カンラン
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2002年04月09日(火) 「子供がうまれました。」(抜粋)

私じゃないんですけど・・・。
私がうまれた頃のはなし。


小さい頃のエスは,今のエスの素というかミクロ版だったわけで,
それはそれらしく自分の世界で生きてました。

弟は子供らしい好奇心旺盛の子で,
両親の話す‘おとなのはなし’に首を突っ込んでは,
「子供は聞かんでええの!」とよく怒られてた。

そんな痛々しい彼の姿を見て
(彼自身は大して気にかけることなく,何度も何度も同じように怒られていたけれど。),
きっと自分の世界をますます確立してしまったのかなぁと思います。


そんなエスは,‘誰にも言わないけど密かにご機嫌を損ねている。’状態が多々ありました。

中でもいまだによく覚えている事件。
(※事件と言っても,実際には何も起きてません。)




いとこのお兄ちゃんのおさがりのポロシャツを着て,おさるばりのベリー・ショート。
これがエス。
近所のお姫みたいな女の子に憧れてた。

ちなみに弟は色白でかわいい。

ある時ひょんなことから初めて耳にした「星座」ということば。
なんでも,持ってない人はいない,って言う。
じゃあ私はなんだろうかときいてみた。

それに対するお母さんのこたえ。
「エスはしし座。アール(弟)はおとめ座。」

ひどい。
押入れの前でひとり泣きました。
やっぱりお母さんは,私を男にしたかったんだ。
ししなんて,ものすごい男じゃないか。
そんな妄想はとめどなく頭の中で溢れ返りました。
ここだけのはなし,当時のありったけの気持ちで憎んだような気がします。

なんでかというと,私の頭の中では・・・

眼鏡をかけた知らないおじさん(今思うと,きっと役場の窓口でしょう。)の前で,
お母さんが,

「子供がうまれました。しし座でおねがいします。
と言ってる。

弟がうまれたら,
「子供がうまれました。それでは今度はおとめ座で。」


我ながらものすごい被害妄想です。

星座が親の独断と偏見によってではなく,
誕生日によって決まるということをその後知ったのですが,
なにぶん誰に話すでもなく自分の中で勝手に腹を立てていたので,
「なーんだ。そうだったんかぁ。」とひとり納得して終ったわけです。


別に隠していたわけじゃないけど,
先日このことを家族に話したら
みんな涙を流していた。

・・・みんな笑いすぎ。


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