ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ~ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2003年02月24日(月) OKITE やくざの詩

監督:松方弘樹
出演:加藤雅也
    吉川晃司
    松方弘樹、他
オススメ度:☆-


【あらすじ】
新宿・歌舞伎町・・・大小幾百と知れぬヤクザ組織が凌ぎを削る町。「寺島」は中津組系の小一家・日下組の組員として組長に使える男、一方「川又」は大組織・合田連合の若頭に出世し、辣腕を振るう怜悧非情の男。「いつか2人で天下を取ろう」と誓い合った旧友が、今は大組織とそれに抗する小一家の抗争に、お互い身を投じて行く・・・


【感想】
大体からして、ぴよは「任侠モノ」は全く見た事がない。「極妻シリーズ」も「仁義なき戦いシリーズ」も、とにかくヤクザと名の付く映画というのを1本も見た事がないのだ。
なのに、どーして今回この映画を見たかと言うと・・・単に試写会の会場に「松方弘樹と加藤雅也が舞台挨拶に来る!」という話を聞いたからだ。本当にただそれだけ。(^_^;)
加藤雅也クン、すんごい顔ちっちゃくて滅茶苦茶カッコよかった!!しかもトークも面白い!
いやぁ~・・・今までそんなに気にしてなかった俳優さんだけど、これからはちょっと注目しちゃおうかなぁ♪(萌)


・・って、これで感想終わってもいい?(爆)



だってぇ・・・映画は クソ映画だったもん(爆)


元々「任侠映画」に興味ないから?それだけじゃー説明がつかないくらい、話の筋も判りにくければ、各々のキャラの背景、人物像、人間関係、何もかもが描き込みが弱過ぎて全然話がわからない。

大体からして、自分の命を賭ける程「日下組長」に惚れこんでる加藤雅也クン演じる「寺島」という男、こいつがどーして日下にそこまで忠誠を誓ったのか・・ってのがさ、子供の頃にたまたま釣りしてて、隣にいた日下が自分に釣り竿をくれたから・・って、ただそれだけだぜぇ?
信じられる?釣り竿一本貰っただけで自分の一生決めるヤクザっていんのかよ!?(爆)

抗争激化中の組長にしては、ガードが弱くてあっさり(しかもかなり情けなく)殺されちゃうし、仇を討つ寺島がクライマックスで川又一味を誘いこむ倉庫?工場跡?でのシーンなんて、安手のサバイバル・ゲームみたいになっちゃってるし(笑)
おまけに川又との一騎討ちシーンには、意味不明のカラフルなオーガンジーのカーテン・・・(^_^;)
これを一体どう評価すりゃ~いいもんだか。(苦笑)

ちなみに、松方弘樹監督サンは「綺麗でライトでファッショナブルな、そんなヤクザ映画を目指しました」とコメントされているよーですが、ぴよに言わせれば「陳腐で中身がなく、意味不明な悪趣味映像」ってトコロでしょうか(爆)


いや・・・でも加藤雅也クン、実物は本当にカッコいい♪(*^^*)
加藤雅也クンが舞台挨拶に来てなかったら、たぶん会場で暴れてたね。あははのは。





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2003年02月21日(金) ホワイト・オランダー

監督:ピーター・コズミンスキー
出演:ミシェル・ファイファー
    レニー・ゼルウィガー
    アリソン・ローマン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
強烈な個性と独善性を持ったカリスマ・アーティストの母「イングリッド」を崇拝する15歳の少女「アストリッド」、ある日突然母子の生活は終りを告げた。恋人の裏切りに激怒したイングリッドが恋人を殺害したかどで、終身刑を言い渡されて刑務所に収監されたのだ。
いきなり天涯孤独になってしまったアスリッドは、福祉事務所の管理下の元で里親に引き渡される事になった。ところが里親はことごとく精神に問題があり、またイングリッドは刑務所にいても尚、アストリッドを支配しようとするのだった。


【感想】
「ホワイト・オランダー」とは「白い夾竹桃」の意。夾竹桃は毒を持つ花として知られているが、タイトルの「ホワイト・オランダー」=強く美しく生きる為に毒を放つ、というのは「母・イングリッド」の強烈な個性と、彼女に翻弄されながらも強く逞しく生きていきながら人生を模索する「娘・アストリッド」の両方を指しているんだと思う。

とにかく出演している女優が演技派揃いで。
強烈なキャラで娘を翻弄するイングリッド演じる「ミシェル・ファイファー」は言うに及ばず、里親を演じたロビン・ライト・ペン、レニー・ゼルウィガー等、共演者もピタリと役ドコロがハマってる。
この映画は内容云々よりも、彼女達の個性豊かな演技を楽しむ為に作られているんじゃないかとまで思っちゃうね!

