沈んだ村はきっと朽ちているのに干上がった湖に骨のようにさらけ出された木の根
遅れてきた蝉が最後に啼きつづけている谷の木立
人恋しくなる風の冷たさ
石段を降りる道すがら金木犀が 香って木立のどこにも見つからない花をおもう
季節が変わってゆく風が木々を揺らす
風が荒れているけれど雲の空もいい
彼岸花と赤とんぼ稲穂のあいだに