嫁のお腹にいる第2子・トロの最後の定期検診があった。
僕も娘・R(2才)のお守り役として西荻窪の産婦人科に
着いて行った。出産を間近に控え「身体が小さ過ぎる」
とか「身体に障害が…」等の結果が出ませんように、と
嫁も悶々と心配しているだろうと思っていたが、
「将来この子がKABAちゃんみたいなオカマになったら
どうしよう…」
嫁の心配は既にトロの人生の先の先にまで進んでいた。
オカマも何もトロの性別もまだ分かってないし。そして
それが分かるチャンスは今日の検診が最後。今日を逃すと
もう産まれて見るまで分からないのである。
しかしこの西荻窪のジャズ好き産婦人科医は、尋ねても
「分かる時もあるし分からない時もあるねえ…」
質問をのらりくらりとかわして教えてくれない。糠に釘の
政治家のようである。なので今日こそは聞いてやろうと心に
決め、嫁の診察に臨んだ。
医師が嫁のお腹に器具を当てて、トロが映ったエコー画面
を見ている。僕も覗き込むが、やはり素人には分からない。
「先生。男ですか女ですか」
この一言が喉まで出掛かっているのだが、どうしても言えない。
知ってしまうことの恐れが邪魔して口が動かない。今日を逃す
と、もう二度と聞けないのに…。
そういえばこんなもどかしさが昔にもあったっけ。中学校の
卒業式の日、好きだったナオミちゃんに
「君が好きです」
この一言が喉まで出掛かっているのだが、どうしても言えない。
振られてしまうことの恐れが邪魔して口が動かない。今日を逃す
と、もう二度と言えないのに…。
結局そのままだった。大学生の時に再会したら綺麗になっていた。
気に入らない男子のパンツを脱がせ、ちんこ晒しの刑を執行して
いた過去など想像もつかない程清楚な美しさだった。やはりあの
時告白していれば…。
えーと、なんだっけ。
「はい、健康。これで終了…」
医師の言葉で我に返った。昔の回想に浸っている内に、次の患者の
為に退室せねばならない流れになっていた。しまった。僕はなんて
お馬鹿なデイドリーマー。最後のチャンスを逃した…と思えたが、
嫁がふと気が付いて
「そういえば私、血液検査をやってないんですけど」
と医師に質問すると
「え?あ、ホントだ。じゃあ今から血を採るから。結果は後だから
来週また来て」
うわー。結構アバウトだよこの人。ということでまた西荻窪くんだり
まで来るハメになってしまった。しかしチャンスがもう一度与えられた
ということでもある。
来週こそは絶対告白…じゃなかった、男か女か聞いてやると決意し
産婦人科を後にしたのだった。
来週こそ先生には腹を割って話して欲しい。
いや産婦人科だから股を割って、かナ?
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■我輩のお子である。名前がまだない。/日記才人から20万アクセス御礼。
2005年09月10日(土)
嫁のお腹にいる第2子トロ(仮名)の名前を決めなければならない。
長女R(2才)の場合は、僕がベタ惚れにジュテームな元近所の
美少女・Rちゃんの名前をそのまま付けてしまったので、トロの
命名権は嫁にある。どんな名前になっても僕はそれを受け入れな
ければならない。
まだトロは性別が分からないが、最近の名前ランキングを見ると
男なら蓮、颯太、翔太、拓海、大翔…女ならさくら、美咲、凛、
陽菜、七海、未来…等が多いようである(安田生命調べ)
ランクインしているだけあって手垢が付きまくった感があり、場末
の街で「スナック紫苑」や「おしゃれサロンヤング」といった看板
を見た時と同じような今更感を覚えるのは僕だけであろうか。
(該当する名前の方、ごめんなさい。悪意はありません)しかし嫁はこのあたりから持って来る可能性がとても高いため、
前もって覚悟を決めておきたいので嫁に探りを入れてみた。
「なあ、名前が決まってるなら教えてよ」
「やだ」
何故…。
それでも詰め寄ってみると、実のところ候補はあるものの、まだ
迷っていたのだった。なので僕らはもう何度目になるだろうか、
色々な名前を挙げて名前比べを始めた。嫁は言う。
「あなたも私も名前の最後が『き』でしょう?トロもそうしようと
思ったんだけど、やめたわ」
「え、どうして?」
「だってRだけ『き』じゃないことになるよ。かわいそうよ」
ああそうだった。僕の邪な恋心を貫き通してしまったばかりに。
そのような名前を付けてしまったらRは将来きっと聞いて来る。
「パパ、どうして私だけ名前の最後が『き』じゃないの?」
「それは『き』が付かなかったからです。なんちゃってウヒョ」
「パパのバカー!」
ということは充分あり得るので「き」はやめるべきだろう。かの
有名なシンガーにしていじめっ子・剛田武もこう言っている。
のび太のくせに名前「き」なんだよ!
