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2004年05月31日(月)
メグ・キャボットの新刊

◆「BOOK PLUS」新刊

となりのボーイフレンド BOOK PLUS/メグ・キャボット (著), Meg Cabot, 代田 亜香子
単行本: 409 p ; 出版社: 角川書店 ; ISBN: 4048970429 ; (2004/04/29)
[ 内容 ]
メールでみつける本当の恋!? ハッピーでキュートな恋愛メール小説登場!
コラムニストとして奮闘中のNYガール、メル。暴漢に教われた隣の老婦人の家に、遊び人で名高い甥がやって来た。それが意気投合して恋の予感!?でも実は彼は偽者の甥と判明……やっとみつけた恋はどうなるの?

※メグ・キャボットは、『プリンセス・ダイアリー』の著者。『プリンセス・ダイアリー』も面白かったので、これも期待できそう。この手の本は、現代の会話体で書かれているので、内容は難しいわけでもないのに、原書で読むのは意外に面倒だったりする。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『Miss Hickory』/Carolyn Sherwin Bailey
ペーパーバック: 120 p ; 出版社: Penguin USA ; ISBN: 014030956X ; (1977/05/01)


Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.


2004年05月30日(日)
レタスは冷凍庫に入れますか?

早慶戦で、早稲田は今日も負けた。慶応が勝ち点をあげるのは、何年ぶりか?慶応の監督も、感極まって泣いていたらしい。

プロ野球では、今日も横浜は負けた。今週4連敗だ。こちらは別に珍しいことではなく、例年の定位置に収まってきたというべきだろうが、まったく情けない。たしか下馬評では、今年の優勝は中日か横浜だということになっていたはずなんだけど。。。(^^;


さて、スチュアート・ウッズのミステリは、予想通りさらっと読み終えた。でも、これは翻訳が良くなかった。私はよく、会話部分がしっくりこないということを言ったりするが、会話部分がうんぬんとかという以前の問題で、日本語がおかしい。それに、レタスを「冷凍庫」に入れるか?アメリカではレタスは「冷凍庫」で保存するのだという事実があるとしたら、ぜひ教えて欲しい。

グランドキャニオンあたりの描写が良かったし、内容は面白かったが、二人姉妹だと思っていたのに、まるで三つ子のようによく似た三人姉妹だったというオチが、そりゃ都合が良すぎるだろうという感じだった。ウッズは、個人的にはプレイボーイ探偵の<ストーン・バリントン>シリーズがいいかな。

ちなみに、スチュアート・ウッズもサンタフェに住んでいるらしい。彼の本に出てくる主人公は、だいたいお金持ちが多いのだが、ウッズ自身も、お金持ち~という感じ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『サンタフェの裏切り』/スチュアート・ウッズ (著), 土屋 晃
文庫: 410 p ; サイズ(cm): 16
出版社: 文芸春秋 ; ISBN: 4167218186 ; (1995/01)
出版社/著者からの内容紹介
プロデューサー夫妻と友人の映画監督が惨殺死体に!と報道されて驚いた当人、だが、一時的記憶喪失で事件当日の記憶が一切ない。

※画像は原書 『Santa Fe Rules』


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2004年05月29日(土)
早慶戦

六大学野球、伝統の早慶戦で、早稲田が慶応に1敗。しばらく負け続きの慶応も、そろそろ勝たないと早慶戦の意味がなくなる。

すでに明治の優勝が決まっているが、今年の早稲田は弱い。なんたって、東大にも負けてるくらいだから。というか、1勝とはいえ、早稲田を負かした東大が偉い!秋には5位浮上も夢ではないかも?


ウォーリー・ラムの『この手のなかの真実』をやっと読み終える。この分厚い本を本棚から片付けられると思うと、ほっとする。なんでこんなに分厚いのかというと、主人公ドミニクの話だけではなく、ドミニクのお祖父さんの自伝まで、丸ごと書かれているからなのだ。

話はなかなか面白かった(という言い方も変なのかもしれない)が、途中からお祖父さんの自伝が出てきて、これってあり?という感じだった。たしかにお祖父さんの自伝を読むことで、最後にはドミニクの生い立ちが分かるという構成になっているのだが、にしても長い。

自分自身を再認識するという小説はよくあるが、欧米ではポピュラーなカウンセリングの部分が多いのには、ちょっとうんざりだったかも。こんな夢を見たが、それにどういう意味があるかなどというのは、作者が心理学者として本気で分析しているなら読む価値もあると思うが、適当に書いているんじゃないのか?と思ってしまうと、途端にどうでもよくなってしまうからだ。

最後には、中で最も普通でないはずの分裂病の兄(ドミニクは双子の弟)トーマスが、一番まともに見えてきた。それぞれがそれぞれの悩みを抱えていて、それに各自が立ち向かう様子は、辛くもあり滑稽でもあるのだが、奇妙な言動をしているトーマスが、結局は正しかったというような結末は、人間はみな病んでいて、純粋で正しい行いをしているものが、この世の中では狂っているかのように思われるのだろうかとも思えた。

ドミニクが、ずっと自分はイタリア系だと思っていたのに、実はインディアンの血が混じっていたというのも、かなりの衝撃だろうなと思った。人種のるつぼ、アメリカだからこそのエピソードなのだろう。私には、ドミニクの立場になって想像することすらできない。

『ラスト・オブ・モヒカン』、『オーシャン・オブ・ファイヤー』、『ミステリー・ウォーク』などから、インディアンはカッコイイと思っている私には、インディアンの血が混じっていたら、ミステリアスでいいなあなんてことくらいしか思い浮かばない。(^^;


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『この手のなかの真実』/ウォーリー ラム (著), Wally Lamb (原著), 池田 真紀子 (翻訳)
単行本: 1027 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: DHC ; ISBN: 4887243006 ; (2002/10)
内容(「MARC」データベースより)
義父の虐待、母の死、赤ん坊の突然死、そして統合失調症の兄…。不幸に押しつぶされながらも、人生を立て直そうと必死に努力する、普通の人々の魂の記録。


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2004年05月28日(金)
ジェニファー・クルージー

ジェニファー・クルージーの『ファーストウーマン』を読了。これも予想を良いほうに裏切った本だった。カバーのコピーを読むと、ドタバタな感じがして、結構分厚いし、もしかして途中で嫌になるかもしれないと思っていたのだが、意外に「大人の本」という感じ。

たしかに主人公のネルは、気が強くて自分を曲げない性格で、たびたび探偵事務所の上司と衝突するのだけれど、なんといっても彼女は42歳でバツイチの子持ち。単なるドタバタでは終わっていなかった。というか、ドタバタな感じがしたのは、カバーのコピーが良くないせいだろう。

彼女の少々行き過ぎた行動を救っているのが、マッケンナ探偵社のボスであるゲイブと、そのパートナーのライリー。この二人の渋さが、全体の雰囲気を大人っぽくしていると思う。

内容はミステリで、死体がぞろぞろ出てきたりするのだが、ほとんどロマンスに重きがおかれている。それも、大人のロマンス。犯人は誰?というのを追いかけながら、ネルのロマンスの行方はどうなる?といった興味もプラスされるので、一度で二度おいしいといった感じの読み物。

ただ、あちらもこちらも身内といった状況なので(離婚していたとしても)、人間関係がややこしい。例えば、ネルの親友二人は元夫の兄嫁だったりとか。仕事上でもいろいろ身内が関係していて、これは誰の親戚だったっけ?という感じで、始終登場人物を確認しないといけなかった。

この中で、「ちゃんとごはんを食べさせてくれる男」という表現があるのだが、男女平等とかなんとかは関係なく、「ごはんを食べさせてくれる」という基本的な行為は、生きていく上で、ちゃんと「守ってくれる」、責任感のある男ということじゃないだろうかと思った。

私はか弱いので(?)、やっぱり「ちゃんとごはんを食べさせてくれる男」のほうがいい。お腹は空いてないか?と心配してくれる男のほうがいい。太ったっていいから食べなきゃダメだと言ってくれる男のほうがいい。(^^;

「男はタフでなければ生きて行けない。優しくなければ生きていく資格がない」というフィリップ・マーロウの言葉を、そのまま投げつけてやりたいような男が多い中で、ここに出てくるゲイブとライリーは、非常に魅力的。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ファーストウーマン』/ジェニファー クルージー (著), Jennifer Crusie (原著), 葉月 陽子 (翻訳)
文庫: 597 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 二見書房 ; ISBN: 4576030914 ; (2003/06)
内容(「BOOK」データベースより)
長年のキャリアと結婚生活をいっぺんに(それも自分より若い女に!)奪われたら―ネルの場合、まさに悪夢だった。そんな彼女の再起を賭けた新天地は“秘密厳守・法律遵守・秘書とファックするな”をルールに掲げるマッケンナ探偵社。時代錯誤のワンマン男ゲイブと憎めない女たらしライリーの秘書になったものの横領に脅迫、事件の匂いがプンプン。おまけにネルの周囲で死体が次々発見され…かわいいだけが女じゃない!全米大ヒットの最強ロマンティックミステリ。
※画像は原書 『Fast Women』


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2004年05月27日(木)
「西瓜糖」を試してみる

どうしても「西瓜糖」が気になるので、昨日、早稲田に行く途中で、例の自然食品の店に寄ったところ、え!とびっくり!今まで、ネットで検索したことがなかったのだが、「西瓜糖」って、こんなものだったとは!

<西瓜糖>

リチャード・ブローティガンの『西瓜糖の日々』を読んで想像していたものとは全然違って、西瓜味のお砂糖か飴のようなものかと思っていたのに、実物は、プロポリスのような、真っ黒な水あめといった風情。店には「ダイエットに最適!」などと書いてあったし。

試供品をもらったので早速試してみたのだけれど、バブルガムのウォーターメロンフレーバーみたいな味を想像していたのに、西瓜の味など全くしないし、「糖」が付くわりに全然甘くなくて、まずい。

一緒に西瓜の「スリム茶」というのも貰い、「これに溶かして飲むとさらにいい」と言われたので、何にいいのか全然わからなかったが(添付のパンフレットが全然要領を得ないもので、そもそも西瓜糖とは何?という疑問さえ解けていなかった)、とにかくそうしてみたところ、お茶が多すぎたのか、西瓜糖の風味が全然わからなくなってしまった。このお茶自体もまずい。

とにかく、西瓜には利尿作用があるから、腎臓病だとか、むくみだとか、高血圧なんかにいいらしい。たしかに利尿作用があれば、ダイエットにもいいだろう。でも、なんか、夢が壊れた感じ。ブローティガンが特に好きというわけでもないのだが、ブローティガンのあの世界には程遠い現実に、ちょっとショック!

