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2002年03月18日(月) ■ |
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Vol.60 ゼロからのスタート |
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おはようございます。りょうちんです。
今から4年前の3月18日、早朝5時前。俺の実家が火事に見舞われた。全焼。突然の出来事だった。 当時、俺は仕事のため県外でひとり暮らしをしていた。火も消えて一段落した頃、俺は初めて母からの電話でその事実を知った。「店まであとかたもなくきれいに燃えちゃったよ…。ははは…」と力なく笑う電話越しの母の声は、今でも俺の耳から離れない。父も母も弟たちも、誰ひとりケガさえなかったことが、不幸中の幸いだった。 急遽その日の仕事を休んで、実家に駆けつけた俺。でも、もうそこには俺の知ってるあの家は、なかった。すすだらけの柱。焼けただれた家具。近所の人や知り合いの人たちがウワサを聞いて、何人も駆けつけてくれた。頭を下げる父と母。そして、俺。何もかもを失って、残っているものは思い出だけ。正直、みんなこれからどうしていいのかわからなかった。 あれから…。俺たちは元気にやっている。すべてを失って、ゼロからのスタートだったけれど。父と母で新しい店も構えたし、家も小さいながら新築した。あの火事で失ったものはたくさんあるけれど、手に入れたものもそれ以上にたくさんあるんだ。どんなに打ちのめされてもがんばっていく力とか。ずっと忘れかけていた家族の絆とか。あの日の絶望は希望への入口だった、と今は思えるんだ。 みなさん、火の用心! 火の用心!
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