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2003年09月12日(金) ■ |
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Vol.370 夏合宿の思い出 |
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おはようございます。りょうちんです。
大学生だった頃、俺は学校内のとあるサークルに入っていた。俗にいうお遊びサークルだったのだが、みんなでスポーツをやってカラダを動かそうみたいなコンセプトで集まった輩ばかりだったから、9月のこの時期になると毎年決まって山中湖へと夏合宿に出かけた。 サークルではどういうわけか会計なんていう役職についてしまっていた俺だったから、合宿もほぼ中心になって企画をしていかなくてはならなかった。今考えるとやってて良かったよなと思えるのだが、当時の俺は先輩後輩、それに卒業したOBやOJたちも含めて、100名近くの人たちをまとめるのにてんやわんやだった。 合宿では、毎日いろんなスポーツでカラダを動かした。一日中ソフトボールで汗を流す日もあれば、朝からずっとテニス三昧の日もあった。別の日には飽きるまでバレーボールをやったり、サッカーだって夢中になった日もあった。みんな上手い下手なんて関係なく、男の子も女の子も先輩も後輩も、楽しく仲良くカラダを動かしていた。 しかし遊び盛りの俺らは、その合間を縫ってもっと違う遊びも怠らなかった。コンパだなんていって宴会では盛り上がったり、おいしいケーキ屋さんのウワサを聞きつけて先輩に連れってってもらったり、真夜中に宿を抜け出して湖畔へ行って花火や肝だめしをしたり。夏の最後のひとときを惜しむように、俺らは一瞬も無駄にはせずに思い出を胸に焼きつけていった。そしてこの合宿が幕を閉じると、まもなく後期の授業が再開して平凡な日常へと俺らは戻ってゆくのだった。 久しぶりにアルバムを見返してみた。アルバムの中の若かりしあの頃の俺らは、誰もがみんな輝いた目をしていきいきして見えた。あれからずいぶん時が流れたけれど。9月の山中湖で過ごした夏合宿の思い出は、今となっては俺の胸の中にひそかにしまいこんだ、大切な宝物だったりする。
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2003年09月11日(木) ■ |
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Vol.369 食欲vs睡眠欲 |
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おはようございます。りょうちんです。
質問です。あなたはおなかがすいています。もう相当にぺこぺこで、今にも空腹のために倒れてしまいそうです。しかし、それと同時にものすごい睡魔が襲ってきました。1秒でも早く眠りにつかないと、気が狂いそうなくらい眠くてたまりません。さて、あなたはまず、何かを食べますか? それとも、眠りますか? 俺の場合。100%眠る方を選んじゃうと思うんだよね。食べることも眠ることも大好きな俺だけど、そんな究極の選択を迫られたら、やっぱりまずは眠っとこうと思っちゃう。俺って今までにも、空腹過ぎて夜中に目が覚めちゃったなんてことは一度もないし、寝起きってイマイチ食欲がなかったりしちゃうからね。とりあえず寝て起きれば、おなかがすいていたことさえ忘れちゃってたりもするんだな。まぁ食事が出されりゃ、寝起きでもガッツリ食っちゃうんだけどさ。 確かに過去にも、そういう事態が俺の身に起こったことが何度もあったんだけど。そのすべてが眠る方を優先してきた気がするわけで。そういやチビッコだった頃、食事中に眠っちゃって、イスから転げ落ちたなんて話を親から聞かされたことがあるよ。昔から俺の中では、食欲vs睡眠欲の戦いは、常に睡眠欲の勝利に決着がついているみたい。 ホントは規則正しい生活をして、毎日決まった時間に食事をして決まった時間に眠りにつけば、こんな究極の選択なんて考えられないんだろうけどね。不規則極まりない俺の生活パターンじゃ、良くある話だったりもするんだな。健康に良くないってコトは、百も承知なんだけどね。 さぁ。あなたの中では、食欲vs睡眠欲、どっちが勝ちますか?