それに、西瓜2個分を凝縮しただけなのに、一瓶(30回分程度)5000円もする。これは容易には納得できない価格だ。私はお水をたくさん飲むから、いいのかな?とは思うが、別に水太りってわけでもないから、まずいのを我慢して飲むこともないだろう。


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2004年05月26日(水)
総合英語(4)&アメリカ南部映画祭(2)

今日は、久々に暑くなった。汗だくで教室に行ったところ、先生が風邪を引いていたので、冷房を止められてしまった。それでも風があったので、ちょっと救われた。

<今日のポイント>

それぞれの単語や前置詞などの 感覚を捉えること!

ひとつひとつの単語の感覚をつかむと、文章がなぜそういう作りになっているのかが理解でき、覚えやすい。例えば、overとaboveの違いなどは、感覚として覚えこむ。

また、完了形の時間の概念をしっかり捉えるように。
文中に関係代名詞などがあっても、基本的に頭から読んでいくこと。


■アメリカ南部映画祭(2)

『The Soul of a Man』(2003年)
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:クリス・トマス・キング、キース・B・ブラウン、ジェームズ・ヒューズ
内容:ブルーズが生まれた1930年代の不況期のミシシッピー。三人の黒人のブルーズマン(Skip James, Blind Willie Johnson, J.B.Lenoir)の音楽と人生を追いつつ、ブルーズの深奥に迫る、フィンクションをまじえながらのドキュメンタリーである。三人の歌を多数のミュージシャンたち(Nick Cave, Cassandra Wilson, Lou Reed, Los Lobos, Lucinda Williams等)がカヴァーする。

これはまだ日本では未公開で、前回は今年の9月頃に公開予定と書いたが、8月下旬公開決定。ブルーズの映画ばかり7本が、各地で公開される。これはその中の1本。他にはクリント・イーストウッドが監督、演奏もしているというブルーズ映画もあるらしい。詳細は以下のサイトへ。

<THE BLUES Movie Project>

公開前なので字幕なしだったが、ほとんど音楽なので、意味がわからないということもなかった。ブルーズ好きにはたまらない映画だろう。私もあえて言えば、ジャズよりブルーズのほうが好き。メンフィス・スリムとかエイシズとかが好きなので、Skip James などは、結構ツボ。私の血液型はO型で、アフリカ起源らしい。というわけで、黒人の魂には、どこか惹かれるものがあるのだろう。今日の担当だった村田先生は、かなりブルーズがお好きのようだ。

出だしは宇宙をバックに、Blind Wilie Johnson の“Dark Was the Night, Cold Was the Ground”が流れる。というのも、彼のその歌が、宇宙探査船ボイジャーのディスクに記録されているからだ。宇宙探査も大きなドラマだが、この三人のブルーズマンたちの人生にも、それぞれのドラマを感じた。

※次回は、フォルカー・シュレンドルフ監督の『A Gathering of Old Men』。


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2004年05月25日(火)
ブック・カフェ&E.L.ドクトロウの新刊

「翻訳ブック・カフェ」Part12

司会:新元良一
ゲスト:黒原敏行
日時:6月12日(土)午後6時半より 
場所:池袋ジュンク堂 4階カフェ

今回のゲストは黒原敏行さん。テキストは、居場所を求める青年たちの夢の旅を描いて傑作とうたわれた『すべての美しい馬』(コーマック・マッカーシー ハヤカワepi文庫)。現代アメリカ文学をはじめミステリー、ノンフィクション等の翻訳に精力的に取り組んでいる黒原さんとの対談をお楽しみ下さい。もしかすると、マイケル・ムーアの映画上映ストップ騒動についての愉快な話が聞けるかも・・・・。


というわけで、今までなかなか行けなかったブック・カフェなのだが、今回は実にタイミングのいいことに、『すべての美しい馬』を訳した黒原敏行氏だというので、これはぜひとも行っておかないと後悔するかも・・・と。


ところで、「気になるこの1冊」を更新したのだが、その中で特に、E.L.ドクトロウの新刊が気になった。タイトルの“Sweet Land”は、多分に皮肉が含まれているらしい。ドクトロウは、去年授業でもやったが、翻訳本を1冊、BOOK・OFFで買ったまましまい込んである。そういえば、紀伊国屋の洋書バーゲンでも1冊買ったっけ。今年は、そういった去年買いこんで、そのままになっている現代アメリカ文学を消化したいものだ。

Sweet Land Stories/E. L. Doctorow (著)
ハードカバー: 160 p ; 出版社: Random House Inc ; ISBN: 1400062047 ; 1st 版 (2004/05/01)
目次
A House on the Plains
Baby Wilson
Walter John Harmon
Jolene: A Life
Child, Dead, in the Rose Garden


それと、特に意味もなく、単にタイトルに惹かれたものがこちら。これは“Lake Emily”というシリーズらしい。作者は『A Can of Peas』という小説を書いている人で、こちらにも同じ登場人物が出ているから、このシリーズに含まれているのだろうか。ちなみに、どこ系かというと、東からも西からもあまり相手にされていないという「中西部」系。

Dandelions in a Jelly Jar/Traci Depree (著)
ペーパーバック: 320 p ; 出版社: Waterbrook Pr ; ISBN: 1578567297 ; (2004/04/01)



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2004年05月24日(月)
「西瓜糖」の正体

ウォーリー・ラムの『この手のなかの真実』を読んでいたら、主人公のドミニクが、のちに妻となるデッサに会ったときに、彼女がリチャード・ブローティガンの『西瓜糖の日々』を読んでいたという部分があった。

「難解なんだけど、やめられないの。幻想的な感じ・・・どんどん引き込まれちゃう」

と言うデッサに、ドミニクは、ブローティガンの写真を見ながらこう言う。

「LSDでラリったマーク・トウェインって感じだな」

ぷ!まったくその通りだなと思って、笑ってしまった。誰かに似てるんだけど、外人だからみんな似てるように見えるんだろうなんて思っていたんだけど、そうか、マーク・トウェインがLSDをやれば、こういう風になっちゃうかもね。

『この手のなかの真実』は、とても重たいテーマで書かれているのだが、ウォーリー・ラムが、そもそも暗い人ではないのだろうか、重くて暗い印象はあまりまい。なぜか笑えるところもしばしばあって(笑っては不謹慎なのかもと思いながら)、1000ページ以上もある分厚い本の割に、読むのが苦にはならない。

ただ、ちょっと寝転んで読むとか、お風呂の中で読むというわけにいかないので、なかなか進まずにいるのだけれど、それでもやっと半分は読んだ。あと半分。今月中になんとか・・・と思いつつも、今週の授業の予習をやらなくちゃとあせっている。

今日は、「王の帰還」の完全朗読版CDも届いてしまったし、ヒアリングもねぇぇぇぇぇ。。。このCDセット、全部で何枚になるんだ?とかって、ちゃんと数えてないし。もう、時間が足りない。感想を書かなくてはならないものも、また溜めこんでるし。(^^;

そうそう、早稲田に行く途中に自然食品の店があるのだが、そこに「西瓜糖」が売っている。そういえば、去年もこの時期に見たかもしれない。「西瓜糖あります」という文字しか見ていないので、実物はどんなものか見てみたいと毎回思うのだが、遅刻してはいけないと、いつも寄らずじまい。行きと帰りの道が違うので、帰りに見るというわけにもいかず、いまだに「西瓜糖」の正体がわからないでいる。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

Audio Book

『Return of the King : Book Three of the Lord of the Rings』/J. R. R. Tolkien (著), Rob Inglis (朗読) \5108
Audio, CD15枚, アメリカ版
出版社: Recorded Books ; ISBN: 0788789848 ; Unabridged 版 (2001/06/01)


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2004年05月23日(日)
『レベッカのお買いもの日記(2)』

◆お知らせ

【BOOK * CLU】「名作談話室・荒涼館」のURLが変わりました。
サーバーの不調で、新しいサーバーに取り替えましたので、直接ブックマークをしている方は、URLの変更をお願いいたします。

形態はこれまでと同様で、過去の書き込みも全て移しましたので、特に変わったことはありませんが、URLの件だけ、お気をつけくださいますよう、お願いいたします。


今日は、ネットの調子が悪い。日曜日ということで、ネットに繋ぐ人が多いためだろうか?幸い、自分のサイトは開けたが、あちらこちら、開けずに困った。何かを検索しようにも、どうにも役に立たない。メールも開かない。

さて、ソフィー・キンセラの『レベッカのお買いもの日記(2)』は、さらっと一気に読んでしまった。レベッカちゃん、今回も、ちょっと馬鹿じゃないの?ってくらいに派手に買いまくってる。「とらぬ狸の皮算用」ってやつで、あの仕事が入ったら、ああなって、こうなって・・・だから、あれもこれも買わなきゃと、自分の都合のいいように買い物を正当化してしまうノーテンキなレベッカちゃんは、他人事とは思えない性格なんだけど、それにしても、もういい加減にしたら?と言いたくもなる。

後半の窮地は、自業自得とも言えるんだけど、自力で立ち直り、結末は予想通り。でも、このどうしようもない買い物中毒の女に、どうしてあんな素敵なお金持ちの青年実業家の彼がいるのかと、まったくうらやましい限り。にも関わらず、今回もレベッカちゃんは、借金しまくり!だめだこりゃ!って感じ。

ていうか、彼に買ってもらえばいいのに(お金持ちなんだから)と思うのは、筋違い?何事も前向きな姿勢がかわいいと言えば、かわいいんだけど、なんだか行く末を心配しちゃうよね。個人的には、1作目のほうが面白かったかな。

次は、またマキャモンをと思ったけれど、続けて読むと内容が混乱してしまう恐れもあるので、またしても本棚の未読本を減らす方向へ。読みかけのPBもあるのだが、何ヶ月も前に読み始めたはずの、あの1000ページ以上もある、ウォーリー・ラムの『この手のなかの真実』を、今月中にはなんとか片付けたい。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『レベッカのお買いもの日記(2)NYでハッスル篇』/ソフィー・キンセラ
内容(「BOOK」データベースより)
いまやTVで売れっ子の金融コメンテーターとなったレベッカ。かつての「お買いもの」でつくった請求書の山もキレイに払い終わって、若手実業家ルークとも熱愛中―となにもかも順風満帆!のはずだったけど…。そんな時、NYに進出するルークに誘われて下見に同行、浮かれてお買いものしまくるレベッカだったが、どこから漏れたのか、悲惨な借金地獄を『デイリー・ワールド』紙に暴露されてしまう。仕事はすべてパアになり、ルークとの仲も最悪に。ついに職なし、お金なし、恋人なしに逆戻り…さあ、どうするレベッカ!?ロンドン発NY経由のベストセラー小説、絶好調の第二弾。