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■新しい朝が来た、絶望の朝が…。
2005年09月09日(金)
僕・嫁・娘R(2才)で川の字になって寝ていた。
Rはまだまどろみ中で、嫁の体に絡みながら
くねくねとしっくりくる寝場所を探していた。
「ああああ、トロちゃん(胎児名)が下に降りて
来てる気がする…まだ生まれてきちゃだめよー」
嫁がそんなことを言った。トロの生まれる予定日は
10月1日。今、出て来ちゃうと未熟児になってしまう。
「それでは僕がミートスティック(直訳せよ)で
子宮内から押し上げてあげようか」
嫁にダメ元で軽いセクハラを投げかけてみたら
「うーん。じゃあお願いします」
なんと、あっさり承諾を得た。
「ただし、お腹と背中のマッサージもしてね」
「うんうん、やっちゃるやっちゃる」
僕が仰せつかっている妊婦のためのマッサージを
条件に出されたが、そんなことは問題ではない。
嫁がこのように明確な契り承諾を出すのは珍しい。
いつもSECOMを導入したような鉄壁のセキュリティーで、
極稀にコソ泥のように「ちょっくら失礼して」と侵入
しているのだ。
そんな情けない近況であったので、今夜はマッサージも
まぐわい汁も120%増量でお届けしよう!と張り切って
とりあえずRが完全に眠りに落ちるまで待った。
「さあR、良い子は早くねんねしな~」
…待つ。
…待つ。
…布団に横になりながら待つ。
気がついたら…あれ、なんでお日様が出ているのかナ?
とっくに朝だった。しまったああ!せっかく用意された
据え膳を、寝落ちして豪快にスルーしてしまった。
「ごめん。僕が先にねんねしちゃったネ」
お茶目なお寝坊さんを気取って、嫁に可愛らしく謝ったが
「もうやる気失せた」
今後の交渉に悪影響を及ぼしてしまったようだ。
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■家族全員妊娠。
2005年09月08日(木)
嫁のお腹の中にいる第2子。僕らはトロと呼んでいる。
産まれて来るまでの仮名である。いわばウームネーム。
僕は時々お腹をさすって
「トロ~。元気か~」
などと話しかけるのだけれども、娘・R(2才)も
「トロチャーン、トロチャーン」
僕と同じことをする。嫁の話だと1日何回もやるのだという。
「Rもお腹の中にいることが分かってるんだねえ」
と嫁に言うと
「さあ…それはどうかしら」
嫁は首を傾げる。それはどういうことかと思ったら、
Rは自分のお腹も撫で回して
「トロチャーン」
と言っているではないか。そこで僕は
「ははは、Rのお腹の中に赤ちゃんがいるのか。はは…
そうかそうか…えーちょっと待て…。
…誰の子だー!
なーんちゃって」
気さくでエスプリの効いたギャグを飛ばしたのだが、嫁は
ノーリアクションであり、なんだか周りの空気が寒い。おい。
夫がボケてんだからちゃんとツッコミ入れろ。ていうより
今晩あたり突っ込ませろ。
しかし僕のギャグは100回に1回ぐらいしかウケないので
大して気にすることもせず、
「ひょっとしてお父さんの子かナ?」
引き続きボケをかましたのだが、一瞬だけ嫁の眼が鋭く光った。
「あんたなら本当にやりかねないんだから、これ以上そんな
こと言ったら殺すわよ」
という殺気を覚えたのは気のせいだろうか。僕は最早これまでと
「ははは…R、そろそろねんねしようか」
Rとの戯れをお開きにしようとしたところ
「トロチャーン」
Rは僕のお腹もナデナデしてしまうのであった。僕が妊娠かよ!
