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■ 己はいずれ死に行くのだから。9.11雑感
いつの日かの、ために
さして中身もない日記になるだろうが、
やはり記しておこうと思う。
あの日
私はパソコンで遊んでいた。
設計士と 恋に落ちる寸前で、
かなり良い具合に 彼に口説かれていた。
そんな 浮かれた時期であった。
深夜に差し掛かる少し前の時間だったと思う。
ニューヨークの紺碧の空に
緩やかな角度をもった旅客機が ビルに吸い込まれ
瞬間 オレンジの炎を噴いた。
それを繰り返し TVで眺めた。
とても嫌な感覚が 己を貫いた。
それは簡単に言ってしまえば 不安 だったと思う。
「ボストン発の？アメリカンエアライン？767ボーイング？
同じエアラインで 同じルートじゃないの・・・・・・・・。」
その人故に、
それから続く一時間あまりの
その 有り得ないほど出来すぎた、映画のような惨状は
とても人事には思えなかった。
学校では
集会が持たれ祈りが捧げられたという。
スクールメイトの中には、
トレーディングセンターで父を亡くした人もいたという。
あれから三年。
言わずと知れた こんにちの事態は
恐怖と混迷そのものである。
何が真実で 誰が黒幕で 裏で誰が誰に糸を引いていて
これらの総体は どこに向かい
いつどんなきっかけで 終結するのか。
また しないのか。
あれから成田では
時に出国ロビーにまで シェパードが巡回し
アメリカ行きのバゲージには 鍵がかけられなくなり
アメリカでは 靴を脱いで搭乗ゲートをくぐらなければならなくなり
入国の外国人全員に 指紋と瞳の生体データ採取されるようになった。
そのお陰なのか
未然に防いだアメリカ国内の空港テロは 200件以上にのぼるという。
気がつけば
アメリカのもっとも傍にいる 同盟国という縛りのわが日本。
何度かテロの標的になる計画があったとも聞く。
その割りに テロを恐れる空気は人々にも己にも薄い。
新幹線やJRで
テロ対策のアナウンスが流れはするが
それすら日常的になってしまって
網棚の不審物など ありそうもない人事の世界である。
それは なぜか？
未然に防ぐための 或いは防いだ 関係各所の努力を
己は 何も知らないからだ。
とても幸せなことだ
本当にそう。
素直にも 皮肉にも 本当にそう思う。
9月9日
北朝鮮の最北中国よりの国境付近で きのこ雲が確認されたという
地上波では ほんの少しニュースの話題に挟まっていた。
CNNより一日遅いリアクションだったような気がする。
だったような・・・・というような曖昧な記憶なのは
所詮人事だと 己自信が認識していたからだ。
真実は 平凡な市井の市民には 永久に闇の中であり
真相は 平凡な市井の市民には 永遠の彼方である
世の中には 知らぬが仏という事象が ゴロゴロしている。
とどのつまり、
己はいずれ死に行くのだから それもまた良しと、
そう思うしかない。
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2004年09月11日(土)
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