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2004年05月22日(土)
ウラジーミル・ナボコフの短篇全集

ナボコフの短篇全集が届いた。
これは以前から欲しくて仕方がなかったのだけど、典雅な文章が、個人的に好みである反面、ある部分では難解なナボコフの本を、本当に読むのか?という疑問がないわけでもなく、どうしようかな、と悩んでいたのだ。どこかで、短篇は比較的読みやすいというのを見て、それならと、とりあえず1巻だけ購入。

ナボコフはアメリカの作家だが、名前から分かるように、生まれはロシアだ。イギリスの大学に行き、その後ヨーロッパに亡命し、アメリカに渡ったのち、スイスで没する。というわけで、彼はロシア語と英語のバイリンガルで、後年はロシア語で書いた小説を英語に翻訳することに従事していたようだ。1999年には、生誕100周年を迎えているので、ナボコフ関連の本は比較的手に入れやすいようだ。画像は、今回の短篇全集には関係ないものだが、この写真、目が鋭くていい感じ。他の写真は全然違っていたりするのだが。。。私の場合、作家の顔で買ってしまうこともあるので、注意しなければ!(^^;

しかし、とりあえず私は、本棚の未読の本を減らすことに従事しなくてはいけない状況なので、せっかく届いても、残念ながらまだ手がつけられない。というか、本は読みたいと思った時に手元にないと、読むタイミングを逸する。今は、アメリカ西部・南部系に目が向いているので、ナボコフを読む雰囲気ではないのだ。

というわけで、南部系のマキャモンの『ミステリー・ウォーク』を読了。これは死者の霊と向かい合ったり、「シェイプ・チェンジャー」と呼ばれる邪悪な存在と対決したりと、結構不気味な世界で、怖がりの私としては、正直言って怖かったのだけれど、マキャモン作品の常で、主人公の精神的な強さ、善なる魂に救われた。得体の知れない「邪悪な存在」が現れるというのは、前に読んだ『スワン・ソング』を思い起こさせた。

本棚の未読の本を減らすということで、次はさらっと読める『レベッカのお買いもの日記(2)』を読むことにしたのだが、なんだかこのところ、レベッカ続きだ。デュ・モーリアの『レベッカ』に始まり、『ミステリー・ウォーク』でもレベッカ(主人公の祖母)が登場、そしてまた買い物中毒のレベッカの話。こういうのって、意識していないのに、なんとなく続いてしまうということがあるものだ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ミステリー・ウォーク』(下)/ロバート・R. マキャモン (著), Robert R. McCammon (原著), 山田 和子 (翻訳)
文庫: 375 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 448855802X ; 下 巻 (2003/10)
内容(「BOOK」データベースより)
伝道者ファルコナーの迫害により、故なき制裁で重傷を負った父。ただ耐え忍ぶ母。二人を残しビリーは旅立つ。だが、邪悪なる影はいたるところに潜む。さらに、教団を継いだウェインはビリーを悪魔の化身と信じ、彼の命を狙う。だが、二人は知らぬまま、互いに運命の糸を手繰り寄せていた…。善と悪の対決を少年の成長に託して描く幻の傑作ダーク・ファンタジイ、感動の終幕へ。


◆Amazonから

『ナボコフ短篇全集』(Ⅰ)/ウラジーミル・ナボコフ \3990
単行本: 508 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 作品社 ; ISBN: 4878933674 ; 1 巻 (2000/12)
内容(「MARC」データベースより)
「言葉の魔術師」が贈る短編小説の醍醐味。英米文学者とロシア文学者による初の全編新訳。「森の精」「ロシア語、話します」など、執筆年代順に、1920年代のおよそ10年間に書かれた35作品を収録する。


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2004年05月21日(金)
マッカーシーの「文句なしの傑作」とは?

スペイン語まじりの読みにくい文体だし、どうしようかなあ・・・とずっと迷っていた、コーマック・マッカーシーの『Blood Meridian』を買ってしまった。

マッカーシーの作品は、文体そのものも読みづらいのに、会話部分にスペイン語がたくさん出てくるので、スペイン語がわからないと話が全く通じない。果たして読めるのか?と心配なのだが、これは「文句なしの傑作」と言われているにも関わらず翻訳がなく、原書で買うしかないので、仕方がない。ダメもとで、トライしてみようという感じ。

今回買ったのは西部系の内容だが、マッカーシーは前にも書いたように、東部に生まれながらも、そもそもは南部系の作家だった。なので、そのうち南部系の作品(『The Orchard Keeper』『Outer Dark』『Child of God』『Suttree』)も読んでみたいと思っているのだけれど、どうなることか。マッカーシーの作品群の中核を成すのは、『Suttree』と『Blood Meridian』だと言われているので、ぜひとも読んでみたいのだが、どちらも翻訳がないので、苦労しそうだ。

で、今日もまたさらに、マクマートリーのカウボーイものが届いた。実は昨日の<Lonsome Dove>シリーズよりも、どちらかと言えば、こちらの初期の2冊のほうが読みたかったのだ。『サロン・ドット・コム』の批評にも、「マクマートリーの不朽の名作として残るのは、やはり初期作品だろう」とあるし、内容的にも、よりカウボーイっぽいし、Simon & Schusterの装丁もいい。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

ミステリー・ウォーク〈上〉 創元推理文庫/ロバート・R. マキャモン (著), Robert R. McCammon (原著), 山田 和子 (翻訳)
文庫: 388 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 4488558011 ; 上 巻 (2003/10)
内容(「BOOK」データベースより)
ビリー・クリークモアが母から受け継いだのは、死者の魂を鎮める能力だった。だが、人々は彼に冷たく、疑いに満ちた目を向ける。そんなある日、伝道者ファルコナーが、治癒の奇蹟を起こす息子ウェインを連れて町にやって来る。だが、ビリーが伝道集会で見たものは…?『少年時代』『遙か南へ』を経て、久々の長編『魔女は夜ささやく』に至るマキャモン文学の源流、待望の復活。


◆Amazon

『Blood Meridian, Or, the Evening Redness in the West』/Cormac McCarthy \1367
ペーパーバック: 352 p ; 出版社: Random House Inc ; ISBN: 0679728759 ; Reissue 版 (1992/05/01)
『サロン・ドット・コム』より
開拓時代の英雄デイヴィ・クロケット伝説の黙示録風語り直しとも言うべき作品で、文句なしの傑作、この四半世紀にアメリカが生んだ最もすぐれた小説のひとつと言ってよい。「ザ・キッド」(The Kid)と呼ばれる14歳にして反社会的病質者の主人公は、1840年代にテネシーを旅立ち、ならず者集団の一員となってメキシコ北部の荒野を横断しながら、出会うものすべてを血祭りにあげてゆく。それはかつてD・H・ロレンスが、「冷酷で禁欲的、孤独にして殺人者」と喝破した「アメリカ人の魂の本質」を忘れがたく描き出している。─(A・O・スコット)

『Horseman, Pass by』/Larry McMurtry \1241
ペーパーバック: 192 p ; 出版社: Simon & Schuster ; ISBN: 068485385X ; (2002/07/02)
『サロン・ドット・コム』より
テキサスの牧場生活を容赦ない目で描く。

『Leaving Cheyenne』/Larry McMurtry \1367
ペーパーバック: 304 p ; 出版社: Simon & Schuster ; ISBN: 0684853876 ; (2002/08/01)
『サロン・ドット・コム』より
厳しい感性を一人の女性と二人の男性をめぐる三角関係に向けた作品。
※Cheyenne:シャイアン


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2004年05月20日(木)
カウボーイもの

昨日はBOOK・OFFで、前からどうしようかと思っていた「ダルタニャン物語」を7冊買った(大雨だというのに!)。1、2巻は読書会で読んだからいいが、購入した中には、3巻と7巻がない。後ろのほうの巻ならまだしも、いきなり3巻がないというのは、読み始められないということだ。

おまけに一緒に買ったマキャモンの2冊も、どちらも下巻。これも上巻がなければ、読み始められないという代物。でも、上下揃いでなくても、あった時に買っておかないと、もう手に入らないかもと思うと、とりあえず買わずにはいれなかった。

で、今日はAmazonから、ラリー・マクマートリーの本が届いた。ついでに、「オーシャン・オブ・ファイヤー」のノヴェライゼーションも。これって、Amazonでは意外に売れ筋だったことを知って、びっくり!

マクマートリーの本は西部系なので、カウボーイものと言ってもいいだろうが、「オーシャン・オブ・ファイヤー」以来のカウボーイ熱は、いまだに冷めない。マクマートリーは、すでに2冊ほど持っているのだが、どちらもカウボーイものではないので、新たにカウボーイものを注文。ところが、今日届いた本は、みな分厚い!『Lonesome Dove』なんて、1000ページ近くある。

ちなみに『Lonsome Dove』は、ピューリッツァー賞を受賞した作品で、他3冊はその続編のようなもの。タイトルだけはどれも知っていたのだが、今までカウボーイにはあまり興味がなかったため、どうでもよかったといった作品。何がきっかけで読むようになるか、ほんとにわからないものだ。


〓〓〓 BOOK

◆Amazon

『Lonesome Dove』/Larry McMurtry \918
マスマーケット: 945 p ; 出版社: Pocket Books ; ISBN: 067168390X ; (1988/12/15)

『Streets of Laredo』/Larry McMurtry \918
マスマーケット: 560 p ; 出版社: Pocket Books ; ISBN: 0671537466 ; (1995/11/01)
※表紙は画像と違うもの

『Dead Man's Walk』/Larry McMurtry \918
マスマーケット: 528 p ; 出版社: Pocket Books ; ISBN: 0671001167 ; (1996/06/01)

『Comanche Moon (Lonesome Dove)』/Larry McMurtry \918
マスマーケット: 703 p ; 出版社: Pocket Books ; ISBN: 0671020641 ; (1998/06/01)

『Hidalgo: The Junior Novelization』 (Junior Novelization)/Kim Ostrow \573
ペーパーバック: 119 p ; 出版社: Random House Childrens Books ; ISBN: 0736421696 ; (2004/02/10)


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2004年05月19日(水)
総合英語(3)&アメリカ南部映画祭(1)

今日は、ちょうど出かける時になって雨が降りだした。台風2号。昨年も、授業がある日に限って、雨の日が多かったが、今年もそうなんだろうか?と早くも心配。帰りには、かなりの降りになっていて、それでも歩いて帰ってきたので、服もリュックもびしょびしょ。テキストから何から、すっかり濡れてしまった。

今日のポイントは、音読を心がけよ!