この個性派女優に囲まれても、決して引けを取らない新人女優「アリソン・ローマン」には金一封!(笑)
彼女は今後注目かもしんないっすよ!!アリソンは15歳~18歳という、多感な時期の少女を演じているんだけど、実に瑞々しく心の葛藤と母への崇拝からの脱却する姿を演じ切っていたと思う。

だけど、先に「内容云々よりも」と書いちゃったけどね・・・何か映画を見ても心に響くモノがなかったと言うか、単にぴよとは相性が合わなかっただけなのかもしれないんだけど、「女優達の素晴らしい演技は堪能出来たけど、それ以上の映画自体の内容に面白味を感じなかった」ってトコロか。(あららぁ~ん。今日も吠えてるぅ~。苦笑)

イングリッドが娘に語る「狂気」とも言える独善的な言葉の数々・・・
これが決して的を外してないって思えたトコロがぴよには面白かったね。どーしようもなくワガママで奔放で、利己主義な彼女の言い分なんだけど、これってある意味「人間の本音」「オンナの本音」じゃないかな?
それを言っちゃ~お終いよぅ!と、誰も口に出来ない己の醜い本音を、思うがままに口にして、更には自分が手放したくないと思っている「所有物」を、翻弄し、傷付け、追い込み、何としても自分の手から離さまいとする・・


本当なら娘のアストリッドの成長を見せているハズの映画で、狂気の母親の爆裂本音トークに妙に納得しちゃってるぴよって、相当的外れでヨゴレな人間だったんだなぁ~・・と、思わず苦笑しちゃったわよ。(^_^;)






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2003年02月19日(水) ノー・グッド・シングス

監督:ボブ・ラフェルソン
出演:サミュエル・L・ジャクソン
    ミラ・ジョヴォヴィッチ
    ステラン・スカルスゲールド、他
オススメ度:☆☆-


【あらすじ】
チェロと孤独を愛する窃盗科の刑事「ジャック・フライア」は、隣人に頼まれて家出娘の捜索の為、ある通りまでやって来た。そこでたまたま玄関ポーチの階段で転んだ老女を助けたジャックは、老女宅に招かれて世間話をする内に、自分は人を探しに来た刑事だと告げたのだ。その途端後ろから何者かに頭を殴られ昏倒・・・
気が付くと手足を縛られており、目の前には老夫婦と若い男、そしてイギリス訛りの紳士と目も覚めるような美女「エリン」の姿が。実はこの家は強盗グループのアジトだったのだ。


【感想】
今ノリにノッてる「サミュエル・L・ジャクソン」と、とにかく景気良く脱ぎまくる「ミラ・ジョヴォヴィッチ」の共演!ミラは前作「バイオハザード」でも冒頭から素っ裸で登場してくれたけど(笑)今回もとにかく脱ぐ!脱ぐ!脱ぐ!!(わはははは!)

ジャックはたまたま通りかかって助けた老女宅(実は強盗グループのアジト)で、犯人グループに「自分達の計画を悟られて捜索に来た刑事だ」と勝手に誤解されちゃうんだけど、映画見てても最初何が何だかさっぱりわからない。勝手に訳わかんない会話が続いて「???」の連続なんだけど、これは観客にジャックの視点で話を見せて「サスペンス仕立て」にしようという意図的な演出なんでしょうか?・・・だとしたらあんまり成功してるとは思えなかったんだけど(苦笑)

用意周到な「銀行強盗計画」が、ジャックの登場という番狂わせで次々と破綻して行くんだけど、そこにはハラハラもドキドキもなく面白味も欠ける。(今日も言いたい放題だぁ~)

この映画の一番の見ドコロは、何と言ってもミラ・ジョヴォヴィッチのエッチな体1つって感じだけど(笑)映画のコピーで散々「魔性の女」と煽る割りに、彼女に魔性らしさを感じないのはどうした訳なんだか(^_^;)
男達それぞれに都合のいい事言って、何としてでも自分だけはお金を手に入れて自由になりたい・・という「浅ましさ」は充分判るものの(彼女が自分の生い立ちを語るシーンはちょっと興味をそそられたけど)それがイコール=魔性の女、というイメージに繋がらなかった。これ痛過ぎ。

ぴよが同性だからそー思うだけで、男の人が見たら「おぉ!こんなイイ女にこんな風に流し目で語られたら誰だって一発でコロリと騙されるぜぇ~♪」と思うのかしらねー?
まー今回も潔く素っ裸になってくれたし、あんまりヒドイ事言っちゃ可哀想よね(苦笑)

でも・・・ぴよはミラ・ジョヴォヴィッチってそんなに色っぽい女優さんだと思えないんだけどなぁ~






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2003年02月15日(土) ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔

監督:ピーター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド
    ヴィゴ・モーテンセン
    オーランド・ブルーム、他
オススメ度:☆☆☆☆☆


【あらすじ】
モルドールの火の山を目指した9人の旅の仲間は、ボロミアとガンダルフを失った後、混乱の中3つのグループに分かれてしまった。モルドールの山へ先を急ぐフロドとサム、オークから逃れて不思議な森に迷い込んでしまったピピンとメリー、そしてピピン達を助けようと後を追ったアラゴルン、レゴラス、ギムリの3人は、白の魔法使いとして甦ったガンダルフと再会、4人でサルマンの攻撃を受けている人間の国、ローハンへと向かう事になった・・・


【感想】
先の第一部「旅の仲間(日本公開版には副題がないのねー)」の時にも書いたと思うけど、この映画は是非音響効果の良い大画面のスクリーンで見て欲しい!おうちでDVDで見たんぢゃ~この映画の素晴らしさを堪能する事は出来ません!!