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2003年09月10日(水) ■ |
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Vol.368 ばいばい、じょーじくん |
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おはようございます。りょうちんです。
火曜日の早朝、俺の大切な友達だったじょーじくんが天国に旅立っていきました。 前回のひとりごとで、俺はじょーじくんへの最後の想いを記しました。じょーじくんに、この想いは伝わったのでしょうか。ケージの中で丸くうずくまるじょーじくんは、ひとりごとをUPしたあともずっと俺のことを見つめていました。やがて、荒かった呼吸も次第に弱くなっていき、オレンジ色の朝日が部屋に差し込む頃、俺だけがそっと見守る中で静かに静かに息を引き取りました。俺は、涙が止まりませんでした。さよならをする覚悟は、結局時間切れに終わりました。ひとり取り残されてしまった俺は、ただ泣くことしかできませんでした。 横たわるじょーじくんを両手で抱き上げ、空き箱で代用した棺の中にそっとを入れてあげました。棺の中には、じょーじくんの大好きだったひまわりの種とキャベツを一緒に入れました。食いしん坊だったじょーじくんへの、最後のプレゼントのつもりでした。じょーじくんのカラダはだんだん冷たくなっていくのに、まだふわふわしててやわらかくって、もしかしたらぐっすり眠っているだけなんじゃないかと錯覚してしまいそうでした。 仕事が終わったあと、俺は実家へ向かいました。実家の庭の片隅に、じょーじくんを埋葬してあげようと思いました。9月になっても満開に咲いている白いおしろいばなの脇に、スコップで穴を掘りました。そして最後に、じょーじくんへのお別れのコトバを伝えました。お前のことはずっと忘れないからな。お前は俺の最高の友達だからな。じょーじくんを土に返したあとも、俺はずっとその場から離れられずに泣いていました。 帰り道、東の空に昇ってきたばかりの大きくてまん丸な月が見えました。じょーじくんと同じ色で輝いていました。俺はじょーじくんが空から見ているんだというような気がして、やっとのことでさよならをする覚悟ができたように思いました。 じゃあね。ばいばい、じょーじくん。
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2003年09月08日(月) ■ |
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Vol.367 さよならをする覚悟 |
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おはようございます。りょうちんです。
ずっといつまでも、こんなふうにお前と一緒に暮らしていける日々が永遠に続くとは、思っていなかったよ。知っていたんだ、本当は。いつかはさよならをしなくちゃいけない日がやってくることを。それが、遥かかなたの先のことじゃなくて、そう遠くはない近い未来にやってきてしまうだろうということも。でも、そんなことを考えるのが、イヤで、悲しくて。現実から目をそらして、もしかしたら逃げていたのかもしれないな。 お前の異変に気がついた時、それでも俺はどうしてやればいいのかさえわからなくてさ。いくら寿命だとはいっても、お前は乱れた呼吸で辛そうにしているのに、俺はただただ、ケージの外から弱りきったお前を見ているしかできなかったんだ。今だってふらふらになりながらも必死に歩こうとするお前の姿を見ていると、何にもできない自分に腹が立って、もどかしい気持ちでいっぱいなのに。声をかけるといつもと同じつぶらな瞳で俺を見上げてくれるから、余計に胸が痛くなっちゃうよ。 お前は、俺と一緒に暮らすことができて、幸せだった? ケージの中に閉じ込められたタイクツな毎日。固形フードとくず野菜ばかりの変わり映えのないえさ。暑さも寒さも厳しい俺の部屋。けして恵まれた環境とはいえないけれど、それでも幸せだったのかな? 俺はお前に何もしてあげられなかったけれど、お前はいつだって俺のココロを癒してくれていたんだ。やんちゃでいたずらばかりやらかしてたけど、そこがまたかわいくってさ。本当に本当に、大好きなんだ。もう俺の腕や肩を元気に走ることはできないと思うけど、お前と一緒の時間を過ごせたことに感謝をしているよ。 俺は明日も仕事が早いけど、今夜はこのままもう少しお前のことを見ているよ。涙でお前のかわいい顔が霞んでしまうかもしれないけれど、お前のことをこの目に焼きつけておきたいんだ。だって、さよならをしなくちゃいけない時間は確実に近づいているのに、さよならをする覚悟は俺にはまだできていないからね。