音読は、一番脳が活性化するのだそうだ(科学的根拠あり)。たしかに声に出して読むと、文章の構造がはっきりと意識できるような気がする。毎回テキストの暗記をさせられているのだが、黙って読んでいるより、音読したほうが、より記憶しやすく、忘れにくい。ちなみに、ボケ防止にもいいらしい。


さて今日から6回の予定で、「アメリカ南部映画祭」が開催されるので(詳細はこちら)、早速参加してきた。今回はジェームズ・バーダマン先生の担当。最初に先生の解説を聞き、それから観たので、複雑な内容だったが、わかりやすかった。

映画終了後には、青山先生、村田先生のお話や、生徒の感想発表もあり、単なる映画鑑賞ということだけでなく、しっかり勉強にもなる有意義な催しで、今日は授業を二つ受けたような感じ。

第1回目は、「Amistad」(邦題「アミスタッド」1998年、邦訳『アミスタッド』)。
監督:スティーブン・スピルバーグ、出演:モーガン・フリーマン、ナイジェル・ホーソーン、アンソニー・ホプキンス、マシュー・マコノヒー。
1839年に実際にあった事件にもとづいた作品。スペイン人に奴隷として買われて「アミスタッド号」で輸送されていた黒人たちが反乱をおこし、船を乗っ取る。それを捕まえたのはアメリカの沿岸警備隊。黒人たちは殺人罪に問われ、アメリカで法廷に立つこととなり、注視の的になる。

※アメリカの南北戦争や奴隷解放には、不勉強ゆえ、いろいろわからないことがあるのだけれど、これはこれで「正義が勝つ」といった内容で、奴隷解放などの問題うんぬん以前の、人間の姿として感動できる内容だった。

しかし史実はどうあれ、黒人をなぜ「奴隷」にしようなどと思うのだろう?白人よりも黒人のほうが美しいし、力的にも勝っていると思う。黒人たちと並んだ白人の、なんとみっともないこと。これは単純に美的な感覚で言っているだけのことだが、白人が一番偉いだなんて、一体誰が考え出したのか?アフリカから勝手にさらってくるというのも、どこかの国の「拉致」と一緒で、非常に野蛮な行為だ。

それにしても、アンソニー・ホプキンスはすごいと思った。特に好きな俳優ではないのだが、ホプキンスが出ると、途端に映画に重厚さが増すといった感じ。モーガン・フリーマンも重鎮だと思うが、ホプキンスの前ではかすんでしまう。

個人的なことを言えば、黒人側の一見冴えない弁護士が、マシュー・マコノヒーかな?違うのかな?とずっと考えていて、マコノヒーだとわかっていたら、もう少し落ち着いて観られたかも、と。彼は、わりにカッコイイ役どころが多いので、こういう役は予想外だった。


●次回は、ヴィム・ヴェンダース監督の「The Soul of a Man」(2003年)。日本ではまだ未公開で、今年の9月に公開される予定。


〓〓〓 BOOK

◆BOOK・OFF(明治通り店)

『ダルタニャン物語(4)謎の修道僧』/アレクサンドル・デュマ \105
内容
四十にして惑わずの域に達した四銃士は、いまやフランス宮廷界に大きな影響力を持つに至る。中でも主人公ダルタニャンは、フロンドの乱で無秩序状態となったパリから幼王、大后、宰相を救う大活躍でルイ王朝の危機を間一髪で救う。そんな中で、四人の銃士たちは英国で国王派とクロムウェル派に分かれて激突する。しかし史実に基づく壮絶な権力闘争と戦争の陰で、生母処刑の秘密を知った、妖婦ミレディの息子が僧形で、母の復讐に燃えて四銃士たちを凝視していた。密かに四銃士たちに迫る魔の手!

『ダルタニャン物語(5)復讐鬼』/アレクサンドル・デュマ \105
『ダルタニャン物語(6)将軍と二つの影』/アレクサンドル・デュマ \105
『ダルタニャン物語(8)華麗なる饗宴』/アレクサンドル・デュマ \105
『ダルタニャン物語(9)三つの恋の物語』/アレクサンドル・デュマ \105
『ダルタニャン物語(10)鉄仮面』/アレクサンドル・デュマ \105
『ダルタニャン物語(11)剣よ、さらば』/アレクサンドル・デュマ \105
※以上は単行本にリンク。実際購入したのは文庫版。

『狼の時』(下)/ロバート・R・マキャモン \105
『アッシャー家の弔鐘』(下)/ロバート・R・マキャモン \300


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2004年05月18日(火)
『ミステリー・ウォーク』

あれこれあって、なかなか読めなかったマキャモンの本を、やっと読めるようになった。すっごく読みたくて仕方がなかったのに、他の本を先に読まなくてはならない状況で、苦しい思いをしていた。読書会の『レベッカ』も読み終えたし、ようやくマキャモンが読める!という感じ。

とりあえず出版順にと思い、『ミステリー・ウォーク』から読み始めたが、すぐに引き込まれて、本を閉じるのが辛い。それに、この文庫版は復刊されたのだろうか、2003年の出版になっているのだが、あとがきには青山先生の解説が載っている。それを読んだら、まるで授業を受けているような感覚に陥った。

アメリカ南部についての言及や、はっきりと何年とは書いていないけれども、文中に出てくる音楽や出来事で、時代が明確に記されているなどというのは、何度か聞いたことがあるなと、懐かしく思い出した。

『ミステリー・ウォーク』は、これまでに読んだマキャモン作品よりも、より南部色が濃く、いかにも南部の話といった出来事がたくさん出てくる。今週から開催される「アメリカ南部映画祭」に合わせて読むには、最適な作品だと思った。

マキャモン作品の翻訳はみな良いので、できれば翻訳で読みたいのだが、絶版や在庫切れが多くて、これまでになんとか集めた本以外は、原書で読まなくてはならないというのが残念。

『ミステリー・ウォーク』〈上〉/ロバート・R. マキャモン (著), Robert R. McCammon (原著), 山田 和子 (翻訳)
文庫: 388 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 4488558011 ; 上 巻 (2003/10)
内容(「BOOK」データベースより)
ビリー・クリークモアが母から受け継いだのは、死者の魂を鎮める能力だった。だが、人々は彼に冷たく、疑いに満ちた目を向ける。そんなある日、伝道者ファルコナーが、治癒の奇蹟を起こす息子ウェインを連れて町にやって来る。だが、ビリーが伝道集会で見たものは…?『少年時代』『遙か南へ』を経て、久々の長編『魔女は夜ささやく』に至るマキャモン文学の源流、待望の復活。


昨日、キャサリン・コールターの<FBIシリーズ>について書いたが、日本で翻訳された1作目が『迷路』で、原書では2作目にあたるようだ。実際この<シャーロック&サビッチ>シリーズは、もう10冊近く出ているようなので、翻訳で読む場合には、どれが1作目なんてことは関係がなさそう。英米の評価を見ると、その中でも『迷路』が一番面白そうだから、それが日本でまず最初に訳されたのだろう。


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2004年05月17日(月)
「迷路」の次に「袋小路」で「買い物中毒」

昨日買った「ドイツ製ポット型浄水器」、最初にカートリッジを20分ほど水に浸しておき、それから本体に装着して水を入れるとあったので、その通りやった。そして、それをごくごく飲んで、「まずくないよ、全然OK!」などと喜んでいたのだが、装着してから2回分は、活性炭の煤が出るので水を捨てなさいと書いてあるのを見逃していた。うげげ!

今日になって、アポロ13号が説明書を読み、最初の2回分は捨てたか?と聞く。なんですって!ちょっと遅いよ!1回分は飲んじゃったよぅ~!そういや、底のほうに黒い煤がたまっていた。でも、活性炭の煤くらいじゃ死なないだろう。べつにまずくなかったし。(^^;

ところで、前にキャサリン・コールターの『袋小路』をBOOK・OFFで買ったのだが、これは<FBIシリーズ>の2作目だった。実は、私自身はそのことを知っていたのだが、アポロ13号が読みたいというので、黙って貸したところ、「これは2作目じゃないか」と指摘されてしまった。

自分が読む時には、シリーズものはやっぱり1作目からじゃないと、と思うのだが、人がこれを読みたいと言う場合は、1作目だろうと2作目だろうと、読みたいというんだからいいんじゃない?と、思えてしまう。1作目から読みなさいと強制するものでもないだろう、なんて。

でも、近くのBOOK・OFFに1作目の『迷路』が半額で売っているのも知っていて、早く100円にならないかなあと思っていた。アポロ13号が『袋小路』を読んで、面白いと言うなら、半額でも買おうかななどと計画を立てていたのだが、指摘されてしまってはしょうがないので、買ってきた。

ついでに、ソフィー・キンセラの『レベッカのお買いもの日記(2)』も買ったのだが、これって、前に読んだ『買い物中毒のひそかな夢と欲望』(扶桑社)の続編だよね?『レベッカのお買いもの日記(1)』(ソニーマガジンズ)というのもあるんだけど、それと『買い物中毒のひそかな夢と欲望』は、同じものだよね?主人公同じだし・・・と、さんざん悩んだあげく、たぶん続編のはず!と思って買ってきた。

これの原書もまたややこしくて、タイトルも似ているし、表紙も似ているので、どれが1作目で、どれが2作目だったっけ?といった具合。『買い物中毒のひそかな夢と欲望』は、すごく面白かったので、続編は原書で読んでみようかと思ったこともあったが、どれがどれだかという感じなのでやめた、という経緯もある。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『レベッカ』 (下巻)/デュ・モーリア (著), 大久保 康雄
カバーより
仮装舞踏会の翌朝、海中に沈められていたレベッカのヨットから、埋葬されたはずの彼女の死体が発見された。はじめて夫から聞かされる彼女の死にまつわる恐るべき真実。事件は、レベッカを死の直前に診察した医師の証言から急速に展開し、やがて魔性の貴婦人のベールが剥がされる・・・。息詰る物語の展開の中に、ロマンの香りを織り込んだすぐれたサスペンス・ドラマである。


◆BOOK・OFF

『迷路』/キャサリン・コールター \500
文庫: 518 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 二見書房 ; ISBN: 457603135X ; (2003/07)
出版社/著者からの内容紹介
被害者はみな廃屋に組んだ迷路を歩かされ、舌を切り取られていた――七年前サンフランシスコを震撼させた猟奇連続殺人。かつてこの事件で姉を失ったレーシーは、FBI捜査官となったいまもひそかに犯人を追い続けていた。そんななかボストンで再び同様の事件が!レーシーは敏腕捜査官サビッチの協力を得て犯人を追いつめるが、封印した過去を解き放ち、自ら迷路の入り口に立とうとしているとは気づくはずもなかった……。全米ベストセラーの傑作ラブサスペンス!

