空に



「何泣いてるんだよぅ」


しきりに雨を降らせる雨空に向かって
ふとそんなことを言ってみたくなった


私は泣かないよ


伝えることができたんだもの
それだけでよかったんだもの


ふと目を向けたバルコニーに根付いた
空に向かって凛として上を向く木々を
たくましいと思った


これから花を咲かせようとするために
太陽から恵みをたくさんもらうために


曇り空にでも
雨空にさえも
強風にさえも


それでも向かっていくしかないのだと
だから強く前を向いて歩こうと思った




雨に紛れて
少しだけ泣いた


ほんの少しの切なさと
ありがとうの気持ちで









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