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そんな事して何が楽しいんだ、とお前は云ったけれど、俺は考えられずにいられなかったわけで。 だってお前がそんな生き方しているから悪いんだろう。 「また今日も喧嘩かー…まぁよく飽きもせず」 「うるせぇな……売られたら買うのは普通だろ、テメェと違って俺は逃げたりしねぇんだから」 「……逃げるんじゃなくて知的な戦略のひとつだと思って欲しいケド」 「は、どこが……テメェの度胸がたりねぇから逃げんだろ、結局」 ピンセットを机に置いた時に鳴ったかちゃん、という金属音がやけに耳に響いた。 金属音は、いつ聞いても冷たい響きだけれど、亜久津の冷たい言葉と重なると、冷たすぎていっそ火傷しそうなぐらい、冷たく思う。 お前はずるい。 いつだってずるい。 馬鹿だから。 綺麗なぐらいに真直ぐだから。 そのぶん卑怯な俺よりもずるい。 「……つーか勝手に人が死ぬ事想像しといて泣くか、普通」 「泣くよ、だってお前の事だし…………お前すぐこんな、傷作ってくるし…………お前、ほんとになんか、いきなり死んじゃいそうで、怖ェし」 頬を伝った涙は、もう温度も水温も失って乾き始めていて。 けれども俯くと、涙は新しく筋を作りながら頬を伝っていく。 お前があんまりにずるいから俺は悲しくて泣く。 そして時たま君の棺の重さを考える。 「お前がいなくなったら、俺はお前の棺を抱えてそのまま歩くか、一緒に谷底に落ちるかしないといけないんだよ、俺は。」 -- なんかよくわかんないかんじで。 日に日に千石が弱く、亜久津も弱くなるのをどうにか止めたいもんです……。 つか火傷っつーか凍傷…なの? でも液体窒素では焼くとか云う気が…ううんよくわからん。
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