『レベッカのお買いもの日記〈2〉NYでハッスル篇』/ソフィー・キンセラ \450
文庫: 422 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: ソニーマガジンズ ; ISBN: 4789721493 ; 2 巻 (2003/11)
内容(「BOOK」データベースより)
いまやTVで売れっ子の金融コメンテーターとなったレベッカ。かつての「お買いもの」でつくった請求書の山もキレイに払い終わって、若手実業家ルークとも熱愛中―となにもかも順風満帆!のはずだったけど…。そんな時、NYに進出するルークに誘われて下見に同行、浮かれてお買いものしまくるレベッカだったが、どこから漏れたのか、悲惨な借金地獄を『デイリー・ワールド』紙に暴露されてしまう。仕事はすべてパアになり、ルークとの仲も最悪に。ついに職なし、お金なし、恋人なしに逆戻り…さあ、どうするレベッカ!?ロンドン発NY経由のベストセラー小説、絶好調の第二弾。


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2004年05月16日(日)
西口制覇、ヨドバシカメラ

居間の電灯がつかなくなってしまった。蛍光灯が切れたのかと思って取り替えてみたが、ダメ。寿命か、と諦めて(アポロ13号が、部屋の中でゴルフクラブを振り回していて壊した線も濃厚)、ヨドバシカメラに買いに行った。

べつにヨドバシと決めていたわけではない。新宿西口の電気屋街に行けばあるかと思って西口に行ったのだが、気が付けば、ヨドバシしかなくなっていたのだ。サクラヤがひとつあったが、あれ?もっとあったはずだよね、ソフマップとか、オウムがやってたパソコンショップはどうなったの?という感じ。そういえば、東口にはやたらサクラヤが増えたなと今頃気づく。

つまり、「東口のサクラヤ」対「西口のヨドバシ」という構図なわけだ。で、中間にビッグカメラか。こういう店には、そう頻繁に行くわけでもないので、いつの間にかこうなっていたことに、驚いた。

大きなマッサージチェアで揉んでもらって、最近のはすごいなあ、でも今いち私のツボに合わないのよねと文句をつけてみたり、外国の図書館にあるようなデスクランプが欲しいなあなどと、あれこれ見ているうちに、ついつい「ドイツ製ポット型浄水器」を買ってしまった。

でも、これは便利だと思う。ポット型なので、水道から水を入れて、そのまま冷蔵庫に入れられる。自然の重力で水が落ちてくるので、直接蛇口につけるタイプより、しっかり濾過ができるらしいし。

何といっても、毎日重たいミネラルウォーターを買いにいかなくて済むのが嬉しい。2ヶ月に一度、カートリッジを交換しなくてはならないが、あれこれ計算しても、ミネラルウォーター(最低1本100円として)を買うより、断然お得だ。味も悪くないので、これは正解だった。


青山先生から、早稲田で開催される「アメリカ南部映画祭」のお知らせをいただく。毎週水曜日の夕方、6回にわたって開催されるらしい。無料。水曜日は授業があるし、ちょうどよかった。原作も大好きな「クレイジー・イン・アラバマ」が一番楽しみだが、どれも面白そうなので、全部観る予定でいる。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『レベッカ』 (上巻)/デュ・モーリア (著), 大久保 康雄
カバーより
モンテ・カルロで知り合った英国紳士に望まれ、マンダレイの邸に後妻にはいった“わたし”を待ち受けていたものは、美貌と才智に包まれた先妻レベッカの不気味な妖気が立ちこめ、彼女によって張りめぐらされた因習と伝統に縛られた生活だった・・・。不安と恐怖に怯えながらもひたすらに愛を捧げようとする、若く純粋な女性の微細微妙な心理を追及したミステリー・ロマン。


◆Amazonから

『The Fellowship of the Ring : Book One of the Lord of the Rings』/J. R. R. Tolkien (著), Rob Inglis (朗読) \4883
Audio, CD16枚, アメリカ版
出版社: Recorded Books ; ISBN: 0788789813 ; Unabridged 版 (2001/12/01)

『The Two Towers : Book Two of the Lord of the Rings』/J. R. R. Tolkien (著), Rob Inglis (朗読) \4883
Audio, CD14枚, アメリカ版
出版社: Recorded Books ; ISBN: 078878983X ; Unabridged 版 (2001/12/01)

※完全朗読版CDを、とうとう購入してしまった。短縮されていないのは、この版だけらしい(イギリス版もあるが、中身は一緒のようだ)。本当は全部まとめてひとつになっているものが欲しかったのだが、ずーっと在庫切れなので、諦めた。ギフト券があったので、思い切って。「Book Three」は、後日。


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2004年05月15日(土)
本の世界への逃避

よくアポロ13号に、「本なんか現実からの逃避じゃないか」と言われる(彼が本を読むのを嫌いだということではない)。そう言われれば、そうなのかもしれない。

本には好きな登場人物ばかりが登場するわけでもないし、すべての本が面白いわけでもないが、本は絶対に私を裏切らない。私が自ら捨てない限り、どんな本だって、あくまでもそこにあって、私を待っていてくれる。どんな扱いをしても、本は私を責めない(褒めてもくれないが)。文句も言わない。

ただ、本と通じ合った時には、素晴らしい感動を与えてくれる。通じ合うということは、多分に自分自身の経験も合わせた上でのことだと思うから、そういった意味で、本は非常にパーソナルなもので、その感想を他人と共有するといったようなことは、本当は意味のないことなのかもしれない。

現実に嫌なことがあると、たしかに現実を考えなくてすむ本の世界に没頭する。もしくは、現実の世界の言葉ではない、コンピュータ上の言語の世界に浸る。ということは、それらは現実からの逃避と言われても、仕方のないことなのだろう。

人間、長く生きれば生きるほど、嫌なことを経験することが多くなる。それに目くじら立てて怒っているうちは、まだ若いのかもしれない。感情をそのまま表に出せるうちは、まだまだ経験も足りないのかもしれない。年とともに、徐々にあきらめの境地に入り、さらにたくさんの本の世界に入り浸っていくのだろう。そうやって、人間死ぬときは自分一人なのだと悟っていくのかもしれない。

だったら、自分の好みでない本とか、面白くないと思う本を読んでも、時間の無駄だ。時間の無駄は何も本のことだけではない。自分に不必要だと思うことや、マイナスになると思うことは、どんどん切り捨てていくべきだろう。かといって、自分の価値観を他人と比較したり、押し付けたりしても無意味だ。来るものは拒まずだが、去るものは追わず。人には期待せずといったところか。

雨ニモマケズ、風ニモマケズ、
「孤高のカウボーイ」ノヨウナ、
ソウイウモノニ、私ハナリタイ。
「ターミネーター」デモイイケレド・・・


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2004年05月14日(金)
『Good In Bed』

Jennifer Weinerの『Good In Bed』を読み終えた。これも「BJ系」かな?と思って、気楽に読めるだろうと思っていたら、案外重たいテーマがぎっしり書かれていて(文章的には「BJ」っぽいのだけれど)、かなり時間がかかりそうだったのだが、夕べなんとなく眠れなくて、夜中に一気に読んだ。

「とびきりのユーモアで綴った・・・」というのは、ちょっと違う気がする。ユーモアは、ほとんどない。文章が「BJ」っぽい独白だから、お気楽な感じを受けるが、この主人公の人生は、結構きつい。いや、ブリジット・ジョーンズだって、その他の本の主人公だって、みんな人生はしんどいものだと思って、一生懸命に生きているんだと思うけど。シチュエーションが違うだけで、それぞれ皆辛い思いをしているんだろうけど、今回の『Good In Bed』は、ちょっと深刻。とはいえ、この手の小説で、ブリジット・ジョーンズを超えるキャラクターは、まだ登場していないように思う。

それにしても、こういう小説の登場人物とかって、だいたい出版社だとか新聞社なんかに勤めていて、コラムなんかを書いていたりするんだけれど、コラムって、あんなに赤裸々に自分のプライベートなことを書いちゃうわけ?といつもびっくりする。

下にある内容説明にもあるように、今回もえ?とびっくりするような内容のコラムを書いている(元彼が)。こんなのあり?それってOKなの?って感じ。私がコラムというものを誤解しているんだろうか?とも思うが、世の中には、そんな赤裸々なコラムを、喜んで読む人がいるんだなと。

フィクションなんだから、そういうことはどうでもいいんだろうけど、この間読んだ『ガールズ・ポーカー・ナイト』のコラムもすごかった。上司との関係を全国紙に書いてしまうんだから、何を考えているんだろう?って感じ。

でも、毎度思うんだけど、こういう小説に出てくるような責任感のある優しい女友達って、ほんとにいるのか?と疑う。落ち込んでいたりすれば、必ず元気づけにつきあってくれるとか、何事かあれば、いろいろ助けてくれたりとか・・・。

だいたい結婚なんかしてしまえば、家庭のことが一番で、友達なんか二の次でしょう。自分の家庭が世界の中心みたいになってしまうんだから。結婚すると、もう明らかに付き合い方は変わってしまう。それぞれの家庭の都合ってものがあることはわかるけど、人間そのものが変わるわけじゃないのに、女同士はなぜそうなってしまうんだろう?こういう小説を読むと、そもそも友達だと思っていたのが間違いだったのか?とも思ってしまう。たぶん、きっとそうなんだろう。

