JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:読書日和:注目です 「毎日15分」を続ける(毎日新聞 2010年4月6日 東京夕刊) 英会話はなかなか難しい。英語の知識はあっても、簡単な会話ができないという社会人も少なくない。 ◆コメント:この記事を書いた記者、自分がラジオ「英会話」で勉強したことが無い、と思う。 毎日新聞のこの記事が目についた。私がNHKラジオ第二放送「ラジオ英語会話」(昔は、ラジオは「英語会話」だった)で勉強したからである。 テキストの「ラジオ英会話4月号」(講師・遠山顕、NHK出版、380円)は30万部発行され、 それも、本当だが、英語に限らずどの語学講座のテキスト(テレビもラジオも)一番売れるのは、4月号だけで、 5月号になると、毎年かならず、売上げが、ガタッと減るらしい。 今年度こそ英語(なり他の外国語)を と意気込むが、結局、毎日15分の番組を聴けず、一度聴き損ない、二度聴き損なうと、 もうやる気が無くなってしまうのだろう。 使い方が間違っている。 まず、 習うより慣れろ と言う言葉が出てくるが、程度問題である。学生の頃、英語が好きで、文法が理解できるひと、 具体的には、番組を聞く以前に「英語会話」テキストを読んで、そこに書いてあることの意味が 理解出来る人は、「ラジオ英会話」のテキストを「正しく」使えば効果がある。 しかし「仮定法過去」と「仮定法過去完了」の区別も付かない人は、「真似」をしても駄目だ。 その段階から分からない、という場合は「基礎英語」から始めることだ。遠回りになるが、 基礎をいい加減にしておいて、何でもいいから英語を口に出してみても、恥ずかしい英語しか身につかない。 どの言語もネイティブは、何百回、何千回、何万回と、同じ構造の文章を聞いて自然に 文法を会得するが、英語(以後英語に話を絞る)のネイティブではない日本人にとって、 例えば英語を習い始めて最初に出くわす、文法上の「山」である、「三単現のS」の法則性ですら 「習うより慣れろ」で自然に発見することはほとんど不可能に近い。 ネイティブに比べて英語を耳にしたり目にしたりする機会が圧倒的にすくないからである。 それを補うのが文法である。 主語が3人称で単数、時制が現在のとき、動詞の語尾に"s"または"es"が付く。 ということが、文法を教わることでネイティブが時間と量で身につけた法則を、 日本人は、一度で、「観念的」に理解することができる。 しかし、「三単現のS」を「観念的に」理解しても、実際に使えるようにはならない。 何百回も自分で声に出して練習することが必要である。 ここで、ポイントは、 何百回も である。毎日15分、番組を聴いて、スキットと呼ばれる会話をネイティブが読み、その後に続いて読む というやり方が番組の中心的な構造であるが、一回声に出しただけでは、話にならない。 3回でも5回でも10回でも全然不十分である。少なくとも200回。できれば500回繰り返す。 放送に追いつかなくても良い。それよりも番組とほぼ同じ内容を録音したCD(昔はカセットテープだった) を買っておくこと。番組のかなりの時間は、講師が文法の説明を交えて、文章の意味を説明するが、 それは聞かないでも分かっている人は、兎に角、4月号を500回、ネイティブの発音をCDで繰り返し聴きながら、 テキストを音読する。ときおり、自分の読んだ声を録音して、ネイティブに近いか否かを確かめる。 発音や抑揚は恥ずかしがらずに、そのまま真似してボソボソとではなく、近所迷惑にならない程度に はっきりと腹から声を出して音読を繰り返す。「覚えよう」としては駄目だ。 「結果的に」気付いたらすっかり覚えていた、という状態になるまで繰り返す。 4月号を全部500回読んで、そのような状態になったら、初めて5月号に移る。 その時は、6月か7月になっているかも知れない。構わない。 放送は聞かなくても毎月テキストとCDだけは、翌年3月分まで買い、保存しておく。 