前作が人物紹介と世界観の説明に時間がかかって(それでもぴよは2回見てようやく理解出来た。苦笑)話の内部や、個々のキャラクターの掘り下げに今一つ肉薄出来ていなかった部分もあったと思うんだけど、今回は「3つのグループ」の話を同時進行にバラバラに見せて行く事で、個々のキャラを実に上手に見せる事に成功。・・いや、原作がそーなってるだけなのかもしんないけど。(お約束通り、ぴよは原作未読です♪)

今回は「指輪をモルドールの山へ運ぶ」事よりも、冥王サウロンとサルマンが手を結び、強大化した暗黒勢力が、いよいよ「中つ国」の完全支配へ乗り出して人間界を襲う・・それを守ろうとするガンダルフ率いる「白の勢力」との全面戦争、ここの部分に一番の力点が置かれている。
3つのバラバラに動いているグループも、この全面戦争に何かしらの関わりを持ちながら話が進められている。

これが!すげーよ!・・とにかくすんごいスケール、迫力、圧倒的映像空間!!
頭の中ですら空想しきれない・・凄まじいスケールの映像がスクリーンに次々と映し出されるのを、ただただ口をポカーンと開けて見入るしかなかったっす。人間ってここまで映像化する事が出来るようになったんですねぇ。本当に撮影・映像効果技術の進歩を、神に、映画界に、感謝したい!!

映像だけじゃなくて、今回の話では旅を続けて行く内に、それぞれのキャラが成長している姿をきちんと描き込んでいる部分も注目したい。特に不思議の森に迷い込んだピピン、そして前作ではただの卑しい大食らいで、フロド達の足を引っ張るだけの存在だったサムの成長はめざましい。

アラゴルン、レゴラス、ギムリの3人が、旅を続けながらも友情と結束を固めて行く様子も、無理なく自然に話に溶け込みながら見せてくれる辺りは本当にウマい。
3つの話が同時進行しているので、余計頭が混乱するのでは・・と見る前は思ってたんだけど、前作よりも個々のキャラが際立って判り易くなり、より話に入り込み易くなっていたと思う。

・・・勿論、上記の全ては前作「旅の仲間編」を見た人にとって、という前提付きですが。


あぁ・・それにしても「アラゴルン」だ♪
彼はカッコ良すぎる!前作で一番気に入ったキャラだったけど、今作はもっとよかった♪
この映画、ぴよの中では「フロド」じゃなくて、すっかり「アラゴルン」が主人公になってるわよぅ~(萌)





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2003年02月14日(金) リロ&スティッチ

監督:クリス・サンダ―ス
声の出演:ダヴェイ・チェイス
      クリス・サンダース
      ティア・カレル、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
ハワイ・カウアイ島に住む「リロ」は、両親を事故で亡くして姉の「ナニ」と2人暮らしの孤独な少女。リロの淋しい気持ちに気付いたナニは、動物保護センターから子犬を一匹貰う事にしたのだが、リロが選んだ子犬の「スティッチ」はおよそ犬らしくない、狡猾で狂暴さを発揮してリロ達を困らせるばかり・・・
実は「スティッチ」は逃亡中のエイリアンで、銀河連邦のある星の科学者が遺伝子操作によって「破壊プログラム」だけをインプットして作った、恐ろしく邪悪なモンスターだったのだ!!


【感想】
予告編見ただけでちょっと「うるっ」と来ちゃったし、何しろ今年のオスカー「長編アニメ部門」で「千と千尋の神隠し」と一騎打ちになるか!?と、前評判の高い映画ですからぁ~♪楽しみにしてたんだよねぇ~♪

リロとスティッチは共に家族の愛に飢えている。リロは手のつけられないワガママぶりを発揮して周囲を困らせるし、スティッチは元々「破壊プロブラム」しかインプットされていないので、リロやナニの窮状などお構いなしに破壊と暴力の限りを尽くす。
このリロとスティッチ「手の付けられない孤独な暴れん坊」が、お互いに心通わせてシンクロしていくのはウマイ作りだと思うんだけど、何故か見ていてスッキリしないと言うか・・・

単純に言えば「感動しない」(をいぃ~。苦笑)

ちょっと子供っぽい作り過ぎたのでしょうか?
ブエナビスタがお好きそーなコミカルなデザインのエイリアン達、宇宙船に乗って追いつ追われつの空中戦、リロ達を優しくサポートするナニのボーイフレンド、そしてお約束の大団円。ディズニー的要素は余すトコロなく描いていると言えばそーなんだけどさー・・・

「オハナ=家族」の絆、というのを話の全面に押し出しているにも関わらず、リロとスティッチの関係だけに終始してしまって、肝心の「リロとナニ」姉妹の絆が置き去りにされているような気がするんだよね。
スティッチの存在によってリロは孤独な少女ではなくなったのかもしれない。だけどナニとの絆の描き込みが余りに薄く感じて、映画ラストのショットを実に白々しい気分で見るハメになってしまった。