そういう意味では、男の人っていいなと思う。結婚しても付き合いは変わらないし、長年会っていなくても、その間にある友情は変わっていない。最近お気に入りのコーマック・マッカーシーの小説には、そうした男の友情みたいなことも描かれていて、無駄口はきかないけれど、ちゃんと相手のことを思いやっているし、お互いに何かあれば助け合うという信頼感みたいなものがあるのが、とてもうらやましいと思った。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『Good in Bed』/Jennifer Weiner (著)
内容(「BOOK」データベースより)
主人公:キャニー・シャピロ。28歳。独身。「ブリジット・ジョーンズとアリー・マクビールを足したくらい月並み」と嘆くキャニーのもとに届いた、信じられないくらい最悪の知らせ。元彼のブルースが、「グッド・イン・ベッド―抱かれ上手な女になるために」と題された人気雑誌のコラムに、ふたりのセックスライフを、そして彼女の体型までも事細かに書いたなんて!それをきっかけに、月並みなはずのキャニーの人生は、めまぐるしく変わりはじめる。恋や仕事、ダイエット、将来への不安…女性はいつも、たくさんの悩みを抱えながら生きている。それを一点の曇りもない誠実さと、とびきりのユーモアで綴った、ジェニファー・ウェイナーのデビュー作。自分の居場所を探し求めるすべての女性へ―笑いと涙と勇気を与えてくれる、最高のプレゼント。


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2004年05月13日(木)
文壇バー「風紋」

昨日は、どん底で田中さんの誕生パーティがあった(還暦!)。ケーキに立てられた60本のロウソクは壮観だった。疲れていたから、酔いつぶれるんじゃないかと心配だったが、なんとか最後まで持ちこたえた。おかげで今日は、体の節々が痛いし、二日酔いだし、人間として全く使い物にならなかった。

主役の田中さんが、文壇バー「風紋」に行きたいと言うので、久々に行ってみたが、文壇バーと言われている割に、私は一度も文壇の人に会ったことがない。新元良一さんが、先日帰国した時に「風紋」に行ったと言っていたので、「この間、新元さんがいらしたでしょう?」と聞いたら、「ああ、新潮社の人と一緒にいらした方ですね」で、話が終わってしまうくらいなのだ。静かで落ち着いた大人の雰囲気の、とてもいいバーだが、「文壇バー」と言われる所以が、まだよくわからない。

そもそも田中さんは三島由紀夫の友人で、わざわざ「風紋」に行かなくても、そのあたりの話題には事欠かないのだが、というか、実はどん底にも文壇の人は昔からたくさん来ていて、あそこも立派な「文壇バー」と言えるだろう。田中さんによれば、銀座界隈で遊んでいた文壇人たちが、バブル景気になって銀座に嫌気がさし、新宿方面に流れてきたとのこと。今をときめく誰々は、どこどこの店でバイトしていたとか、そんな話もよく聞く。実際、新宿三丁目には、「文壇バー」と呼べる店はいくらでもある。

ただ、私は日本文学に疎いので、その場に有名な作家がいても、ほとんど気が付かないでいるらしい。夏目漱石とか、芥川龍之介くらいに、教科書にも載っていて、全国的に顔が知られているならともかく、現代の作家の顔など、ほとんど知らない。そして、その人が自ら名乗らない限り、誰もそんなことは教えてくれない。とある強面の作家に(芥川賞を蹴ったことで有名)、知らなかったこととはいえ、「ヤがつくご職業ですか?」と聞いてしまったこともある。本当は、顔に似合わず、優しくていい人だったのだけど。

でも、文壇関係の人が来るとか来ないとかはともかく、こういった場所には、日本文学に興味を持っている人はたくさんいるのだが、外国文学について語れる人は、ほとんどいない。そこがちょっと不満で、私が「文壇バー」に特別魅力を感じていない所以でもある。自分の好きな作家や本について話ができるのなら、なにも文壇バーでなくていいわけだし。


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2004年05月12日(水)
総合英語(2)

今日は午前中に病院、午後から学校というスケジュールで、合計2万歩以上になった。このところ、普段は運動をしていないので、いきなり2万歩はかなりハード。疲れ果てた。

授業中に、早稲田の応援歌「紺碧の空」が聞こえてきて、ああ、応援団が練習しているのかな?早慶戦はいつだろう?などと思っていたのだが、あとで「早稲田スポーツ」をもらって見たところ、体育会系の新人パレードがあったようだ。古本の青空市をやっていたので、そちらに気をとられ、新人パレードのほうは全然気が付かなかった。ラグビー部の新人を見るチャンスだったのに。

ところで、語学の授業って、こんなに細かいのかと思った。2回目の授業で、まだテキストの1話目が終わらない。全ての文章を解説していくのだから、それもそのはずで、ノートを取るのも何ページにも及ぶ。その上、そこから派生する事柄にも解説が広がるので、枝葉の部分にも時間がかかる。ここまで解説してもらえるのは、やっぱり生の授業でなければできないだろうと思う。

この授業は、さぼろうと思えばいくらでもさぼれる。予習も復習もせず、ただ出席するだけでもOKだ。きっちり習得しようと思ったら、自分の努力以外にないということなのだ。横山先生お薦めの参考書を購入したと言ったら、「最低5回は繰り返しやりなさい」とのことだった。

「語学は毎日の積み重ねと繰り返し」

であるとのこと。一番苦手かも。(^^;

でも、ここでしっかり基礎を勉強し直せば、原書ももっとスムーズに、深く理解できるようになるだろうことは間違いないと思う。


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2004年05月11日(火)
メアリ・ユカリ・ウォーターズ&マイケル・シェイボン

◆MARY YUKARI WATERS'S MIRROR STUDIES SELECTED FOR BEST AMERICAN SHORT STORIES 2004

Mary Yukari Waters's story Mirror Studies, from the Summer 2003 Foreign Affairs Issue of Zoetrope, has been selected for Best American Short Stories 2004. It's a gorgeous story and an honor well deserved. Congratulations, Mary. Please find the story online at:
http://www.all-story.com/issues.cgi?action=show_story&story_id=194.(ここで全文が読めます)


メアリ・ユカリ・ウォーターズ。去年授業でやった作家だが、今度の作品にも「Kashigawa district」とか、おかしな固有名詞が出てくる。というか、「Kashigawa district」って、前にも出てきたっけ?お気に入りなのかな。今回は、Endoさんという医者の話。「Asahi Shimbun」とか、「NHK's thirty-minute Rural Getaways show」なんかも出てくる。ちなみに「Rural Getaways show」ってなに?

「Red Monkey Inn」は「赤猿旅館」?「旅館・赤猿」?
それに、相変わらず“The monkeys today sure liked them, ne?”とか、“Soh soh, wartime cuisine,”といった、妙な会話も出てくる。妙なのは、猿のこととかではなくて、最後に「・・・、ね?」とつけるところとか、頭に「そうそう、・・・」といった日本語の相槌のようなものが入るところ。

これがメアリ・ユカリ・ウォーターズの持ち味というか、個性なんだろうけど、やっぱりおかしい=面白い。これがベストに選ばれたというのは、へええ~という感じ。だって、このおかしさって、日本人でなければわからないんじゃないかと。でも、当然こういう部分だけで評価されているわけでもないんだろう。日本人だと、ついついそういう部分に目がいってしまうけど。


◆SAN FRANCISCO

~ Thursday, May 20, 7:00 PM ~

Valencia Street Books hosts Thrilling Wonder Tales: A border-crossing evening of readings and discussion by Michael Chabon, Terry Bisson, and Claire Light. Moderating are Charlie Anders and Jeremy Adam Smith. Sponsors include the Speculative Literature Foundation, Zoetrope: All-Story, Borderlands Books, other magazine, Emerald City, NFG Magazine, Watchword Press, and Kitchen Sink Magazine.

Valencia Street Books is located at 569 Valencia St., between 16th and 17th. Cost: $5-10, sliding scale. All proceeds go directly to the Fountain Award. For more information, email exformation1@yahoo.com.

サンフランシスコの本屋で、マイケル・シェイボンが他の作家たちと一緒に、朗読とディスカッションをするという記事。マイケル・シェイボンのファンで、5月20日にサンフランシスコに行ける方は、ぜひともご参加を!詳細はメールでお尋ねください。(^^;


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2004年05月10日(月)
<国境三部作> 『平原の町』

コーマック・マッカーシーの<国境三部作>の三作目、『平原の町』を読み終えた。これは、先に読んだ『すべての美しい馬』の続編なのだが、こういう展開になってしまうのか!という感じで、ちょっと悲しい。

『すべての美しい馬』よりもカウボーイの描写は多いのだが、「孤高のカウボーイ」というイメージは、『すべての美しい馬』のほうが強かった。今回は恋愛問題がからんでくるので、「孤高の・・・」という雰囲気はちょっと合わない(ヴィゴっぽくないと言うべきか?)。主人公以外のすべての人間が、その恋愛に反対しているように、私も読みながら、やめたほうがいいのに・・・と思っていたので、結末がどうにも切ない。

文体は相変わらずで、これは誰の会話?と思うところもしばしばだったが、2冊目なので、そのあたりは慣れ。恋愛部分の描写は上手いとは言えないし、妙に難解な哲学っぽい文章もあると思ったが、時折はっとするような描写があって、これはすごい作家だと思った。

マッカーシーは、アメリカ東部に生まれながら、南部作家としてデビューしたというのも初めて知った。それからテキサスに移って、西部作家になったとのこと。

『サロン・ドット・コム』によれば、「ジェイムズ・フェニモア・クーパー(『モヒカン族の最後』の著者)こそ、その最良の面でも最悪の面でもマッカーシーの真の先達である」のだそうだ。なるほど。

同著によれば、マッカーシーの文句なしの傑作は『血の子午線』(『Blood Meridian』)で、この四半世紀にアメリカが生んだ最もすぐれた小説のひとつと言われている。ちなみに日本では未翻訳。これも読んでみたいが、マッカーシーを原書でというのは、どうだろう。。。

似ているところで、ラリー・マクマートリーなどもいるようだが、マクマートリーの本は、なにげに買ってあったりする。そうか、このあたりも西部小説になるんだなと、今頃気づく。

