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架空の理想郷  2005年03月27日(日)


ベッドから腕を伸ばし、手探りで時計をつかむ。
朝の11時を回っていた。



「猫の首輪を買う夢をみた・・・」 と小さく伸びをしながら夫が言う。



はぁ・・・なんてかわいい夢だろう・・


そんな日常的でかわいい夢に比べると
わたしが昨夜みた夢はちょっと寒い夢だった。



「今が・・・便利な世の中に生きてる今が夢だった、夢をみた」 とわたし。



「それヤヴァイよ。超越してる・・・」 



ベッドの片隅で寝返りをうちながらそう夫が言う。



その夢の内容は、
わたしは今ほど豊かなでない中世の時代に生きていて


おいしい食べ物やきれいな洋服
美しい音楽や面白い映画やTV
コンピュータや携帯電話という
手を伸ばせば何にでもすぐ手が届くという


そんな架空の理想郷に住んでいる夢を見た。


つまり今わたしが存在している時代が
想像し得る限りでの最上の住みよい世界だった、という夢を見たのだ。


中世時代のわたしは夢から覚め、ベッドから起きあがり
小高い丘の上に建つ小さな家の庭にひとりぽつんと立って


遠くにみえるまだ美しかった頃の
青く澄んだ海を眺めながら
さっきまで自分が見ていた夢に感謝した。


あゝ・・・
何の不足もなく
暖衣飽食の生活ができる、「今」に深謝。




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