スティッチさえいれば、それで幸せなのか?孤独さえ癒されれば、それで「崩壊した姉妹関係」は家族の絆を取り戻す事が出来るのか?・・・ちょっと意地悪過ぎる見方をしてしまったよーで。(^_^;)

ひねくれ者には向かない映画だったかもしんない。(涙)






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2003年02月13日(木) わすれな歌

監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン
出演:スパコン・ギッスワーン
    シリヤゴーン・プッカウェート
    プラシット・ウォンラックタイ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
タイ・アユタヤののどかな水辺の村に住む陽気な青年「ペン」は、村一番の美しい娘「サダウ」に夢中。ペンの天真爛漫な性格に惹かれたサダウはやがて仲睦まじい夫婦になる。ところがサダウが妊娠4,5ヶ月の頃、徴兵のクジ引きに当たってしまったペンは、泣く泣く故郷の村を離れる事になってしまった。サダウへの思いを唄い、毎日手紙を綴るペンだったが、ある日訓練地の近くに興業でやってきた芸能プリダクションの歌謡コンテストに出場、優勝した事がきっかけで、ペンは脱走兵となり芸能界入りを決意したのだ。


【感想】
タイ映画ってほとんど見た事がない。もっと言うと『アタック・ナンバー・ハーフ』しか見た事がない。
予告編では「ノスタルジック・ラブストーリー」と銘打ってるけど、泣かせ映画なのかなぁ~?

・・・と思ったら、いきなり「糞尿ネタ」から入るんだもんなぁ(苦笑)
思いっきりお下劣で、しかもミュージカル仕立てのコミカル・ストーリーだった。

話の筋や辻褄なんてまるで破綻しまくり!突然ペンが唄い出すと、それに合わせて周りのキャストがコーラスで参加して、独特の世界観が繰り広げられちゃったりして度肝抜かされますわ。
ちょっとインド映画っぽい雰囲気なんだけど、この「歌」ってのが日本人にも耳馴染みがいい・・・何か懐かしい雰囲気。タイではこういう楽曲を「ルークトゥン歌謡」と言うそーで、ルークトゥンとは「野良育ちの子・農民」の意味なんだそーだ。今もタイでは根強い人気のある、低所得者層に絶大な支持を得ているジャンルなんだとか。

「こんなお気楽な展開、ある訳ねーよ!」と、笑いながら(半ば呆れながら)見てたんだけど、案外楽しめちゃうから不思議。でも一緒に見に言ったタイ通の方の話だと、実際タイの貧しい農村に行くと、この映画の主人公「ペン」のよーな青年はごまんといるそうで、別に映画だから特別ディフォルメされた話でもないんだそーだ。(笑)
タイってすごい国だねぇ~!こんな事、日常的にあっていいんすか!?

ちなみにタイの徴兵制度は、ある年齢になると村々でクジ引きをして、約2割~3割の青年が3年の徴兵に強制的に駆り出されるそーだ。徴兵されると安い給料でコキ使われ、学校も職場も一時放棄しなければいけない為、後の出世や就職に支障を来たすので、若者達からは忌み嫌われているらしい。
(これはぴよが先日バンコクに行った時に、ガイドさんが教えてくれた)

また、現在のタイでは農村の若者離れが深刻化しており(これは日本にも言えるね)都会に憧れた青年が、若い妻子を農村に残してバンコク等に流れて来て、ロクな仕事もなく放浪生活を送っているという現実もある。

ここら辺のタイ事情を知って見ると、この映画はなかなか味わい深い面白い映画だと思う。


それにしても、タイ人は「糞尿ネタ」がお好きなよーで。(^_^;)
お約束のカトゥーイ(おかま)も出て来るし、ギャグは終始お下劣を極めていて、日本人にはちょっと入り込みにくいかも?






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2003年02月11日(火) 007 ダイ・アナザー・デイ

監督:リー・タマホリ
出演:ピアース・ブロスナン
    ハル・ベリー
    トビー・スティーヴンス、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
北朝鮮のある大佐を暗殺する為にやって来たジェームズ・ボンドは、大佐の腹心「ザオ」に正体を見破られ、大佐の暗殺に成功するも北朝鮮側に捕らえられて、14ヶ月間拷問の日々を過ごした。その後「捕虜の交換」という形で自由の身になったが、西側の情報が北朝鮮に漏れていたのは、ボンドが拷問に屈したと誤解されて「諜報部員」の資格を剥奪されてしまう。
ボンドは自らの身の潔白と真相を探るために、ザオを追ってキューバへ飛んだのだが・・・


【感想】
シリーズ20作目にして、007シリーズ40周年というダブル・アニバーサリー作品。今回ボンドガールを演じるのは「チョコレート」で昨年オスカー主演女優賞を獲得した「ハル・ベリー」と、英国TV界で人気急上昇中の「ロザムンド・パイク」
主題歌をマドンナが歌ってるというのも、正にこの作品は「記念映画」なのだと盛り上げてくれる。
(マドンナがカメオ出演しているらしいけど、ぴよにはわからなかったよー!気付いた人、教えて欲しーい!)