●『サロン・ドット・コム』より
(国境)三部作は文章の出来も一様ではない。ある箇所は出来の悪いヘミングウェイのようだし、別の箇所は出来の悪いヘミングウェイのスペイン語訳からの重訳のようである。プロットはまとまりを欠き、時には哲学めいた駄弁の浅瀬に乗り上げてしまう。にもかかわらず、3冊とも息を呑む見事な描写が繰り返し現れるし、人間と動物との間に生じる関係にも思わず感動させられる。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『平原の町』/コーマック マッカーシー (著), Cormac McCarthy (原著), 黒原 敏行 (翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
1953年、十九歳のジョン・グレイディは、メキシコとの国境近くの小さな牧場で働いていた。馬の扱いにかけては天性の才能をもつ彼は、ビリーをはじめ年上のカウボーイたちにも一目置かれていた。そんなジョン・グレイディが、娼婦というにはまだ幼いマグダレーナと激しい恋に落ちる。ふたりは密かに結婚を誓い合い、ジョン・グレイディは愛馬を売る決心までする。その固い決意に説得をあきらめたビリーもマグダレーナの足抜けに力を貸すが、非情な運命はふたりを引き裂いた…。苛酷な世界に逆らい、烈しく直情のまま生きる若者の生きざまを、鮮烈に謳い上げる、アメリカ青春小説の記念碑。


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2004年05月09日(日)
崖の国物語

崖の国物語の4巻目を読了。これは、まだあまり貸し出しされていないようで、何もついていなかったので、ほっとしてじっくり読めた。

こういうシリーズものは1巻目が重要だと思うが、これも例外ではなかった。でも、4冊の中でどれが一番面白かったかというと、4巻目だ。3巻までの主人公とは違うので、4巻目だけを読んでも差し障りはないと思うけれど、3巻目までの内容を踏まえているのと、そうでないのとでは、面白さは違うと思う。ああ、こういうことだったのか!と思う部分がたくさんあるからだ。3巻目までに、その伏線がとてもうまく仕掛けられている。

それに、主人公たちが正統派のヒーローであるところも、個人的に気にいった理由。イラストから想像していたようなドタバタさはなかったし、科学的にもよく考えられている(というか、科学の常識を覆すような世界の設定が面白い)。良くできたファンタジーだ。

1、2巻は原書で読んだけれども、翻訳も自然で良かった。児童向けの本は、会話部分でずっこけるものが多かったりするが、これには、ほとんどそういうことはなかった。おそらく翻訳が気にいらないだろうと思って、とりあえず原書を買っておいたのだけれど、これは見当違いだった。

ところで今日は、Amazonから「LOTR」のサウンドトラックCD3枚組が届いた。DVDがあるから(「王の帰還」はまだだが)、サウンドトラックはいいやと思っていたのだけれど、3枚組でこの値段だったら、あってもいいかと。一気にするっと3枚聴けてしまった。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『崖の国物語(4)ゴウママネキの呪い』/ポール・スチュワート
内容(「MARC」データベースより)
時は溯り、トウィッグの父・クウィントの青年時代。父の飛行船で空賊として活躍するクウィントは、ある日、父の盟友で神聖都市の最高位学者であるリニウスの助手として預けられるが…。人気の英国ファンタジー第4弾。
※原書 『The Curse of the Gloamglozer (Edge Chronicles, 4)』


◆Amazonから

The Lord of the Rings [3 CD Set]
[LIMITED EDITION] [IMPORT] [SOUNDTRACK] [BOX SET]/Original Soundtrack \4128
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ3作のサウンドトラックをまとめた限定ボックス・セット。ランダムに18枚のコレクターズ・カードを封入。


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2004年05月08日(土)
実家へ

今週は母の日があるので、実家に帰省。
都内の道路と、高速を降りてからの道路が込んでいて、途中でお墓参りをしたし、家に着いたのは夕方になってしまった。弟一家も来ていたのだけれど、夕方着いたおかげで、姪たちとの一騒ぎは短時間で済んだ。(^^;

庭の草の匂いに、ああ、空気が違うなと感じ、東京の下水の匂いのする空気がたまらなく嫌になった。けれども、田舎に住み、自分が自然を所有するのはできない。時々自然の中に出かけていくだけで我慢するしかない。庭などあればあったで、子どもの頃は「庭掃除をしなさい」「草むしりをしなさい」といわれるのが嫌で仕方がなかったし。

いつもは、会えば愚痴ばかりこぼしている母だが、アポロ13号と藤沢周平の本の話で盛り上がっていたのが、なんとなく嬉しかった。


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2004年05月07日(金)
本棚のバーナード・マラマッド

崖の国物語の3巻目を読み終えた。鼻毛がいっぱいついていて気持ちが悪いので、読まずに返そうかと思ったが、主人公トウィッグが登場するのはこれが最終巻なので、我慢して急いで読んだ。物語はこのあともまだ続くのだが、話は大昔に飛んでしまう。

それにしても、鼻毛をつけたやつは本当に迷惑なやつだ。ぞっとして気もそぞろになり、ここは感動する場面じゃないのか?と思いながらも、感動などできるわけがない。一番いい場面だっただろうに、ああ、むかつく!今度から、図書館で借りる場合には、中身もじっくり調べてからでないと、借りられない。

たまたまAmazonから、バーナード・マラマッドの本が届き、新しい本というのは、なんと気持ちが良く、心休まることだろうと、つくづく実感。これまでに買ったマラマッドの本(短編全集を含む)を本棚に並べて、しばらく眺めていた。短編集を早く読まなきゃ!と思っていたが、その眺めが美しいので、しばらくこのままにしておきたい。というわけで、マラマッドは当分読めないだろう。(^^;


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『崖の国物語(3)神聖都市の夜明け』/ポール・スチュワート
内容(「MARC」データベースより)
虚空の嵐の中で崖の国存亡に関わる重大な任務を与えられたトウィッグだが、地上に墜落した時にはその記憶は失われていた―。崖の国は救われるか? 崖の国を縦横無尽に巡って展開する人気の英国ファンタジー第3弾。
※原書 『Midnight Over Sanctaphrax (Edge Chronicles, 3)』


◆Amazonから

『The Fixer』/Bernard Malamud \1364
ペーパーバック: 360 p ; 出版社: Farrar Straus & Giroux ; ISBN: 0374529388 ; (2004/04/01)

※マラマッドの長編は、これで4冊目。Farrar Straus & Girouxの版が好きなので、この作品は、ここから出るまで待っていた。

『Lord of the Rings Journal: Green/Tree』/Cedco \1337
ハードカバー: 96 p ; 出版社: Cedco Pub ; ISBN: 0768325811 ; (2002/08/01)

※ゴンドールの「白の木」バージョン。中身も「白の木」柄。日付なし。B6版程度の大きさ。


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2004年05月06日(木)
図書館の本

図書館で無料で本が借りられるのは有難いことなんだけれど、時々げげーっ!と思うような本がある。古本でもそうなのだが、見ず知らずの他人の髪の毛が入っていたり、何だかわからない何かをこぼした痕跡があったり・・・。だから、図書館の本にしても、古本にしても、とりあえず除菌効果のある濡れティッシュとかで拭いてから読んでいる。

この間借りた本には、鼻毛(らしきもの)がいっぱいついていた。2、3本なら、たまたまとも思うが、数ページにわたってついていた。本も最後の頃だったので、我慢して読んだが、すっごく気持ちが悪かった。

そして、今回借りた本にもまた鼻毛(らしきもの)が大量に!しかも根元の粘着質の物質まで!ということは、鼻毛なのかな?まさか!と思っていたが、やっぱり鼻毛なんだろう。これもまた2、3ページどころではなく、ほぼ本の半分にも至るページに、ご丁寧にも数本ずつついている。ここまでくると、たまたまとは言えないだろう。故意につけているとしか思えない。

どちらも児童書のコーナーにあった本だが、だからといって子どもがやったとは限らない。私のような大人だって借りるし、図書館には浮浪者も結構たむろしている。こういうのは愉快犯というのだろうか。いずれにしても、同一人物の仕業と思われる。

もし子どもがやったとすれば、「おれ(あたしかもしれないが)、あの本に鼻毛いっぱいつけといたんだ!あの本借りる奴がいたら、笑っちゃうよな」なんて自慢しているのかもしれない。でも、これは大人になって愉快犯になる可能性を秘めた行為だ。

恐ろしいのは、そいつが借りた2冊の本を、よりにもよって2冊とも私が借りていることだ。さほど間も置かずに!これって、そいつの好みと私の好みが一致しているということか?

これは、一大事である。もしこのまま黙って返したとして、次に借りた人がそれを指摘した場合、私も疑われるのでは?そんなことで、疑われるなんて、沽券に関わる!かといって、「あのぅ、この本鼻毛がいっぱいついてたんですけど・・・」と告発しても、この人は何を言ってるんだ?という目で見られるのではないか?

というわけで、本の内容以外のことで、あれこれ悩んでいる状態。皆さん、公共のものは、きれいに取り扱いましょう。鼻毛なんかつけるなんて、もってのほかです!人がいやな思いをしているんだろうなあと思いながら、くくく!と密かに笑ってる奴など、ろくなもんじゃない。もう、蹴飛ばしてやりたい。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『Time Stops for No Mouse (A HERMUX TANTAMOQ ADVENTURE)』/Michael Hoeye (著)
内容(「MARC」データベースより)
ネズミの時計職人ハーマックス・タンタモクは、ある日壊れた懐中時計を持ちこんだ女飛行士リンカにすっかり心を奪われてしまう。しかし、リンカは行方不明に。さあ、どうするハーマックス?! 恋と時間の大冒険がはじまった!


