佐々木咲 |
ボニクラ |
観た〜!!! 久しぶりに、観て心が動く舞台だった…。最近観た宝塚も良かったのだけれどやっぱ惰性だったんだよなって認めざるを得ない結果に。 外部の舞台って全然馴染みがないからもっとアウェーを感じるかと思いきや、そうでもなかった。喋ってたメインの女性が全員宝塚出身でしかも知ってる人だったせいはありそう。 当たり前だけど全員上手かった。ちゃんと芝居が上手い人の歌で、声量もあって、得意な音階だけ上手いんじゃなくて全部が心地よいやつ。 くらっちが上手かった。良すぎた。全ての出演者の中で一番上手いのがくらっちだったまである…。そりゃトップになれないわけよ…。こういう役でこの人上手いなって思わせる、それ自体がとても次元の高い話だよね。 でもね、この私がこう思ったの。トップ娘役を3年とかやるよりもこの公演をやる方が絶対いい。こんな大仕事出来る人が、トップ娘役なんてやらなくてもいいのよ別に…自分の中で価値観が崩壊している…。 うみちゃんについては、トップ娘役をやったから主演の仕事が回ってくるんだろうなって思うからまぁキャリアとしては有用なのかな。 うみちゃんが男性と絡んでいるのってすごい違和感あるんだろうなって覚悟して行ったけど、全然なかった…!カッキーさんで観て、むしろ体格差は合ってたし、役を通しての張り合い方も凄いバランス取れてて合ってた。 外部のファンからは、今回のうみちゃんは声量があるって褒められてるらしい。その点がカッキーさんと合ってると。確かに、手加減無しの上手い男性に負けてなかったという、こんなうみちゃんは当然だけど初めて観た。凄い事なんだね。 ずっと歌うまの相手役はしてきたからね…。あと相手役に合わせるという能力においては、たぶん現世生きてる人間に右に出るものはいないはずだからな。外部でそれがいいことかどうかは別にして。 観劇後にプログラムを読んで知ったのだけれど、うみちゃんのボニーは「キラキラした少女の中にある狂気」を持ってるらしくて。 それうみちゃんがずっとやってきたことやん。愛される女性がふっと人の倫を逸れて破滅に向かうの。ずっとまっすぐな役よりも多かったであろうその姿。 役作りを犯罪者としてじゃなくそういうところに落ち着かせるの、娘役以外の役にもそのセンス発揮してるんだな。凄いな。今日ずっと凄いしか言ってない。 この公演は、なんとかコーディネーターっていう性的な表現を役者にやらせることを監修するプロの人がついている。 ボニー役が元アイドルと辞めたての元宝塚でたぶん性的な主張は求められていない人たちだし、何より観客がほぼ全員女性なわけだから、そういう監修がされてるっていう前評判がもう大切なんだろうな。センシティブだ。 それがどういう意味なのかなって考えながら観たけど、ボニーがネグリジェを着てる時間がちょっとあるぐらいで、ベッドやお風呂の場面も絡みは無くてまったく健全。 ボニーがクライドに拳銃を差し入れする場面で身体検査されるのも、いやらしさをまったく消していた。それがボニー本人にしれっと一言「お楽しみなの?」って言わせるだけで表現していたので、上手い…。 この場面、こないだの雪組版はがっつりいやらしくやってたんだよね…。あれいらなかったってことだね……!!あれはあれで、ボニーも世間で蔑まれてるんだなとかクライドの女が辱めを受けてるっていうクライドへの同情は感じたけどでもいらんかったあれ。 ↑一緒に観た母が「この作品に監修がいるなら、ダルレークの方がいるやろ」って言っててその通り過ぎて笑った。あの円形ベッドを全国ツアーでやろうとしてたからな。 なんかもう語彙はなくなり、単純におもしろかった。観てよかった。観て高まった。 舞台とか演劇とかライブって、これがいいところなんだろうなー。外部の舞台ももっと観たいな。高いんだよな外部。あとチケットの取り方がわからないよね(宝塚が一般人からよく言われるやつ)。 観た日が、夜にカッキーさんのファンミがあるという日程で東京から来た客が多かったらしい。宝塚でもあるやつ。 