これはきっと狙って作った訳じゃないんだろうけど、今の世界情勢的に非常にデリケートな組み合わせ「英国と米国が手を結んで悪の北朝鮮軍人を叩き潰す」というネタになっている(苦笑)当然だけどこの映画に北朝鮮は非難轟々だし、韓国でも上映禁止運動が起こっているそーだ。

割りと骨太な筋ではあるものの、あちこち辻褄が合わなかったりご都合主義に走り過ぎてるのはご愛嬌か?(笑)
固定ファンの多いシリーズ映画なので、ここら辺には目をつぶって「アクション」と「秘密兵器」、そしてボンドガールとのイチャイチャを楽しむ為の映画だと割り切って見てしまえば、充分楽しめる作りにはなってるとは思うんだけど。
個人的には「ハル・ベリー」が、ボンド・ガールとしては余り魅力的なキャラじゃなかったと思うけどね(^_^;)

今回「20作目」という記念映画だという事で、ボンドカーにも力入ってたし(でもあのアストン・マーチンは何やっても傷一つ付かないのな。凄過ぎるぜ!笑)何よりファン・サービスとして、過去の作品で使用された「ファン思い出の秘密兵器」の数々を随所で登場させてくれる辺りなんかはニクい♪

北朝鮮→香港→キューバ→イギリス→アイスランドと、めまぐるしく舞台を移動するせいだからなのか、その都度見せ場を作り過ぎちゃって、ぴよには逆にちょっとダレたんだけど、話の展開自体はかなり強引に引っ張ってくので、決してスピード感がないという訳じゃない。もっとも、このスピード感が説明不足やご都合主義を生んでるのかもしんないんだけど(苦笑)

ま、楽しめる要素は充分あるから及第点は付けられるけど、それ以上のモノはないかなぁーって。


あ。でも・・・
ボンドの上司「M」のシュミレーションには大笑いさせてもらった!
彼女のシーンと、秘密兵器とボンドカー、この3つ見ただけで満足出来ればそれで良しかな、と。(笑)







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2003年02月07日(金) 抱擁

監督:ニール・ラビュート
出演:グウィネス・パルトロウ
    アーロン・エックハート
    ジェレミー・ノーザム、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
19世紀英国を代表する詩人『ランドルフ・ヘンリー・アッシュ』について研究している特別研究員「ローランド・ミッチェル」は、偶然大学図書館でアッシュの蔵書の中から、アッシュが書いたらしい古いラブレターの下書きを見つけた。ところがどうやら妻に宛てた手紙ではない。だがアッシュは高潔な愛妻家だったというのが定説なのだ・・もしこれが本当に誰かに出された手紙なら、英国文学史を揺るがす大発見になる!
調べて行く内に、相手の女性が同じく英国女流詩人の『ラモット』らしいと確信したローランドは、ラモットの妹の曾孫でラモット研究の第一人者、美しい才女「モード・ベイリー」の協力を得て、本格的調査に乗り出したのだが・・・


【感想】
100年前の英国詩人達の許されざるも燃え上がった恋、そして現代の何も障害のないハズの男女なのに、何故か先に進めず煮え切らない恋、2つの恋愛を同時進行に見せながら、かつての詩人達の愛の謎を探るサスペンスを主軸に据える・・・なかなか手の込んだ作品だぞぉ~♪

アッシュとラモットの許されざる恋の行方を映像で見せながら、二人が交わした書簡をローランドとモードが朗読する事で説明して行く。100年前の恋人達は映像中ではほとんど会話らしい会話を交わさないものの、この書簡の文面で、実際に会話させる以上に観客の心に訴えかけて来る。これはすごくウマい作りだなぁ~と思うね。

100年前の恋人達の軌跡を、現代の若き2人の研究者が追いながら、詩人達よろしく現代の男女も恋に落ちて行く・・・美しく古き良き英国の壮大な風景と、100年前の英国の壮麗な衣装や装飾がふんだんに綴られて、見せ場も多いし「名作系」の匂いがプンプンするハズなのに・・・?(^_^;)


何だか物足らないのよ! (また吠えるぅ~。苦笑)


100年前の恋人達に関して、あれ程情緒豊かで詩的に、そして官能的に観客を引っ張って堪能させておきながら、現代の2人に関しての描き込みが中途半端過ぎるのよ!

まず、ローランドは何故恋愛に対して臆病になって「禁欲」しているのか?劇中の会話の中に「自分は疫病神なんだ」等と、いかにも今後それに対する答えがあるんですよー♪と言わんばかりの布石を残しておきながら、結局何も回答がない。
対するモードも、どーやらローランドの同僚研究者と何やら関係がありそうなんだけど、会話の中で匂わせるだけ匂わせておいて、最終的には放置プレイ(苦笑)・・・非常に情熱的かつ大胆だった100年前の恋人達に対比するよーに、現代の恋人達は臆病過ぎて、千路として進まないという事を強調したかったんだろーけど、それにしても余りに現代の2人の関係の描き込みがお粗末ではないか?


