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2018年02月27日(火) ■ |
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Vol.864 母の奇跡 |
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おはようございます。りょうちんです。
弟がもらってきた風邪が俺と父を経由して、結局母にまでうつってしまった。だから年明けに新年会と称して弟たちの家族もみんな集まった食事の席も、母だけは自宅で箱根駅伝を見ながら留守番になった。母の調子の悪さはなかなか回復せず、俺がフィリピンから帰国した翌日に胸の苦しさを訴えてそのまま入院となった。いつもお世話になっている病院でいくつもの検査を受けて、この時になって初めて母の肺にがんの疑いがある影が見えると医師から告げられた。 左肺の入り口付近に3㎝ほどの影があり、すでにリンパ節と骨に転移している可能性があるらしい。大きさと進行具合から言って、ステージ3。開胸手術で摘出することはすでに厳しく、このまま何も治療せずにいたら今年の年末まで生きるのは難しいだろうとのことだった。 2003年の4月のことだから、まもなく丸15年もたつことになる。母が初めて病に倒れ、病院に駆け込んだ日だ。あの時、母の命はあと数年だろうと医師から告げられ、その日から母は自分の死を意識して毎日を過ごすようになった。しかし、病を抱えた母の奇跡は今でも続いていて、もうじき15年もたつのに母は今日も生きている。もちろん、医学は日々進歩して治せなかった病気も少しずつ治すことができるように進化してきているのかもしれないが、母の生きる力とか病気に打ち勝ってやるという想いとか運の良さは、ちょっとやそっとじゃ敵わないものすごいものだということは、家族全員すでにわかっている。 だから今回がんの告知を受けても、母は動揺もせずいつもと同じように毎日を過ごしている。5年後の生存率は2割と教えても、治す気は満々なのだ。その証拠に、平昌のオリンピック観戦に熱を上げた母は、再来年の東京オリンピックやその次の北京オリンピックを今から待ち望んでいる。 来月に入ると本格的に治療が開始されるが、そんな母を見ていると本当に奇跡は続いていくに違いないと思う。母は強い。奇跡は終わらない。
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