「親父はどうして、さっきの剣を買わなかったんだ?新しい剣を買うんじゃなかったのか?武器矢の親父だって進めてたじゃないか?」 久しぶりに市場なので新しい剣を買う予定であった。しかし親父は何も買わずに出てしまった。結局、食料だけ買っただけで帰途についてしまった。親父は余計なことは何も言わない。いつも質問攻めにしても1つか2つ答えが帰ってくればいいほうだ。今もやはり同じであり、ただ海の様子を伺っている。 「ゆがんでいる」 「え?」 「あの剣はひずんでおる。」 「さっきの剣か?そうだったかな。全然わかんなかったよ。でもちょっとくらいならよかったんじゃないのか?修理出せば直るんだし。」 「うむ、ひずみとは簡単になおるものではない。実際見た目は直っているように見えても、実はさらに違う方向のゆがみを生んでいることもある。いちどゆがんだものは、なかなか元に戻らんものだ。」 「ふーん」
小話。なんとなくおもつき。
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