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消えた猫と波の音とそのほかのこと。 - 2004年09月24日(金) 眠れない夜から逃げ出す為に ベランダで しばらく夜の空を眺めていた。 まだ 夜風が体に障る寒さでもない。 風も無く静かな夜だった。 最近 街から猫が消えた。 街に出ると 必ず3匹の猫には出会えていたのに 今では 出会える事が珍しい。 毎日 同じ時刻に出会える事が大切だと きつねが言ってたから私は いつも同じ頃を見計らって ある特別な場所にマタタビを置いてた。 いつか あの縞猫と友達になれるかもしれないと 思っていた。 だけど最近 縞猫は姿をみせず 特別な場所には マタタビだけが増えて行くだけだった。 昨日 偶然であった黒猫に話を聞こうとしたら 私の姿を見て 一目散に逃げ出した。 こんなに用心深い猫達でなかったのに。 私がヨーロッパに出かけていた間に 何かが変わってしまったようだった。 今度 秋の海のホテルへ出かける。 例の波打ち際に建つホテルでは またきっと 波が激しく岩にぶつかる音をたてて コールタールのような漆喰の海が私の意識を 呑み込んでしまうのだろう。 同じリズムで繰り返される波の音に目を閉じれば 心の奥底の恐怖とともに 何か その中にある小さな手がかりのようなものが 見えてくるかもしれない。 寄り添う言葉は 意識の相似を意味するのでは無いと思う。 きっと誤解している。 いや 誤解しようとしているのだろう。 曼珠沙華によせて。 ...
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