アドリブで客席が湧く場面が数回あって、あっこれってアドリブなんだな〜こういうのが今日の客へのサービスなんだな〜っていう内輪ノリを分析する感じも宝塚と同じだった。他所の組を観る時に味わうやつ。同じなんだね。 終演後も、カテコ?一回目が終わったら客席がすぐ立つの。これは宝塚と同じく東京の人はすぐ立つ現象なのか、外部は一回で立つのが流儀なのかどちらだろう。 劇場が配布してるチラシにカッキーさんだけFC案内が入っていたからこの人がこの公演のメインなんだなと認識してたんだけど、カテコ?(カテコの定義がよくわかっていません)では常にうみちゃんとニコイチでやってたので、カッキーさんがヒロインを丁寧に扱ってくれる人物なのか演出上そう決まっているのか知らんけどありがたかった。すぐ添え物扱いされていないかチェックをする宝塚娘役オタクなので。 蛇足パート。 くらっちは、退団後にインスタを始めた時に界隈でちょっと変わってる人扱いされてて。別に変人だとかではなく、優等生とか出世できる娘役じゃなかったよなみたいな。枠には収まっていなかったことがはっきりしたような。 で、私はフォローしていなくて、公演始まってうみちゃんがメンションするようになってから時々見る程度だったのだけれど、うみちゃんのことを「うみ」って呼び捨てにしていたのよね。 えっこっちは一年上で…元トップなんですけど…退団後はタメ口になる現象は確かに他の人でたまに見かけるけれどそれは付き合いが長いせいであって、この二人は在団中に絡みが一切無いし同郷でもないし…一年違いだから接点はあったのかもしれないけど…。 って引っかかるものがあったのだけれど、公演を観たらくらっちが上手すぎてそういうのもうどうでもよくなった。ありがとう。 森ノ宮ピロティホールに初めて行った。 外観からして、たぶんもともと公共のホールだったのかなという作りで。一階に展示室と書いてあったり、入口にはバス停か駐輪場だったような形跡があったり。 中は普通の劇場のようだけれど、お手洗いが狭いし個数も潤沢ではなく並ぶスペースもなくてちょっと厳しい環境。 その代わりと言っていいのかわからんけど、トイレ並び列の整備がすっごい厳格。もはや厳格。客をスムーズに流すというよりは運営が完全に主導権を握っている。「一列で並んでください」「二列になってください」の呼びかけにものすごい圧がある。 トイレの中に対しても「お待ちの方がたくさんおられます。速やかに退室してください。後方にお並びの方は開演に間に合わない可能性があります」って脅してくる。 その厳格さと圧によって、不快感を通り越して言ってることに集中させる力があった。すごい信頼できる。災害時の非難指示とか日本中でこの人たちにやって欲しいレベル。そういう訓練を受けたオペレーター集団なのかもしれない。 幕間休憩中、列が伸びて少し時間が経過してから、途中から20名ずつ一階のトイレに案内し始めた。ここから20名を今から一階にご案内します。階段なのでそれでも問題ない人だけ来てくださいと。 一階がもう降りる階段の時点で狭くて、降りる人に再入場用の券を渡していたから劇場の外にあたるのだろう。役所みたいな簡素な内装の狭い通路を一列で通っていくのだけれど、なぜか走らされる。狭いからトイレはそんなに遠くないのに。ほぼ避難訓練だった。 トイレも激せま。でも案内する人はちゃんといる。終わった人から速やかに帰れと。 私が帰る時のオペレーションは「走らないでください。時間間に合います」だったのに、母が出た時には「走って下さい。間に合わなくなります」だったらしく。 簡素過ぎる通路で、一度しか通っていないから道に覚えもなく、前を行く人もいなくてさらに焦らされてすごい不安になったらしく、あれトラウマになったわって後で言ってた。笑い話だけど。 トラウマさえ植え付けるトイレ列オペレーションが体験できます。嫌味じゃなくてすごい体験したなと私は思ってる。 行ってよかった。うみちゃんに拍手できることは素晴らしい。 |
2025年04月30日(水) |
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