Daily Notes

2008年06月17日(火) バスの風景

今日、駅前のロータリーから始発のバスに乗ったら、小さな(4、5歳くらい)男の子が一人で乗ってきた。運転手さんが、「ぼく、一人なの?どこまで乗るの」と聞くと、「えーっとね、しやくしょまえ」と思いのほかきちんと答えたから、運転手さんはそのままバスを発車させた。だけどその子はひどく落ち着きがなくて、走ってるバスの車内をばたばたと走り回る。運転手さんが怒って、ちゃんと座ってなさいと注意しても、「だってぼく、いそがしいから」とかわかんないことを言って、ちっとも座ろうとしない。
本当に大丈夫かいな、と思っていたら、彼は発車してすぐ次の停留所で停車ボタンをぴんぽん、と押した。バスが止まるとそのまま飛び出して行きそうになったので、運転手さんが彼の細い腕をとっ捕まえて、「こら、お金持ってないの?ちょっと待ちなさい」と強い口調で言うのだけど、彼はそれを振り切って結局無賃乗車で駆け下りて行った。
私を含め、4人くらい乗っていた大人たちは皆ぽかんとしていた。でも運転手さんはもう何事もなかったかのように普通にバスを発車させた。走っていく小さな男の子が窓から見えたけど、彼はものすごいスピードでバスと同じ進行方向へ駆けていった。彼はどこへ行くんだろう。一人で何をしているのだろう。また他のバスに乗っちゃうのかな。家は市役所前なんだろうか。親はどうしたんだろう。駅ではぐれたんじゃないのか……いろいろ考えたけど、彼がどうなったかはわからない。


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