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2003年09月07日(日) ■ |
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Vol.366 UNDER25 |
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おはようございます。りょうちんです。
久々にライブに行ってきた。今回のライブ、代々木第一体育館など3つの会場で開催された「UNDER25」というイベントで、複数のバンドが合同で出演するもの。俺のお気に入りのバンドが、いくつか登場してくれるのだ。まさにおいしいとこばかりを集めた、幕の内弁当みたいなもんか。 さて会場に入り、さっそくアリーナ席を陣取る。満員電車も越えるくらいの人ごみの中、いよいよライブスタート。オープニングはいきなりB-DASH。俺の大好きな「平和島」からはじまり、会場のボルテージはしょっぱなから最高潮に。こぶしを突き上げ、大声で叫び、ジャンプの嵐。それにしてもすごすぎる。予想を遥かに超えるハイテンションの集団。激しい縦ノリが続き、どういうわけか人の頭の上を人が担がれ流されていく。それほどまでに、収拾がつかなくなるほどヒートアップした俺たち。半分暴徒化したオーディエンスに、セキュリティーの人も大変そう。 途中、へっぽこバンドも登場したりしたけど。CHARCOAL FILTER、SHAKALABBITS、氣志團など、俺にしてみればよだれが止まらないバンドばかりがめじろ押しで目の前に現れる。そして最後にやってきたのが、待ってましたぜ175R。いつのまにかほぼ最前列にまで移動してしまった俺は、かぶりつきで175Rからパワーをもらう。締めに歌ってくれた「ハッピーライフ」。俺も出せる限りの声で一緒に歌った。 GONGONはカッコイイし、UKIちゃんはキュートだし、綾小路さんはMCおもしろいし、SHOGOくんはやっぱかわいいし。もう最高のバンドが次々と入れ替わり、気がつけば約8時間にも及ぶライブはテンションが一度も下がらないまま幕を閉じた。 今までいくつものライブを体験してきたけれど。こんなに長時間、歌いっぱなし叫びっぱなしテンション上がりっぱなしだったライブは、これが初めてかも。気がつけば、シャツもパンツさえも汗でびしょぬれ。かなりハードだったけど、すげー楽しかった。やっぱ、ライブ最高! それにしても。もうちょっと俺の背が高かったら、もっと良く見えたのになぁ。
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2003年09月05日(金) ■ |
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Vol.365 キャベツの切れ端 |
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おはようございます。りょうちんです。
じょーじくんのえさを買おうと、スーパーの野菜売場に行って俺は驚いた。た、高い! にんじんもきゅうりもほうれん草も、どれもこれも高いのだ。1ヶ月ほど前にはかなりお手頃価格だった野菜の価格が、あっという間に急上昇してしまった。雨ばかりが続き日照時間が極端に少なかった今年の夏、冷夏の影響がこんなところにもあらわれていた。 それでもじょーじくんのえさを手に入れなければならない俺は、何度も野菜が並べられているケースの前を往復しながら考えていた。1本68円のきゅうり、前は29円で売ってた時もあったっけ。倍以上のお金を出して買う気にはなれないし。かぼちゃはそこそこお買い得なんだけど、4分の1カットされてるものは売りきれてるし。そんなことを考えつつ、俺は野菜に掲げられた値段表をずっとにらんでいた。 その時ふと、俺の目に入ってきたもの。158円で売られているキャベツの横に、キャベツのいちばん外側の皮の切れ端が無数に捨てられているダンボール。これだ。これでいい。というか、じょーじくんのえさにはこれがいい。そう思うやいなや、ビニール袋を拝借してキャベツの皮の切れ端を詰め込み出した。ちょっと恥ずかしかったけれど、こうなりゃ恥もくそもへったくれもない。鮮度の良さそうなところだけを数枚ピックアップして、すばやく袋にしまいこんだ。 キャベツは1玉158円だけど、この切れ端はもちろんタダだよな。そう思いながらレジへと向かう。とりあえずレジ係のおばさまに事情を説明して、このキャベツの切れ端をいただけるかどうかを聞いてみた。するとおばさま、「どうぞ〜♪」と明るい返事。ふー、よかった。これでじょーじくんのえさは0円で手に入れることができた。恥ずかしいのは一瞬だけ。手に入っちゃえば、もうこっちのもんだしね。これで当分は、じょーじくんのえさを確保できたみたいです。