個人的にかなり好きなネタ&展開なだけに、これは本当に惜しいな・・・うん。







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2003年02月05日(水) 至福のとき

監督:チャン・イーモウ
出演:ドン・ジエ
    チャオ・ベンシャン
    フー・ピアオ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
18回も見合いに失敗している失業中の中年男「チャオ」は、今度こそ結婚したいと見合いした相手(バツ2のデブ女)から、多額の結婚費用を要求され困り果てていた。仲間の薦めで工場裏の放置バスを改装して、金の為にしぶしぶラブホテル「至福の間」を開業したチャオ。
ところが見合い相手に気に入られたくて、つい「自分は『至福旅館』を経営している社長だ」とホラを吹いてしまったチャオは、彼女から前夫の連れ子で盲目の少女「ウー・イン」を、至福旅館で雇って欲しいと頼まれてしまったのだ。


【感想】
「あの子を探して」「初恋の来た道」の監督チャン・イーモウが贈る『しあわせ3部作の最終章』なんてコピー打たれたら、見に行かない訳にいかないじゃないっすか!・・なーんてエラそーな事書きましたけどネ、実言うと前2作見てないんすわ(笑)
見たい、見たいと思ってる間に公開終了しちゃって、そのまま見るきっかけをなくした作品ってないっすか?
正にこの「しあわせ3部作」の前2作がそーなんだ。だからこそ、これは見ておかくちゃ!と思ってさ(軽く言い訳)

予告編を見て勝手に想像していたのとは、まるで「チャオ」と「ウー・イン」の出会いのシチュエーションや人間関係が違ってたんだけど、別にそれに関してどうこう言うつもりはないわよ。だって勝手に想像してただけなんだもん。
ただ、ウー・インが話の展開に深く食い込んで来るまでのエピソードが、ちょっと長過ぎるよーな気はした。

ぴよがこの映画を見て一番思った事・・・それは『この話は本当に「至福のとき」の話なんだろうか?』という事だ。

確かにウー・インは「みなさんと過ごした時間は至福のときでした」と語る。
本当は貧乏なのに、ウー・インを思って必死にそれを隠して、社長だと偽り彼女に仕事を与えるチャオと仲間達。ウー・インはチャオの優しい気持ちに触れて、ささくれ立った心をようやく開いて「天使の微笑み」を取り戻す・・・

何もかもお膳立てされたように心温まる話のハズなのに、オチがどうしても納得いかなかった。


結局、何も解決してはいないじゃないか。
映画というのは、観客を泣かせればそれでいいってもんじゃない。すっかりウー・イン演じる「ドン・ジエ」の、可憐で清楚な愛らしさの虜にさせられて、映画を見ながら彼女の行く末を心配する「お節介な親戚のおばはん」状態に突入しているぴよのこの気持ちを、一体どう収拾つけてくれるんだいっ!!

はっきり言って、このオチはズルいよ。本当に、ただ泣かせればいいってもんぢゃねーんだよぅ!!






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2003年02月04日(火) テキサス・レンジャーズ

監督:スティーヴ・マイナー
出演:ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク
    ディラン・マクダーモット
    アシュトン・カッチャー、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
1970年代アメリカ。南北戦争に敗れた南部テキサス州は、無法者達によって殺戮と略奪が横行し、開拓者達は日々生活を脅かされていた。そこでテキサスの安全と治安を守る為の自警団として出来たのが「テキサス・レンジャーズ」だ。
とある街がまた強盗団に襲われた。襲ったのは、盗賊の中でも名うての悪党「キング・フィッシャー」の一味だ。家族を殺されながらも唯一命拾いした青年「リンカーン・ロジャース・ダニソン」は、テキサスの平和の為に「テキサス・レンジャーズ」に入隊する事を決意し、部隊が駐留しているというブラウンズビルに向かったのだ・・・


【感想】
アメリカで西部劇と言ったら、日本で言うところの「水戸黄門」って感じでしょうか?勧善懲悪、罪を憎んで人を憎まず、悪党に「家族の命が惜しければ・・」なぁーんて脅されて、仕方なく悪の手先のような事をしてしまうキャラが出て来たり、「由美かおる@お約束の入浴♪」よろしくちょっぴりお色気シーンがあったり・・・

そんな、ベタベタ「水戸黄門」ワールドを、21世紀に蘇らせた一作!!(爆)

何がスゴイと思ったって、ここまでベタベタで何のヒネリもない・・・いい言い方をすれば「正統派西部劇」嫌味な言い方をすれば「前時代的古臭い」映画を、何と2001年に製作しているという事だ!(日本公開は2002年10月)
ぴよは結構「水戸黄門」とか「大岡越前」はたまた「どらえもん」「寅さんシリーズ」は嫌いじゃないタイプなので割りと楽しめましたが、見ながら常に頭の中で思っていた事は「なぜ今、西部劇なのだろーか???」という事だった。