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2004年05月05日(水)
孤高のカウボーイ

図書館で、<The Edge Chronicles(崖の国物語)>シリーズ2巻目の『Stormchaser』の固有名詞の対訳表を作ってきた。感想を書くときに、一緒にアップしようと思う。

このシリーズが出版されたときには、どうせドタバタなファンタジーだろうから2冊も読めば十分だろうと思って、PBも2作目までしか購入していなかったのだけれど、予想を大きく裏切って、とてもよくできている物語だったため、図書館にあった3、4作目をまとめて借りてきてしまった。でも、3作目からは手元に原書がないので、固有名詞の対訳表は途中までしか作れない。

ただ対訳表まで作っても、「ハリポタ」のように超有名な作品というわけではないから、「ゴウママネキが・・・、オオハグレグマが・・・」なんて話をしても、おそらく誰にも通じないだろうというのが寂しい。(^^;

今日の図書館での一番の収穫は、コーマック・マッカーシーの『平原の町』だろう。『すべての美しい馬』が気にいったので、この「国境三部作」も買おうかどうしようかと思っていたところ。本にはさんであった貸出票によると、2作目の『越境』も図書館にあるようだから、最終的には三部作を全部読みたいと思っている。マッカーシーを気にいるなんて、全然思ってもいなかったのだが。。。

マッカーシーは、小説を書くということに独自のこだわりがあるようで、そのため彼も貧乏だったようなのだが、それに対する姿勢がオースターとは全然違う。まさに彼が描く「孤高のカウボーイ」のイメージそのままだ。詳細はともあれ、個人的にはマッカーシーの生き方のほうが好きだ。オースターの小説は好きだが、「昔はこんなに貧乏だった」というエッセイを売るオースターは好きではない。

図書館の帰りに BOOK・OFF を覗いたら、ジョン・アーヴィングの『熊を放つ』があった。これは村上春樹訳なので(実際には柴田元幸氏を含め6人がかりで訳しているのだが)、この作品だけは何としても原書で読まなくては!と思って、今まで購入していなかったのだが、アーヴィングの作品で、これだけ持っていないというのも何だし・・・。半額だから、とりあえず買っておこうかと。

これが100円だったら、ダメもとでいいんだけれど、半額でも高すぎると思うかもしれない、としばらく迷った。というか、読まなきゃよかったと思うかもしれないというのが怖い。やはり原書で読んでから、最後の最後の切り札としてとっておくべきだと思う。翻訳で読まずにすめば、それに越したことはない。


〓〓〓 BOOK

◆BOOK・OFF

『熊を放つ』(上)/ジョン・アーヴィング \450
内容(「BOOK」データベースより)
ウィーンの市庁舎公園で出会った二人の若者ジギーとグラフ。中古のロイヤル、エンフィールド700CCを駆り、オーストリアの田舎を旅する二人が見つけたものは、美しい季節の輝きと、手足のすらりとした女の子ガレン。すべてはうまく運ぶはずだった。ジギーが、動物園襲撃などという奇妙な計画を持ち出すまでは…。瑞々しく、痛々しく、優しく、そして未完成な青春を描くジョン・アーヴィングの処女長篇。

『熊を放つ』(下)/ジョン・アーヴィング \450


◆図書館

『平原の町』/コーマック・マッカーシー
内容(「BOOK」データベースより)
1953年、十九歳のジョン・グレイディは、メキシコとの国境近くの小さな牧場で働いていた。馬の扱いにかけては天性の才能をもつ彼は、ビリーをはじめ年上のカウボーイたちにも一目置かれていた。そんなジョン・グレイディが、娼婦というにはまだ幼いマグダレーナと激しい恋に落ちる。ふたりは密かに結婚を誓い合い、ジョン・グレイディは愛馬を売る決心までする。その固い決意に説得をあきらめたビリーもマグダレーナの足抜けに力を貸すが、非情な運命はふたりを引き裂いた…。苛酷な世界に逆らい、烈しく直情のまま生きる若者の生きざまを、鮮烈に謳い上げる、アメリカ青春小説の記念碑。

『崖の国物語(3)神聖都市の夜明け』/ポール・スチュワート
内容(「MARC」データベースより)
虚空の嵐の中で崖の国存亡に関わる重大な任務を与えられたトウィッグだが、地上に墜落した時にはその記憶は失われていた―。崖の国は救われるか? 崖の国を縦横無尽に巡って展開する人気の英国ファンタジー第3弾。
※原書 『Midnight Over Sanctaphrax (Edge Chronicles, 3)』

『崖の国物語(4)ゴウママネキの呪い』/ポール・スチュワート
内容(「MARC」データベースより)
時は溯り、トウィッグの父・クウィントの青年時代。父の飛行船で空賊として活躍するクウィントは、ある日、父の盟友で神聖都市の最高位学者であるリニウスの助手として預けられるが…。人気の英国ファンタジー第4弾。
※原書 『The Curse of the Gloamglozer (Edge Chronicles, 4)』


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2004年05月04日(火)
ポール・オースター 『トゥルー・ストーリーズ』

「崖の国物語」の2作目『Stormchaser』を読み終えたので、明日にでも図書館に行って、また固有名詞リストの続きを作成しようと思う。このシリーズは、どうせダメだろうという予想を裏切ってとても面白いのだが、オリジナリティあふれる作者の造語が、どんな日本語になっているのかがとても興味深い。

これを読み終えたところで、ちょろちょろと読んでいたポール・オースターの『トゥルー・ストーリーズ』を本腰を入れて読むつもりだったのだが、ああ、また貧乏話かという感じで、ちょっとこの暗さは今の気分じゃない。

彼のエッセイといえば、ほとんど貧乏話で、オースターにはもっとストイックで高潔なイメージを持っていたのに、それを崩さないでくれ!という感じ。オースターの原点は「貧乏」にあるんだろうけど、貧乏話のついでに、「淋病をもらった」なんて話が書いてあったりすると、勝手に築き上げていた美しいイメージが、音を立てて崩れていく。

これは、けしてオースターが悪いわけではなくて、私が勝手に「オースターはストイックで高潔である」と思い込んでいただけの話だから、この本が良くないという意味ではない。『すべての美しい馬』の主人公がマット・デイモンではなく、ヴィゴ・モーテンセンだと勝手に決めつけているようなものだ。

しかし、オースター独特の「偶然」に関する話は、へええ~!と思うし、後半には「9.11」に関するエッセイも載っているので、それに対する彼の考え方を知るには、重要な本だと思う。それに、貧乏が悪いというわけでもない。でもね・・・。

というわけで、これはしばらく中断。長編ではないので、中断していてもだいじょうぶと踏んで、本棚に戻した。


◆ URL変更のお知らせ

「Paperback Fan」を作成しているサーバーの都合により、8月末よりURLが変更になります。それ以降は、これまでのURLが削除されてしまいますので、お手数ですが、早めに新しいURLに変更をお願いいたします。

<新「Papaerback Fan」URL>
http://orange.kakiko.com/pink/pbfan.html


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『Stormchaser : The Edge Chronicles (2)』/Paul Stewart
内容(「MARC」データベースより)
崩れた環境バランス、そこに巣食う利権構造…。町を救うには、嵐晶石を手に入れるしかない。飛空船ストームチェイサー号は、薄明の森へ旅立つ。崖の国を縦横無尽に巡って展開する人気の英国ファンタジー第2弾。



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2004年05月03日(月)
しっかり学習するつもりで

私が今年受講している講座は、「文学」ではなくて「語学」だ。もう一度基礎をやり直すつもりで取ったわけだが、自分でもそれを忘れそうになるので、講師の横山先生お薦めの参考書を買った。今回の「総合英語」は、読む、書く、話す、聞くのすべての要素が入っているので、おろそかにしていたヒアリングもがんばらねば。

外国人に、「ハリー・ポッター読んだ?」と聞かれて、「はい、読みました。大好きです」で終わってしまってはしょうがない。せめて、何か文学的な表現のひとつも言えなきゃ。実際、いつもそうなのだ。

「ハリー・ポッター読んだ?」
「うん、好き」
「ライラの冒険シリーズは?」
「うん、好き」
「ロード・オブ・ザ・リングは?」
「大好き!」
「今、何読んでるの?」
「えーと、プライド・アンド・なんだっけ?」
「プレジュディス?」
「イエ~ス!!!」

と、こんな調子。これじゃ話も弾まないでしょうよ。


ところで先日デパートの杖売り場で、杖を手にとって、姪に向かって「ウィンガーディアム・レヴィオーサ!」と言ったら、「それ、ハリー・ポッターでしょう」と当てられてしまった。なんだ、知ってたのか。。。「ハリー・ポッター」のオーディオ・テープを聞いても、魔法の呪文なんか覚えていたんじゃ何にもならないな。(^^;


〓〓〓 BOOK

『英文標準問題精講』/原仙作 \924

※今年受けている講座「総合英語」の講師・横山先生お薦めの参考書兼問題集。文学作品をはじめ、様々な英文を訳していくもの。古い文章もあるので、それが現在の受験に役立つかどうかはわからないが、古典を含めた原書を読む力をつけるにはいいかも。

『ハリー・ポッターと賢者の石』(携帯版)/J.K.ローリング \998

※ヒアリングの向上には、英文だけでなく日本語との関係もちゃんと掴めないといけないというので、学習用に携帯版で。なぜ「ハリー・ポッター」なのかといったら、オーディオ・テープがこれしかないから。(^^;
とはいえ、「ハリー・ポッター」は意外にやさしくないので、子供向けと侮れない。松岡佑子さんの訳はわりに原文に忠実なので、学習用には向いていると判断。



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2004年05月02日(日)
「旅の仲間」スペシャル・エクステンデッド・エディション

BSで「ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間」スペシャルエクステンデッド・エディションを観る。

なるほど、これが未公開映像か~という感じで、これはあったとか、ここはなかったとか、楽しみながら観た。でも、あの未公開映像(というか、追加映像というか)は、ないほうがいい。劇場公開版のほうが、テンポもよく、すっきりしている。

原作を知らない人には、あの未公開映像はあったほうがわかりやすいのかもしれないが、映画としては、ちょっとくどくなるんじゃないだろうか。個人的にはないほうがいいと思う。コレクターズ・エディションで十分だということだ。とはいえ、しっかりビデオに録画したし。(^^;


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2004年05月01日(土)
新宿ジャズ・フェスティバル

新宿文化センターにて、上から下まで全館丸ごとニューオーリンズ・ジャズのコンサートというのが開催された。これは、毎年新宿三丁目で開催されているジャズ・フェスティバルと同様のもので、チケット1枚あれば、どのバンドの演奏でも聴けるというもの。

個人的には三丁目の店めぐりをしながら聴くほうが雰囲気があっていいと思ったが、今回は大ホールもあるので、ビッグバンドもあったし、ニューオーリンズ・ジャズだけでなく、ブルースバンドやコミックバンド(???基本的にはジャズバンドだが)もあって、結構楽しめた。

とあるブルースバンドが、レイ・チャールズの「ジョージア・オン・マイ・マインド」を歌ったのだが、これは全然ダメだった。どんな歌い方をしてもいいけれど、出だしの「ジョージア~」の音を外しちゃ話にならない。それに、ジョージアは南部。南部は語尾を伸ばさなきゃ。っていうか、レイ・チャールズだって、思いっきり伸ばしてるでしょう。言っちゃ悪いが、私のほうがうまい。あはは!(^^;

ところで、早稲田大学ニューオーリンズ・ジャズクラブの演奏会場で、青山先生に会った。もしかしたら、本場アメリカのジャズ・フェスティバルに行かれるのではないかと思ったが、一応チケットを送っておいたのだ。「僕のクラスの教え子がいるから」とおっしゃっていたが、私も一応教え子ですよ、先生。


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