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2003年08月31日(日) ■ |
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Vol.364 夏休みの宿題 |
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おはようございます。りょうちんです。
高校生までの俺は、8月31日という日が大嫌いだった。長かった夏休みが今日で終わり明日から新学期が始まるんだと思うだけで、テンションは一気に下がり気分はひたすらブルーだった。別に学校が嫌いなわけじゃなかったのに、あまりにも自由に使えた毎日がこの日で終わってしまうことに、胸が切なくなった。そしてそれに追い討ちをかけるのが、手付かずのまま残ってしまった夏休みの宿題。たくさんの夏の思い出と引き換えに、山のような宿題が毎年置き去りにされるのだ。 少しでも宿題に手をつけなければと思うのに、それでも31日はいつも通り朝から遊びに行ってしまい、夢中になって遊んでいる最中はそんな宿題がたらふく残っていることさえ忘れてしまっていた。夕方になって帰ってきて、夕食が済んだあとあたりで初めてコトの重大さに青くなった。もうどんなにがんばってもひとりじゃこの宿題は片付けられない。親に怒られ泣きながら、そしてやっと溜まってしまった宿題に手をつけるのだった。すっかり忘れかけた絵日記を思い出しながら描き、読んでもいない本の読書感想文を書き、漢字と計算のドリルを片っ端からなぞり、工作とポスターはほとんど親に任せて。なんとか深夜には見通しがついたものだ。 しかし、毎年それが俺の身にやってきた。ちょっとくらいは成長しろよ、とも思うのだが。毎年毎年、同じパターンは繰り返された。さすがに高校生にもなれば、親に怒られ泣きながらということはなかったが、新学期早々友達に宿題のノートをあわてて写させてもらったりとか、結構ずるい手段は使っていた。まぁ、今となってはどれもこれも懐かしい思い出に変わってしまったけど。 うちの店の高校生バイトくんも、明日から新学期。あの頃の俺と同じように、宿題はまったくやっていないらしい。バイト中もため息ばかりついていた彼に、「なんとかなるもんだよ!」と言ってあげたが、今夜は相当の苦労を覚悟しなきゃだね。 みなさん、夏休みの宿題はちゃんと終わりましたか?
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2003年08月30日(土) ■ |
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Vol.363 年齢不詳 |
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おはようございます。りょうちんです。
いつも店に荷物を運んでくれる業者のお兄さん。短髪ワイルド系でちょっと強面だが、話すととても気さくでノリもバツグン。結構前からうちの店を担当してくれてるんだけど、何回も顔を合わせているうちにかなり仲が良くなった。今日も店に来たまま、長い間話し込んでしまったんだけど。 彼との話の中で、ひょんなことから年齢の話になった。他の店で彼は、40歳に見られてしまったらしい。「40はひどいだろ?」なんて言いながら、「じゃあ、いくつだと思う?」と聞いてきた。前々から俺も、この人いくつだろうとは思ってたけれど、さすがに40はいってないと思う。せいぜい30代半ばだろう。「34くらいっすか?」、俺の率直な予測を言ってみた。「やっぱそう見える? 俺、26なんだよね…」と、ちょっとだけ悲しそうな彼。 ええー? 26っすか? 俺よか5つも下だったの? 絶対年上だと思ってたし。っていうか、いかついルックスだからか、それとも強面の風貌だからか、かなり威厳というか貫禄がおありですこと。 彼は最初、驚きを隠せない俺を見て笑っていたが、「実は俺、31っすよ!」という俺の告白に、彼も俺と同じくらい驚いていた。どうやら、俺のことを同い年くらいだと思っていたらしい。「老け込む時は一気に老け込むからさ、若く見られてる人がうらやましいよ〜」、という彼のコトバは説得力があったけど。やっぱ人は見た目だけじゃわからないもんだよなぁ、と実感してしまった。お互いの歳も判明しことだし、お兄さん、約束通り今度飲みに行きましょうぜ。 お兄さんが帰ったあと、「それにしても26には見えなかったよなぁ」とバイトくんに話しかけたのだが。「りょうちんさんだって充分年齢不詳ですよ!」、と突っ込まれてしまった。そんなバイトくんの返事に、俺はそれ以上返すコトバを見失ってしまった。
