![]() |
霊を送りに。 - 2004年08月18日(水) とても幅広い臨海道路を左に折れると すぐそこには 海があった。 小さな波止場があり その狭さとは対照的に 似つかわしく無いほどの人の姿。 それは 小さな子供をつれた若い家族連れや 腰のまがった老人が 家族につれられて訪れてた。 そして 私達もそのひとりだった。 波止場の先端は 香の煙りでにじんでいた。 線香の束に火をつけて そこに置き 手をあわせる。 家からもって来たお供物を 勢い良く海に投げ入れると そっと手を合わせて目を瞑る。 袋に入れられたお供えものの果物や菓子類は 波に押されて海に漂って流れゆく。 そして 静かに沈んでいった。 義母はずっと昔から 毎年かかすことなく 8月15日には 此処にきて 海にお供物を投げ入れて 手をあわせる。 それは 毎年お決まりの行事をこなすようにはみえず 先になくなった 義母の父や母の好きだったものを 彼等のもとへ届くようにと そんな風に感じる。 きっちりと ひとつひとつの所作を 丁寧にこなす姿をみると そこに ずっと昔になくなった父への思い 母への思いが とても強く伝わって来て 何だか 淋しい気分になった。 都会に住み 御盆休みは海外旅行へ行く為のもの と 最近では あまり御盆の行事を大切にされない。 それはそれでよいのだけれど 義母がそれを大切に思うのだから私も それを大切にしてゆかねばならないなと 感じた。 海に投げ入れられたお供物が 大切だった人たちの元へと 届くかどうかは 私にはわからないけれど 好物だった食べ物を届けてあげたいという気持だけは 伝わるんじゃ無いかなと 信じていたりする。 ...
|
![]() |
![]() |