話は決して悪くない・・つーか、悪くなりようもないんだけど、かつて「名作」と呼ばれた数々の西部劇に比べて、一体この映画には何が一番足りないのだろう?と考えると、「カリスマ」が足りないのだな。うん。
出演してる俳優さんがね、きっと色んな映画に出てるんだろーけど・・・ぜーんぜん見覚えのない俳優さんばかりで。もっとイヤな言い方しちゃうと、別の映画でこの映画に出演してた俳優さんを見たとしても、きっと気付かないだろうな、と。(^_^;)

それくらい「印象の薄い」俳優さんばっかりだったし、話もフツーの西部劇・・と来たら、3日経ったらこの映画見た事すら忘れちゃうんじゃないかと思うくらい、凡庸な作品に仕上がってしまっているような気がするのよ(今日も言いたい放題~♪)


正統派、古典的、ヒネリなし、この系統の映画に欠かせないのは「誰もが知ってるカリスマ性のある俳優が出演している事」
これが最低必要条件なのだなぁ~と、改めて確信しちゃったわね。(あはは)






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2003年02月03日(月) バルニーのちょっとした心配事

監督:ブリュノ・シッシュ
出演:ファブリス・ルキーニ
    ナタリー・バイ
    マリー・ジラン、他
オススメ度:☆☆☆☆-


【あらすじ】
「バルニー」はフランスのカレーからロンドンまで長距離通勤をしている中年サラリーマン。愛する妻と娘に囲まれた平凡な家庭の夫のハズのバルニーだが、ロンドンにはキュートで愛らしい彼女と、知性溢れる美青年の彼氏(!)、2人の恋人を持っていたのだ。
ある日、妻と、彼女と、彼氏、3人から誕生日プレゼントとして、同じ日のベニス行きの列車の切符を貰ってしまった事がきっかけで、バルニーの2股情事が彼女と彼氏に同時にバレてしまって大変な事に・・・!


【感想】
典型的フランス・ラブコメディーの決定版。単館上映に加え、名古屋では朝1回だけのモーニングロードショーしかやってないからなかなか見に行けず・・・今週で公開終了しちゃうから、急いで見に行って来ましたわよ。(^_^;)

何がスゴイって、バルニーはどこにでもいるフツーのおっさんなのに、彼の妻といい、恋人達といい、どいつもこいつも美男美女揃いだという事!どーしてこんなサエないおっさんが、こんなにモテモテなのかさっぱり訳がわかんないんだけど、これを当たり前のように堂々とやられると、有無も言えずに納得させられちゃうっつーのか(苦笑)

逆に言えば、バルニーの役を誰が見ても惚れるよーな色男が演じてたら、全然コメディにならないよな。
そーいう意味ではこの配役は実に絶妙で面白いと思ったよ。うん。

話はバルニーが3人からベニス行きのチケットをもらって、更に2股がバレて大騒ぎになるまでが前半、すったもんだがあった末にベニス行きの列車に乗ってからの展開が後半と、話が別れているんだけど、前半の方がテンポがよくて面白かった。
後半に入ってからの展開が、多少ダレると言うか失速したような印象があったんだけど・・・

それにしても、フランスの小噺ってちょっとお下劣で独特の雰囲気があるじゃない?(これは偏見か?笑)
そーいう「いかにも!」な、おフランス・ギャグが満載でかなり笑わせてくれる。バルニーが妻や恋人達の間を右往左往して、目を白黒させるだけで場内爆笑!最後のオチまですげーいい加減で(笑)こーいうギャグセンスってハリウッドには絶対にないよなぁ~・・なんて、笑いながら妙に関心しちゃったよ。

フランス超B級恋愛コメディを思いっきり堪能させてくれる一本だあね♪






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2003年02月02日(日) 黄泉がえり

監督:塩田明彦
出演:草彅 剛
    竹内結子
    石田ゆり子、他
オススメ度:☆☆☆☆-


【あらすじ】
九州・阿蘇地方のとある地域で、死者が亡くなった当時のままの姿で蘇るという現象が発生。しかもそれは数千人規模にのぼり、厚生労働省に勤める若きエリート「川田平太」は、故郷の阿蘇の町に調査の為に戻って来た。故郷の町には、今は亡き親友の恋人で平太の幼馴染み「葵」が、今も尚彼を忘れられずに、彼の「黄泉がえり」を待っていたのだが・・・


【感想】
全国ロードショーとは言え、3週間限定公開の作品。にも関わらずかーなーりー評判がいいみたいだよね♪原作は「梶尾真治」の同名小説。も・ち・ろ・ん、ぴよは今回も未読ですが(もうこれはお約束っすね。苦笑)

「蘇り(よみがえり)」→黄泉の国から帰って来る、という意味で「黄泉がえり」という文字が当てはめてある訳ですが、亡くなった人の事をいつまでも思い続ける事で、死者が思いを寄せる人の所へ、亡くなった当時のままの姿で戻って来る・・・それは家族の元だったり、恋人の元だったり、とにかく「一番自分の事を強く思ってくれた人」の前に現れる訳。
これが後々の展開にすっごく生きてる。うまいなぁ~と思ったね。

主役は「草彅クン」・・他にも「極楽とんぼ」の山本とか寺島ジモンとか出ちゃってるし、要するにTV局が後押ししたアイドル・ムービーに近い?って思って、正直言ってあんまり期待してなかったんだけど。(^_^;)

