職業婦人通信
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ただの腹痛だと思っていたら 実は陣痛がはじまってた、という ボケ妊婦。
入院の大荷物を担ぎ、 大急ぎで病院へ向かうのだったが...
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我が家の近辺は流しのタクシーがしょっちゅう通るので 何の苦労もなく一台のタクシーをつかまえた。
「S大学病院までお願いします~」と告げると 「ハイわかりましたっっ」と、とても威勢のいい返事が返ってきたのだが
え??...ナビで調べてる...??? ここから7、8分の場所にあるS大病院を知らんのかーい! このへんじゃランドマーク的な、比較的大きい病院なのに。
「S大、わからないですか?」と尋ねると
「ええ、ちょっとすみません、私あの...この仕事はじめたばかりで」 うなだれる50歳代のオッサン。 リストラされた元サラリーマンかなんかか???
しかも 「すいません、行き先もう一回教えてもらえますか?何病院でしたっけ」 と、ボケボケ。
しむらけんのコントでこういうのあったなぁ・・・ などと感慨にひたってる間もなく、陣痛の波が。
タクシー拾いなおすのも面倒なので 「まっすぐ行って中原街道に出たら左折してください!」と 結局自分でナビする羽目になった。
①大荷物 ②明らかに妊婦 ③時折ハラを抱えて痛そうにしている ④病院へ急いでいる様子
と、これだけの条件がそろえば 出産間近の切迫感は伝わりそうなものだったが
ドライバーのおっちゃんはのんびりと 「今日は久しぶりにいいお天気ですねぇ」 などと小春日和なトークをはじめ
ナビをいじりながら 「ナビの使い方もまだ慣れなくて...練習しないとね~ S大学病院、S大学病院っと...」
...ナビの練習は客のいないときにやれーーーー!!!
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結局、 まったく空気の読めてないボケドライバーに 道順をナビしてなんとか病院までたどり着いたのだが ちゃんと教えたのにまんまと車寄せの場所を間違え 病院のはるか手前で降ろされるというオマケつき。
大荷物をがろがろと転がしながら なんとか診察室へと向かうのであった。
医者の診断はあっさりと 「こら産まれますねー 出てくるのは今晩おそくか、夜中ぐらいかなぁ...」 とのことで そのまま入院となり
その頃には紛れもない陣痛の大ウェーブが 本格的に襲い掛かりつつあった。
どんな痛さかを説明するのは難しいのだが この時点での陣痛をあえて数値化すると
私がかつて体験した中では一番の痛みであった胃けいれんの 痛さを1イケイレン(勝手に作った単位。略してik)とすると 0.57ikぐらいであっただろうか。 まだまだ歩けたし、周囲に笑顔を見せる元気もあった。
とはいえ痛いもんは痛い。
助産師さんに 「この痛さが深夜まで続くんですかねぇ~」 と洩らすと
「まだまだこれからが本番よっ。 これからどんどん痛くなるのよぉ~ 頑張ってね!」
と、ネガティブな未来を予告されてしまったのであった。
つづく。
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