娘よ。見事じゃ。そのボケがあったか!
父を上回るボケをかますRを見て、やはり血は争えないのだなあと
思ったのであった。
いわばブラッド・キャント・バトル。
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■台風と氷川きよしと母。
2005年09月07日(水)
朝っぱらから電話が鳴ったので取ったら無言電話だった。
「もしもし」と問いかけても、10秒程間を置いても無言。
無言電話魔、猪口才なり、返り討ちにしてくれるわ、と
「オカケニナッタ電話番号ハ 現在使ワレテオリマセン。
番号ヲオ確カメノ上 出直シテ下サイ」
鼻にかかったメカ声で嫌がらせアナウンスを始めたら
「ちょ、ちょっと待って下さい。変わります」
電話の向こうから初めて中年女性らしき声がした。恐れを
なしたか痴れ者め。しかし「変わる」とは一体?と様子を
窺っていたら、次に電話に出て来たのは、なんと我が母。
「はーい。お母さんですよ~」
「母さんなの?何なんだよ!ていうか今の誰?」
「きよ友の田村さん」
きよ友、とは氷川きよしの追っかけ仲間のことである。母は
氷川のことになると半狂乱のバーサク状態になって手が付け
られない。還暦過ぎて道楽デビューすると歯止めが効かない
から恐ろしい。そういえば今週コンサートのためにわざわざ
飛行機で博多に行くと言っていた。ということは
「今、博多からかけてるの?」
「そう。お母さん携帯をトイレに落としちゃったのよ!」
「いい年してギャルみたいなドジ踏まないでくれ…」
「何かあった時にはこの田村さんの携帯にかけて欲しい
と思って、田村さんにお願いして電話してもらったの」
顔に脂汗が浮かんだ。母のドジのとばっちりを受けてTEL
してくれた田村さんに、僕は何てことをしてしまったのだ。
田村さん、親子揃って大馬鹿ですみません。
「実はイタ電だと思ってずっと田村さんにNTTのモノマネ
しちゃってて…うわー!まじヤバイ!」
「あらまー。何やってるのよー」
「それはこっちのセリフだ!」
「それと今、台風直撃なのよ。飛行機止まってるし栃木に
帰れるんかなあ」
「知らん!博多見物でもしてゆっくり帰ればいい!」
コンサート前で浮かれている母に何を言っても無駄だ。
ひとりじゃないし、何だか台風すら楽しんでるみたいだし。
おそらくなんとか帰ってくるだろう。
「あ…それと田村さんにはくれぐれもよろしく。じゃ」
母に色々まくし立てられた僕は疲れて電話を切った。
しかし母のあのパワフルさは何だろう…と呆れ返っていたら
驚きの事実をWEB上で発見した。↓
こちらの記事今日(9/6)はきよしの誕生日コンサートだったのだ!
どうりでテンションが異常に高いと思った。
きよしの誕生日イベントのためなら博多にだって飛ぶわ!でも
携帯落としちゃってチョドジー!おまけに台風直撃でギャフン!
ドジキャラぶりもここまで来ると、最早呆れるを通り越し、
母とはいえ少しだけ萌えてしまうから不思議である。
これを「博多もえくぼ」といいます。なんつって。
夜、母がまた電話をかけて来た。
「コンサート、中止になっちゃった…」
さすがにちょっとかわいそうになった。
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■電撃夜這い作戦/日記才人10万票御礼。
2005年09月06日(火)
大雨洪水警報が出された夜。僕のリビドオも無意味に高まり
もうダメ洪水警報が発令されていた。
嫁が娘・R(2才)を寝かし付けている。僕は隣に添い寝し、
Rが完全に寝たことを見計らって嫁を襲うことを決意した。
もうすぐ第2子が産まれる嫁の体だが、まぐわっても問題
なしとの助産師のお墨付きがあるので僕の血も情け容赦
なく騒ぐ。どうせ僕はエロなのさ。
ちっちゃな頃からエロガキで、15でドエロと呼ばれたよ。
ワイフ見たなりつがっては、触る嫁また孕ませた。
寝転がりながら窓の外を眺めながらひたすら待つ。大型台風、
すなわち
グレートタイフーンの影響による雨と、煌めく雷光、
すなわち
エレクトリックサンダーの美しさに見惚れていた。
やがてRが完全に寝たようで、嫁がゴソゴソと起き上がった。
さあ今だ。求愛のポオズを決めるのだ。
「さあ、おいで」
僕は両手を広げて嫁を迎え入れることとした。しかし嫁は僕に
一瞥をくれただけで、とっとと風呂に入って行くではないか!
