のんべんだらりら


2002年05月06日(月)  

泣かないのが目標だった。

上を向けば涙はこぼれないかもしれないけれど、みんなの顔を見ると泣いてしまいそうだった。
泣く理由なんて、ない。
そう思われてたらいやだったから、黙って下を向いてみんなの輪から離れてひとりでいた。

だけど。
ふいに肩をポンと叩かれて、いつもの調子で「doだった?」なんて言われたらさ。
黒板の、数字にしてほしくない数を見てから言われたらさ。
あたしの脆い意思なんて、すぐ崩れてしまうんだ。

声を出すと、一緒に涙まで出そうだったから、首だけ振った。
髪、長くてよかった。顔が隠れてバレないだろう。

…と、思っていたのに。
平気かな、と思って「ダメダメだよ」なんて言おうと口を開いたら。
かわりに目から水がどばどば流れてきて。
まわりのみんながあたしを抱きしめて。
せめて泣いても声を出さないようにと思ったのに、気付くと大泣きしてて。
止まらなくて。



期待に満ちて入部したあの日。
まさか3年の、最大にして目標のインハイ競射。
やっぱり3年生は、2年生よりずっとカッコよくって。

だからこそ。
40射奉納出すなんて、思いもしなかった。


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