きまぐれ日記
せいあ



 私の父は広島出身です。

正確に言うと祖母は引き揚げ者で、父はその後、生まれたらしいので被爆には関連がないのですが、伯母が体内被曝をして手帳を持っています。
ちゃんと黙祷を捧げていたのは、朝きちんと起きていた小学生の頃だけでしたが(今日も爆睡してました……)、それでも、この時期、どうしても原爆に関するドキュメンタリーには無関心ではいられません。

そして思うこと。
人間がどれだけ残酷になれるかと言うこと。
戦争が人間をどれだけ壊してしまうかと言うこと。
……語弊を承知で言います。
日本だって、被害者なのだと。

戦争です。
一人殺した、二人殺したのレベルではありません。
だから、どっちが悪い、どっちがよりたくさん殺したなんてことを言うつもりはありません。

ただ。
ただ、私が生まれる何十年も前にこれだけの悲劇が起きているのに。
そのことを、今の大人は知っているはずなのに(私も大人ですが)
それでも世界のどこかで争いは続けられていて。

やるせない気持ちでいっぱいになります。
小さな子が何百人も死んだのだと聞かされる度に。
今も何百人もの小さな子が死んでいるのだと思う度に。
人間は、争いを止めることが出来ない生き物なのかと。

原爆を落とされた後、復興のために、原爆を落とした国の人間に支援を求めなければならなかった、その人々はどんな思いで支援者を迎えたのでしょうか。
自分の国を壊した人間に、直してくれと頼んだ人は。

日本は、国旗の掲揚や国歌の斉唱を義務づける前に、他に義務づけることがあるのではないかと思います。
子供達に、原爆の悲劇を教えること。通ってきた道を示すこと。
今の修学旅行では、原爆記念館を外す学校が増えているのだそうです。
広島と長崎、どちらに先に原爆が落とされたのかさえ知らない高校生も増えているのだそうです。

国旗の掲揚を義務づける前に。
そうやって愛国心を植え付けた末、日本が辿った道を教えることこそが。
今、日本がやらなければならないことなのではないでしょうか。

毎年、毎年。
この時期になると、感傷的になってしまうのです。

2004年08月06日(金)
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