あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2008年07月23日(水) 夏の花 Ⅰ





あぁまだ、たったこれだけしか来ていないのに、





 *


空のあわいを眺めて
雲の底辺が灰に翳っているのを見る

もうあおぞらの色も見えなくなってしまった


ここに
もう聞こえないほど淡く
うつくしい花が咲いている
朝の光も
夕の戸惑いも忘れて
瞠る目もなく問う唇もなく
せつなく花が
咲いている

明け方には蜉蝣 日中には逃げ水
夜にあっては触れる指さえなくて
咲く 花は
色を追うこの目が滑稽なほど淡く
憂鬱さの名残りだけ残して
ひらく
そこには伏せる目も語る唇もない






陽光に溺れるごとく


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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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