何というツンツン嫁。やりたくないのは分かる。しかしシカト
はないだろう!結局それ以上なす術もなく、風呂から上がった
嫁はそのまま寝てしまった。
分かってくれとは言わないが、そんなに俺が悪いのか。
と考えつつ僕はまたひとり窓を眺めていた。雨は殆ど上がり、
静かな夜となっていたその刹那、閃光弾かと見間違うほどの
鋭い光が僕の目を射し、
「じゅどおん!」
凄まじい轟音と地響きで家が揺れた。
「ち、近くに落ちた…おっかねー!嫁ー!」
腰を抜かしそうになる程驚いた僕は、さすがに今の衝撃で嫁も
目覚めただろうと思い、嫁の布団に飛び込み抱きしめ、救いを
求めたのだが
「ぐおおわお」
あくまで嫁は眠り続け、雷鳴に劣らぬ重低音サウンドの鼾でもって
返事をしたのみであった。これだけのエレクトリックサンダーにも
かかわらず、堂々とした眠りっぷりはもはや「サンダーが大将」
と褒め称えるしかあるまい。
もういい。誰にもかまってもらえない夜。僕もとっとと寝る。
落雷落雷おやすみよ。ギザギザハートの子守唄。
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■案ずるより海は難し。
2005年09月05日(月)
日曜の朝、僕と嫁は迷っていた。
嫁の出産まで1ヶ月を切ったので、そろそろ遠出は
控える時期になった。なので今日は海にでも行き、
僕と嫁と娘・R(2才)の3人家族での最後の旅行
としよう、と思ったのだが雲行きがあやしかった。
大型で強い勢力を持つ台風が近付いてきており、
A型で強い精力を持つ僕は判断に苦しんだ。
せっかく海に行くなら青い空の下がいい。その考えは
嫁も一緒だ。散々迷ったが、結局この時点では晴れて
いたこともあり決行を決断。横須賀の観音崎に向かった。
幸運なことに海岸に着いても天気は良し。9月なれど
泳いでる人達も沢山いる暑さ。海も綺麗。Eじゃん
スカジャン最高じゃん。
さて問題はRである。Rは海を怖がり、何度挑戦しても
泣き喚いて海に絶対近寄らなかったのである。今日も
砂浜に連れて行ったがやはりダメ。僕にダッコをせがみ、
足を付けようともしない。仕方なく海沿いの石畳の道に
降ろすとようやく歩いたのだが、ビーサンと足の間に砂が
入っただけで
「あんよー!あんよー!」
と泣き出し、流石に親馬鹿な僕もこのヘナチョコぶりには
「どこのお嬢様だお前はー!」
蝶よ花よと育てて来たことを後悔したのであった。しかし
後悔するだけでは何も生まれない。僕はRの大好きなアンパン
マンを砂浜に描いてみせた。するとRは
「あんまん!(アンパンマンのこと)」
ようやく瞳を輝かし初めて砂浜に足を付けたのであった。
たかがこれだけのために月面着陸並みの難作業。
僕はアンパンマンを少しずつ海に近付けて何個も描くと、
Rもそれに釣られて来たので、程よい場所で砂場グッズを
与えると、バケツや熊手でニコニコと遊び始めた。泳ぐのは
さすがに無理だが、今日のところはこれでよしとしよう…。
さてその間の嫁は、大海原に向かって太鼓腹を突き出し、
大ガニ股で岩場にドオンと腰を下ろしていた。

「君…なんかの合戦の総大将みたいだよ」
「え、義経とか?」
タッキー好きの嫁は笑顔になったが
「いや、武田信玄って感じ」

「あ、そう…」
一瞬で嫁の顔を曇らせてしまった。いや、ごめんね。
僕もタッキーじゃなくてオタッキーだから…。
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■案ずるより産むは恥ずかし。
2005年09月04日(日)
第2子の出産予定日まであと1ヶ月を切った。
僕と嫁は出産においての心得を叩き込まれるべく、
嫁が産むことになる助産院に赴き、助産師の話を
聞くことになった。
集まったのは僕らを含め夫婦4組。それと子供2人。
うちの娘・R(2才)の他に2人目を産む夫婦がもう
ひと組いた。
豊富な経験に裏打ちされた落ち着きを持つ感がある
