与太郎文庫 DiaryINDEX|past|will
・WHO's WHO MONTHLY について・ 「この人は誰ですか?」とたずねられ、よく調べてみると専門分野の 第一人者であったり、中学世代のアイドルタレントだったりします。 当初の掲載基準として「亡くなって、全国紙に写真入りで報じられる 人たち」を、著名人の条件に想定していたのですが、連日の死亡記事を 追ってみると、どこか実状にそぐわない感もあります。 パリの街頭に倒れた作家スタンダールは、翌日の《フィガロ》に掲載 されたでしょうか? 「書いた、恋した、生きた」は、墓碑銘の傑作で すが、彼の生涯を次のように一行で表現してみるのはどうでしょうか。 G・スタンダール………作家17830123仏・グルノーブル~18420323パリ 誕生日順の人名手帳《Birth Days 366》は、この前半だけを羅列した もので、予想外の反響をあつめると同時に、多くの不備な点も指摘され ました。編集者ひとりでは、解決しきれない疑問が山積しています。 改訂・増補と版を重ねる一方で、さまざまの立場や視点からの提案や 専門的な意見を紹介するために、困難を承知で、この月報を創刊するこ とになりました。少数の、熱心な読者だけを対象に、早く安く簡便な小 冊子とすべく、いくつかの工夫を試みています(この創刊号はワープロ をオフセット印刷に縮小しましたが、次号からは、表紙も一色にして、 縮小コピーで製本し、フロッピーディスクで保存します)。 ぜひ、あなたのご意見をお寄せください。そして、お名前のあとには お誕生日も添えてください。お礼にかえて掲載号をおとどけします。 ・MESSAGE・ 刊行以来、初対面の方だけでも百人以上お会いして、数百種にのぼる 質問に答えつづけて数ケ月たちました。 連日寄せられる手紙も、何よりの励みです。はっとするような良い質 問に出会うと、思わず膝を打ってしまいます。 日本経済新聞の佐沢始記者からの電話は、最初のベストQでした。 「13,000人の中で、いちばん若いのは誰ですか?」とっさに答えが浮か ばないまま、「うーん、いい質問ですね」と受話器を持ちかえました。 「たぶん、徳島の山下五兄妹でしょうね」あとで、調べてみたところ、 正解のようです(0310)。生れた瞬間に有名人になる例は、王室・皇室 の他に、57才の母の子(19561018)スーザンがあります。母のキスラー (18990611)も載っています。しかし五兄妹の両親・山下夫妻は、載っ ていません。キスラーとスーザンは《ギネス・ブック》で最高令出産の 記録保持者だからです。ちなみに最古の掲載者は、中国の屈原(0121) 紀元前-339年ですが、だいたい中国の偉人たちは、生没年月日など不明 の例がほとんどで、いくら偉くても載せようがないのが実情でした。 「ところで佐沢さん、あなたの誕生日を教えてくれませんか」長い電話 のあと、例によって、いつもの質問をすると、「元旦生れなんですよ」 「なるほど、それで始(はじめ)さんですね」と納得がいきました。 彼が《日経流通新聞》に記事を書いてくれたことから、出版関係者か らの照会があいついで、正月明けの東京で、佐沢氏はじめ二十人もの人 たちに会うことができました。 (19860429) ── 《Who's Who Monthly No.1 19860701 IP Library》P02
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