lucky seventh
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2002年10月22日(火) なかない子供





きらきらと太陽が普遍的にまたのぼる。
私たちは目を閉じて、誓った。





なかない子供





夜が明けようとしていた。
長い 長い 夜が、
うっすらと太陽が海を照らしていた。
燃えつきるの炎のように、
頼りない陽炎のように、

私たちはだんがいの上で、それを見ていた。


「生きなよ」

ふいに傍らにいる君は言ったから、
ゆっくりとした動作で、君を見た。

「お前は生きな」

ふわりと穏やかに笑って、
君は死刑宣告をする。

「君ってば酷いヤツだよねぇ」

そんなこと言いたいわけじゃないのだけれど、
どこかで君とのいつもを求めているから、

「ほんとに酷いヤツだよねぇ」

いつものように返した。
君は苦笑する。

(あぁ、その笑い方だ)

いちばん好きな君の表情。
好きな人の困った笑顔が好きだなんて、

(あんたって悪趣味ぃ〜♪)

もういない親友の言葉が聞こえて、

(悪趣味で悪かったわね)

あの日と同じに、
こっそり心の中で毒づいて、
いまココにいる君を見て、私は笑いながら言う。

「ねぇ、大好きだよ」

君も笑いながら言う。

「知ってるよ」

見つめあって、


「「またね」」



次のしゅんかん、君の姿だけがかき消え、
私はひとりで断崖に立ち尽くしていた。


「またね」



からっぽの少女がただひとり
顔を歪めながら、消えた世界を見つめ続けていた。




ナナナ

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