5月号でも同じ事繰り返す。このようにして、1年分のテキストを意味を理解し、分からない言葉は辞書で引き、 寝言でもテキストの英文を口にするぐらいになるにはあるいは2年か3年かかるかも知れない。 それでもよいのである。中途半端のまま「1日15分番組を聞くだけ」では、何年経っても、 本当に身につくことは決してないのである。 ◆疲れていたら、Ⅰ日の音読は5回でも良い。 このように書くと、読んだだけでうんざり、という方もおられようが、誤解のないように書いておく。 ◆自慢ではなく、効果を示す為に書くが、私は音読だけで、初めて受けたTOEICで820点を獲った。 過去、何度か、語学は音読だ、という話を書いた。一番最初に書いたのは、 2003年03月07日(金) 音読を続けることでTOEIC780点は取れる。お薦めの本がある。 だが、記憶違いであった。この後成績票が見つかって、分かったのだが、820点だった。 今ほど、TOEICは有名ではなかったように思う。TOEFL(Test of English as a Foreign Language)の名は知っていたが 受けたことはなく、ある時会社から、若手は全員TOEICなる英語の試験を受けろ、と言われ、 TOEICってのはなんじゃらほい? の感覚であった。従って当然ながら「TOEIC対策」の類は全くしていない。 音読だけである。音読はネイティブの発音に近づけるよう留意していた。 ヒアリングの独立した練習はしたことがないが、自分が発音出来る単語は聞き取れるし、 ネイティブに近づけて音読をしていれば、リエゾン(単語と単語のつながり)も把握出来る。 分からない単語は辞書で引いて500回音読すれば、単語帳など作らなくても自然に覚える。 また、音読をすると、当然のことながら、文章の頭から文末に向かって読むので、 英文を読むときも頭から読んでそのまま理解できるようになる。訳すことを中心に 勉強していたころは、どうしても「行ったり来たり」の読み方だった。 試験の点数はどうでも良いが、音読を続けたおかげで、 英国に4年間住むことが出来たし、その間、英語で困った事はなかった。 私は33歳で初めて外国に行った。それが「転勤」だったのである。 語学留学したことや、英会話学校に通ったことは一度も無かったのである。 音読の反復を愚直に続けていただけなのである。 ◆結論:ラジオ英会話1年分を、何年かけても良いから500回音読せよ。 以上、偉そうに書いたが、私が自分で考案した勉強法ではない。
というあまりにも原始的かつ単純で、「愚直の一念」とも形容すべき学習法が、 英語力(語学力)を総合的に(話す、書く、聞く、読む)かつ飛躍的に向上させる、 ということになる。 このように書くと何だかストイック(禁欲的)、精神論的な方法と誤解されそうだが、 國弘先生の言葉によると、「音読の最中、他の事が頭に浮かんでも構わない」という。 私も経験的にその通りであることが分かった。勿論最初は集中するが、同じ事の繰り返しは、 なかなか大変だ。はっきり書くとものすごく退屈に感じることがある。 そういうときは、寝っ転がっても構わない。但し、正しい発音に近づける意識は忘れない。 「継続は力なり」は私の好きな言葉だが、語学ついて、より正確に述べるならば、 「反復の継続は力なり。」 であろう。 國弘先生が「英語の話し方」を数十年後に改めてより詳しく著した、 國弘流英語の話し方の一読をお奨めしたい。 しばしば、「英語(語学)勉強法評論家」を見かけるが、そんなことをネット掲示板に 書き込んでいる暇があったら、「英文そのもの」を読むべきである。自分に最も適している と感じる方法は、勉強していれば自然に見つかるのである。 勉強法については、國弘先生のこの一冊で十分だ。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年04月06日(月) 「オーケストラ運営火の車…減る一方の自治体助成・企業援助」←オーケストラは無くても困らないから潰すという無教養な発想。 |