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God’s Child - 2002年04月11日(木) 4月9日お昼の時間に、MTVで「ニルヴァーナのアンプラグド」が放送された。 全く知らずに偶然テレビをつけたものだから、画面一杯にあのカート・コバーンが 映っているのを見て息が止まりそうになった。 アコースティックギターを抱えて椅子に腰掛けて歌っている。 エレキギターの歪んだ爆音を掻き鳴らすのではなく 静かに穏やかに語りかけるような歌声が何て胸にしみるのだろう。 感情を込めて切々と歌い上げ、上手く出ない声を振り絞るようにシャウトする その姿に涙を抑えきれない。 ゲストを迎えてカヴァー曲を演奏した。 カートの笑顔のなんと無邪気で可愛い事か。 何故なんだろう。何故こんなにも音楽を演る為に生まれてきたような人が 自らの命を絶ってしまったのだろう。 3月末に出版された分厚い「Heavier Than Heaven」本を読んでも 私には判らない。 本にはこのアンプラグドに出演した時の状況にも触れられていた。 カートは極度の緊張と薬の禁断症状に苦しんでいたらしい。 ≪アコースティック・ライヴをする事に怯え、恐怖に慄いていた≫のだと。 でも彼はあの素晴らしいライヴをやり遂げたのだ。 彼にしか、ニルヴァーナにしか、あのライヴは為せなかったというのに......。 私は、最近吉井和哉が見に行ったというロジャー・ウォーターズ繋がりで ピンクフロイドの創生期の中心メンバー【シド・バレット】に惹かれている。 シドのソロアルバムを聴かせて貰ったのだが、曲調は全く違うのに その歌声にカートと同じ匂いを嗅いでしまった。 シドは余りに鋭敏過ぎる感性が災いして精神に病んでしまった ≪狂ったダイヤモンド≫と称された人物、未だ生き続けているらしいが 既に遠い世界へ旅立ってしまった人だ。 片や愛する妻も子も、そして音楽さえ捨てて自分の頭を銃で打ち抜いた人。 天才と呼ぶに相応しい、言うならば「神の子」の彼らが何故?と思ってしまう。 音楽シーンにカノ人達が居ない事が淋しくて、つい不平不満を感じてしまっていたけれどゴメンなさい。やっぱり贅沢は言いません。生きていてくれるだけで、 また4人に会えるという希望が持てるだけで幸せだ。 シドの歌声を聴いていて、しみじみそう思う。
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