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2003年08月29日(金) ■ |
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Vol.362 その日に限って |
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おはようございます。りょうちんです。
仕事柄、俺は週末に休みを取ることがちょっと難しかったりする。それでも友達には、「何かあれば早めに言ってね、早ければなんとかできると思うから…」といつも言っている。早めにスケジュール調整をすれば、毎週は無理でも、月に1〜2回程度ならば特別何かない限りは週末だって休めるくらいの融通は利くのだ。 9月某日。相方とライブに行く約束をした。「週末だけど仕事休んじゃうよ〜」なんて、梅雨が明ける前からチケットの予約をして楽しみにしていた。ところが。その日に限って、俺の元にいろんなお誘いが舞いこんできた。そしてそのどれもが、楽しそうなことだったり大事なことだったりで、その対応にてんてこまいだったりする。 まず、オフ会のお誘いがあった。夏の終わりに今年の夏の思い出をみんなで振り返ろうみたいな企画で、すげー楽しそうなのだが。でも、オフ会ならば2次会や3次会があるはず。幸いライブ会場とオフ会の会場は近そうだし、それならば1次会は無理でもライブが終わったあとでみなさんと合流することにしよう。 そして、大学の友達からの旅行のお誘い。MちゃんやK子がそろそろ子作り宣言をしたので、彼女たちがママになる前にみんなで旅行に行くことになったらしい。しかしこれは、俺の独断で日程の変更をしてもらうことに。 次に高校野球。これはうっかり俺が忘れていた。そうだ、この日。秋季大会が開催されるんだったっけ。俺の応援する母校にも、戦いが待っている。でも、もうこれはどうしようもない。雨が降って順延になってくれるのを祈るのみ。 そんな折、俺の休みが確定している週末に、休みが欲しいというパートさんが現れた。旅行に行くらしい。え〜? 俺、前から休みますって言ってたじゃないっすか〜。もう、仕事の方は無理にでも休んじゃうもんね。今のところ、ライブに行ったあと、オフ会に合流する予定でいる。雨が降って野球が順延になれば、もう文句はない。それにしても。なんで予定って、重なっちゃうもんなんだろね。
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2003年08月26日(火) ■ |
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Vol.361 母の手術 |
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おはようございます。りょうちんです。
実はあえて公表はしてなかったんだけど。母の病状が、あんまりよろしくない。長い入院生活から先月やっと抜け出せたと思ったのもつかの間、たった10日間病院から解放されただけで、母は再び入院をしている。再入院を始めてからすでに1ヶ月近くもたつのだが、相変わらずタイクツな生活をもてあましているようだ。 そして明日、母は手術をする。手術といっても、2時間もあれば終わってしまう簡単なものらしいのだが。それでも担当の先生から母の手術に関する話をいろいろと聞いているうちに、なんだかやっぱり神妙な気持ちになってしまった。 しかし、手術を受ける当の本人は案外けろっとしているもので、むしろどんなことが自分のカラダに起こるのかを楽しみにさえしているようだ。検査がある時も喜んで行ってしまうくらいの母だから、多少の痛みは覚悟の上で、手術も自分の身に起こるおもしろいイベントとして考えているのかもしれない。考えてみれば、俺を産んだ時も母は帝王切開だったし、4回もの出産を経験している母は、「我が子を産む痛みに比べれば、明日の手術なんて楽勝だよ!」と笑っていた。どこまでが本心でどこからが強がりなのか、母のコトバからではわからなかったけど。久しぶりに母の強さを垣間見れた気がした。 手術の結果が良好であれば、上手くすれば1週間か10日後くらいには退院できるそうだ。10月になったら、久しぶりに家族旅行に行こうなんて弟も計画している。今年の夏はすっかり病院で過ごしてしまった母に、どこに行きたいのか聞いてみたところ、母は「海があるところがいいな…」と答えた。そうか、海。すっかりひざしも翳って、涼しくなった秋の海も良いかもしれない。そんな母の願いが叶うように、明日の手術、がんばらなくちゃね。
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