これが結構いい話なんだわよ!話の展開もスムーズだし、伏線の張り方も嫌味がなく、「黄泉がえり」現象の証言者として登場する役者さんは名優揃いで、見せ場もきちんと押さえてあるし。
「葵」の存在と、彼女と平太との意外な展開も、某映画のオチに酷似してますが、ぴよは全然悪くないと思う(むしろ結構この展開には驚いたクチだ)し、ファンタジーの部分も爽やかで切なく、シメもしっかりしてる。

・・・確かに草彅クンは演技がイマイチだ。(笑)
セリフが棒読みで明らかに共演者達から浮いてるし、キャラクターの作り込みも弱い気はする。でもぴよは「だったらこの役を他のどの役者さんが演じたらもっと良くなっただろうか?」と考えたんだけど、この役柄にぴったりハマる、年齢的にも設定に問題のない若手の実力派俳優さんの名前が浮かんで来ないんだよね。
だからやっぱりこの映画は、草彅クンが主役でよかったんだろうな・・と。

ま、それに・・・もし草彅クンが主役じゃなかったら、これ程この映画は話題にならなかっただろーし。(苦笑)


せっかくウマい作りの映画なのに、肝心のクライマックスがダレるのがこの映画の一番の欠点。
コンサートシーンを挿入するのはいいとしても、何もあそこまでしつこく流さなくてもいいでしょうが(^_^;)
映画の主題歌になってる1曲だけは「RUI(柴咲コウ)」の映像で通して、後の2曲はあくまでもBGMとして流した方が(映像はあくまでも本筋の平太と葵の姿を追う)絶対に良かったのに・・・

こーいうのって、やっぱりアレなの?柴咲コウの事務所から圧力がかかって「コンサートのシーンは、うちの柴咲を通しで映してもらわないと!」とかいう条件が付いちゃってたって事な訳?(笑)





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2003年02月01日(土) ストーカー

監督:マーク・ロマネク
出演:ロビン・ウィリアムズ
    コニー・ニールセン
    ミシェル・ヴァルタン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
巨大スーパーマーケット「サブ・マート」の一角、写真カウンターで働く男「サイ」は、家族も恋人も友人もいない孤独な男だ。この写真カウンターの常連客「ニーナ・ヨーキン」は、彼にとって特別な存在だ。裕福でハンサムな夫、心優しくて愛らしい息子、サイにはない全てのモノに囲まれたヨーキン家の写真を長年現像している彼は、いつしか自分がこの幸福な一家の一員になったような妄想にふけっていったのだが・・・


【感想】
昨年夏公開になった「インソムニア」で、一見大人しい善良な人間に見えて、実はかなりイッちゃってる犯人役を見事に演じ切った名優「ロビン・ウィリアムズ」が、今度は超ヤバヤバなストーカー役で登場!

サイの自宅は、彼の性格や人生を反映するかのように、白っぽいグレーで統一され、一分の隙もないように几帳面に片付けられていて、殺風景で寒々しい。また、サイの勤めるスーパーマーケットの店内も、妙に明るい照明に、巨大な店内は頭の上までの高い棚が整然と並び、完璧なシンメトリーを形成していて、逆に心もとないような不安な感じを与える。
この映画は視覚的にも実に計算されていて、見る側に自然に恐怖感を持たせるように作られていてウマい!

この映画は、ロビン・ウィリアムズの演技1つで良くも悪くもなるという、正に彼の独壇場な作品だけど・・・ロビン・ウィリアムズが、どれくらいこの「サイ」という役にのめり込んだかがよーくわかる!
とにかく、見ていて悲しいやら、哀れだわ、淋しいやら、気持ち悪いやら(笑)、この嫌味な程生真面目で、一見するとどこにでもいる普通のおっさん・・でも実はギリギリの狂気にかられている男を、本当に「こんなヤツ、実際ごまんといるよなぁ」と思わせるくらいナチュラルに演じてるんだわよ!
・・・ロビン・ウィリアムズって本当はこーいう人だったん?って錯覚しそうなくらいにね。(あはは)

「ストーカー」というタイトルから、サイが相当執拗な嫌がらせをしたり、脅迫めいた事をバンバンするかのよーな予想をしがちだけど、映画中で彼がヨーキン家の人に対して、直接的に何か不快な行動を起こすというシーンは、クライマックスの1シーンだけ。ちょっと拍子抜けしちゃう?・・・いやいや、この押さえた展開が、逆に「こんな事、本当にいくらでもありそう~!」という恐怖感を増幅させてると思ったけどね。

もっと言えば、
これくらいの妄想や願望は誰だってあるよねぇ?勿論この私も・・くらいに思えて、自分が怖くなっちゃうかも。


映画冒頭にサイが見せる微妙な泣き笑いのような表情、そしてラストの空想に更ける哀しい笑顔が・・・
余りに切なくて、淋しくて、そして救いがなくて。
実はぴよ、こーいうまるで救いのない話って、悲しくなっちゃってダメなのよね。(^_^;)





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