆「呪われるような悪行を働いた覚えはない」と首を振った。 とにかく、故障車を見てもらう為リンはJAFを呼び、その隣で滝川がレンタカー屋と話をつけていたのだが……受話器の向こう側から告げられた言葉に、彼は思わず携帯電話を取り落としかけた。 曰く「すぐさま代車をまわすが、同じ車種や同じ人数が乗り込める車は手配できない」と、言うのである。……田舎の小さなレンタカー屋に車種はそれほど豊富ではなく、唯一の大型は滝川達の乗っていた、現在故障中で回収を待つばかりの一台こっきりだったらしい。 話を聞かされたその場の誰もが本気で困った顔になり、互いに視線を見交わした。 はっきり言って、車が動かなくなった場所も悪かった。 そこは見渡す限りのどかな山並みが見える、所謂「田舎」の国道で、最寄り駅まで車でも30分は掛かる距離だった。その駅にしても、間違っても「都会の駅」とのような駅ではなかった。 「……確かあそこ、新幹線以外止まらないんじゃなかったか?」 滝川が頭の中の路線地図を確かめるように呟いた。それを聞いた綾子が、「それも各駅停車の〝こだま〟しか止まらない駅よ」と、うんざりしたように滝川の記憶を肯定する。……新幹線の駅が出来たことで、とりあえず体裁が整えられたとはいえ、それ以外にはなにもない場所だといってもいい。故にそれほど人の行き来が多い街ではなかった筈だった。それも当然だろう。「ひかり」や「のぞみ」が止まる駅ならばともかく、「こだま」の停車駅では、乗降客を当て込んだ商売も微妙に期待できないし、盛り上がらない、なんとも典型的なパターンだった。はっきりいって、ここに駅が出来た理由など、政治家の票稼ぎではないのか?とか、穿った考えが脳裏を過ぎる。 それはともかく。 今は、この後の足の確保と、予定を決める事が専決だった。 滝川はぱこんと通話を終えた携帯を折りたたむと、同行の面々を振り返った。 「さて、どうするよ?」 とりあえず最寄りの街までレンタカー屋と車の保険会社が差し向けてくれる事になっている車で移動するとして、だ。その先の足をどうするか。目下の所の目処が立っていなかった。 「少年が現在、新幹線のチケットを手配中だが―――」 「は~い、只今検索中です~少々お待ち下さいv」 「……という事だ」 しかし、この時、誰もが現在某所で開催されている万国博覧会の影響を危惧していた。確か開催期間中の宿や、鉄道関連の予約は、ほぼ完売状態の筈だった。 と、その時、携帯サイトで検索をかけていた松崎綾子が「……あたし、少し足伸ばして温泉に入ってから帰るわ」と突然言い出した。 「別に急いで帰る必要ないし」 一斉に向けられた視線をものともせず、綾子は「お金の心配もないし?」という続け、更に水を向けるように同乗していた妹分達に視線を向けた。 それを受け、日本人形のようないつものいでたちではなく、普段着姿で隣に腰を下ろしていた原真砂子が、興味を持ったようなそぶりを見せた。 「そうですわね。特に明日以降に予定はございませんし。学校も週末に掛かりますし、そうでなくても、一日二日お休みした所で、然したる問題もございませんわ」 ―――…温泉いく為に学校を休む事を「問題ない」といってしまうのは、一般的な学生として、いかがなものだろうか?……そう誰もが思っても、この場でそれを指摘し突っ込む人間は皆無だった。 実際、成績の面でも真砂子に問題はなく、普段から「仕事」で学校を欠席している真砂子の場合、「仕事で~」という理由はどんな時も有効な『免罪符』になりえるだろう。―――…それは勤労女子大生である谷山麻衣にも当てはまる事だった。 「麻衣は、どうします?」 だから、真砂子が隣に腰を下ろした友人に水を向けたのは、当然の成り行きといえなくもない。 だがしかし。麻衣は「温泉」の二文字に激しく心を動かされながらも、直ぐに頷く事ができなかった。 「行きたいのは山々だけど……」 如何せん、『勤労』と名のつく女子大生には、へいぴょい無計画に費やせるだけの経済力がなかったのである。 もちろん、短くない付き合いの周囲は、彼女のそんな事情は先刻承知していた。故に、松崎綾子が直ぐに助け舟を出すかのように口を挟んだ。 「お金の事なら、アンタが一言『行きたい』って言えば、破戒僧が出すわよ?」 そこで漸く、突然の「温泉立ち寄りプラン」に唖然としていた滝川に、矛先が向けられた。 「は?」 「ちょっと、何よ。その間の抜けた返事は。可愛い娘が『パパ、あたしもう今日は疲れたから、一日二日温泉に行ってゆっくりしたいの』って言ってるのよ。