院長から、出産を迎えるまでの健康管理、入院する
にあたり準備するもの、いよいよ破水した時の対応
…などの話を聞かされる。
「破水してから出産までの進行の度合いは人により
異なりますが、あなたはすぐ来て下さい。
あなたはきっと早いです!」
「えー!?」
断定されたのはうちの嫁。
「君…そんなにガバガバユルユルだったのか…」
「いやほら、Rを産んだ時も早かったし、先生はそれを
考えて言っているんじゃないかな…?」
そのうち院長の話は雑談レベルになってきて、
「エラが張っている人はお産が軽いと言われています。
あなたがそうですね!」
「えー!?」
またもや断定されたのはうちの嫁。アハハ、と他の夫婦
から笑い声が起こった。その後も院長は何かとエラエラ
うちの嫁うちの嫁と、このネタを何回も繰り返して話し、
エラ張り妊婦の嫁とそれを娶った僕は、笑っていいともで
タモリにいじられる一般素人のような、カノッサの屈辱
並みの辱めを受けたのであった。
何故にうちだけがこんな恥ずかしい思いをしなければ
ならぬのだ、と帰りたくなったのだが先生はよいことも
言った。
「とにかく妊婦さんに心掛けてもらうのは常にリラックスして
いることです。ですからそういった意味で37週を過ぎれば
セックスもどんどんして下さい。体をほぐしてあげて下さい」
よっしゃー!先生ナイス援護射撃。いつも夫婦のまぐわいを
避ける嫁に対し、これで正当な性交の大義名分ができた。
辱めを受けたり喜んだりの出産勉強会であったが…
案ずるより嬉し恥ずかし。
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■母は強し。祖母になっても母は強し。
2005年09月03日(土)
栃木の母からメールが届いていた。
お元気ですか。もう少しで2人目が産まれるよね。
○○(嫁の名)も順調ですか?でもお母さんは
あなたの方が心配です。無理してないかい?
休日の家族サービスもいいけど、疲れてる時は
断ってもいいんじゃないの?なんてね。とのことで…。母は僕に甘い。どれくらい甘いかというと
ものまね紅白歌合戦でいつも10点を出してしまう審査員
ぐらい甘い。別の言い方をすれば僕が娘・R(2才)にいつも
デレデレしているぐらいの甘さである。そんな母らしさが
滲み出ているメールであった。
母は嫁の真の恐ろしさを知らない。とある休日にうっかり
一日中寝てしまった時の嫁は、ヒンドゥーの怒れる女神・
カーリーが乗り移ったかと思った。あの時はさすがに我が身の
滅亡を覚悟したものであった。
まあその、僕もいい加減三十路半ばなんだからと思わずには
いられないが、母はこのようにいつも遠い栃木の空の下で
僕の体を心配している。
しかし還暦を過ぎた母はもう若くない。本来ならば僕の方が
母の健康状態を心に留めておかねばならないのに。
母さんごめんよ。嫁の妊娠とRの成長が気掛りでいっぱい
いっぱいだったんだ。母さんこそ元気ですか。なかなか
電話もメールもしないことをお許しください…と返事を
書こうとしたが、母のメールにはまだ続きがあった。
来週、氷川きよしのコンサートを観に行くの!お母さんは
福岡に飛びます!笑われるから○○さんには内緒ね!あと20年は放っておいても大丈夫そうである。
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■幼女地獄。
2005年09月02日(金)
例によって仕事から帰ってくると娘・R(2才)が
「ぞうさ~ん。ぞうさ~ん」
象の鼻の動きを真似して、腕をぐるぐると
振り回していた。最近お気に入りのお遊戯で
あるらしい。
それを横目で見つつ、とっととスーツを脱いで
着替えようとしたのだが、ぱんつ一丁になった
僕のところにRがトトトと駆け寄って
「ぞうさん!」
とぱんつを引っ張った。
「あ、ほんとだ」
偶然にもこの日は金色の地に小さい象の絵が沢山
描かれたシルクのトランクスという、まことに
趣味が悪いぱんつをはいていたのだった。
勿論こんな「マツケンサンバ~ただし下半身のみ~」
のようなド派手なものを僕が自分で選んで買った
訳ではない。以前タイに行った友人が半分嫌がらせ
の意味で渡されたお土産なのである。
こんなもん絶対勝負下着にはならないが、Rのハアトを
ガッチリキャッチしてしまったようだ。僕はそのまま
疲れた体を布団に投げ出して突っ伏したが、
「ぞうさ~ん」
ぞうさんシルクパンツに魅せられたRが僕の足を割り込み、
我が尻を撫で回すではないか。
「わあ。ちょっと、R、いやん、そんなとこ」
「えへへ~えへへ~ぞうさ~ん」
おヒップだけならまだしも、その奥にある、我が子に決して
触れさせるべきでないアンタッチャブルな領域にまでRの手が
伸びてきた。R、いけませぬ。そこはAVならモザイクがかかる
ところで…はうう。このままでは踊る大前立腺になってしまう。

このように僕が悶絶しているのに嫁はそれを激写。
(一部お見苦しい箇所がございます)
「R、ちょ、まじで、やめて~」
これ以上こんなことされたら、ぞうさんシルクパンツの中に
鎮座する本物の怒れる象が暴れだすことになる!いや、もう
暴れ始めている!
そんなわけでやむを得ず前かがみで起き上がって逃げたのであった。
今年三十路半ばを迎えるというのに、何故こんなにまで敏感なの
だろうか。
シルクパンツが汁ダクパンツになる危機であった。
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■枕くらくら頭くらくら。
2005年09月01日(木)
このところ嫁と娘・R(2才)が寝る時間ギリギリに
仕事から帰って来ている。
するとRが必ず僕の枕をエッチラオッチラと持って来て
僕に渡し、
「ねんね!」
僕も寝るように催促するのである。僕は枕がないと眠れ
ないのだが、それをよく知っているようだ。2才児でも
よく見てるんだなあと深く感動してしまう僕の親馬鹿さよ。
父の枕に気を使う心遣い。成長しても忘れないで欲しい。
さすれば将来、
「Rー。君の膝枕じゃないと眠れないよ~ん」
「まあ、お父様ったら甘えちゃって」
と、若き太ももに顔をうずめて安眠出来ることであろう。
そのようになればいっそそのまま永眠してしまいたい…。
そんな娘いねえよ!と我ながら呆れるが、この先10年位の
教育如何にかかっていると思う。頑張らねば…と考えている
内に我に返った。
「ていうかR、君が寝なさい」
Rはまだ眠るどころかはしゃぎたいらしく、嫁にしきりに
「ママー!ママー!」
とまとわり付く。だが既に本寝モードに入った嫁は返事もしない。
早く寝させるにはそれが最良だろう。嫁は枕をしない。しかしRに
とっての「母」には枕詞がある。「たらちねの」である。昔試験で
「たれちちの」と書いてしまい、中年女性の古典教師の逆鱗に触れ、
どでかい×を食らったがある。
そんな思い出深き枕詞を枕にちなんで、嫁に相手してもらえない
Rのさまを詠むことにしよう。
たらちねの またたらちねのたらちねの
かへすがへすも たらちねの母
(「唐衣 またからころもからころも
かへすがへすも からころもなる」:源氏物語のパクリ) 嫁に相手にしてもらえないとなると、次のターゲットは僕になる。
ことになる。僕はRに顔や腹を叩かれ、体をゴロゴロと転がされ、とても
寝るどころではない。
いつもいない僕がいるからRは嬉しくてはしゃいでいるのだうけど、
僕は嫁のようにシカトすることは出来ない。つい悪戯っぽい笑顔に
誘われて相手をしてしまう。
「枕を差し出して寝ろと言ったのはRじゃないかようー」
僕はいつになったら眠れるのだろうか。そしてRはいつになったら
寝るのだろうか。
マクラだけに、お先マックラー。
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