もちろん、色々融通してくれるわよね?」 問いの形を装いながらも、断定口調で告げられて、滝川は呆れたように、いつでも綺麗に化粧を施された女の涼しい目元を見返した後、小さく口角を引きつらせた。 「―――…お前なぁ」 だが、そんな男の反応などまるで気にした様子もなく、松崎は念を押すように問うた。 「で?どうなの?」 Yes以外の返事を認めない雰囲気に、滝川は抵抗するのもむなしくなって、溜息一つを零した。そしてチラリと運転席の後ろの座席を振り返る。戸惑ったように視線を返してくる麻衣へ、滝川は手を伸ばしすと、ぽふぽふといつもの調子で栗色の頭を撫でた。 「坊さん?」 すると、小首を傾げて麻衣の大きな眸が問うように見つめてきた。 ―――多くを他人に依存する事も頼る事もよしとしない、独立自尊の精神が強い、天涯孤独のこの少女に肩入れする気持ちも、愛娘と自称する気持ちも、何年経っても変わらない。それどころか、ますます『ああ、俺の娘ってなんて健気で可愛いんだろう』と思う気持ちが強まる一方だった。そんな自称『保護者』馬鹿丸出しの滝川は、おおらかに笑いかけて、安心させるように片目を瞑ってみせた。 「ま、もちろん麻衣がそうしたいってんなら、俺が負担しても構わんが?」 「だってよ?麻衣」 「う~ん、でも悪いもん」 「遠慮いらないわよ、アタシも出すし」 「お、珍しいな」 「今回のお手当ても入るし、他の収入もあったばかりだからね。たまには仲良く温泉でのんびりってのも、いいんじゃない?」 そういいながら、綾子は中天を過ぎた太陽が、傾きながらも地上を照らす空を見上げた。 最近の天気は非常に不安定で、いつも空は泣き出しそうな雲を湛えている。どんよりと暗い曇り空は、見ているだけで気が滅入ってくる。 「天気、夜には本格的に雨になりそうだし。最近の天候状況から見て、降り出せば相当雨脚強くなるでしょうね」 そんな中、えっちらおっちら今はまだ遠い東京を目指して、急いで帰る必要などないだろう。 だから、ここで何が何でも帰る選択をせず、もう一日二日、帰りを遅らせて、近場の温泉で調査の疲れを癒すのもありではないか? 綾子の主張には、機材運搬用のバンが動くようにならなければ、到底この土地から動けないリンも、一理あるというような表情を浮かべた。 だが、問題なのは、この意見にチームリーダーが賛同するか否かであった。 その場の視線が、期せずして漆黒の美青年に向けられた。 このメンバーを実質的な責任者で、協力者に助力を頼んで報酬を支払う人間…渋谷一也(本名・オリヴァー・デイビス)通称「ナルシストのナルちゃん」こと略して「ナル」は、それぞれの主張や話を聞いても、未だ無言を通している。―――…だが、言葉よりも雄弁に、眉間に刻まれた皺が、彼のこの件に関する機嫌の悪さを示していた。 麻衣はそんなナルの顔を見て「げっ」というような顔になった。 ……だめだ。 ……この顔は、すぐさま東京に帰りたいって顔だよ。 今朝まで調査で訪れていた家で記録された画像や数値を、一分一秒でも早く解析したいんだろう。 これを攻略するのは、激しく無理な気がする。 そんな思いで周囲に視線を流せば、『説得は任せた』とばかりに期待の篭った(あるいは、酷く無責任な)視線が麻衣へと注がれていた。 (―――…激しく誤解している!) この目の前の不機嫌極まりない美形大魔神が、麻衣の言動に振り回されてくれる筈がないではないか! タイミングさえ逃さなければ、殆どの場合麻衣の言動が、天上天下唯我独尊のマッドオカルティストの行動を左右しているとは、知らぬは本人ばかりなりな事実なのだが、この時の麻衣は「それは有り得ないから!」と己の心の中で裏手拳突っ込みを周囲の視線に対して返した。 そんな時、妙に間延びした声で、安原が口を開いた。 「あ―――…、所長。申し訳ありません。乗車券は二人分しか取れませんでした」 振り返れば、微妙に作ったように見える『ちょっと困り顔』の安原が、どうしますか?と彼の雇用主に向けて問いかけていた。 ……話が見えない。 麻衣は小さく首を傾げて、二人のやり取りを眺める。と、漆黒の視線が、何故かひたりと麻衣に向けられた。
それで何がどう決まったのか。当事者の一方以外には全くわからなかったのだが、結果だけを言えば、その後、麻衣は『温泉』に行くことはできなかったのである。
2006年04月28日(金)
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