華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜 | ||
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2004年10月02日(土) 遠くで私を叱って。 〜ペンライト〜 |
<前号より続く> 俺は事務所を出て、隣りの一階に美容院が入る真新しいマンションに入った。 フロントオートロックの操作盤にで212を押して呼出ボタンを押すと、 数秒後、無言で自動ドアが開いた。 確認されてからの夜這い…というのも、考えてみればおかしなものだ。 古の平安時代から貴族の間でも洒落た遊びの一つとされた「夜這い」も、 平穏でなくなった現代社会の矛盾に晒されている。 212号室前。 俺は右手で鍵を取り出して差し込み、そっと右へまわした。 カシャン… 鍵が外れる。 やけにその音が大きく聞こえた。 ノブを掴み、捻る。 音もなく、開く鉄板のドア。 中は真っ暗だ。 俺はそっと立ち入る。 ドアを静かに閉め、内側から鍵を掛ける。 ペンライトを点ける。 ぼんやりと浮かび上がるワンルームの光景。 テーブルやテレビ、間接照明にベッド。 そのベッドの布団でアイマスクをして寝ている女。 部屋の壁の方を向いて横たわっている。 俺は上着を脱ぎ、たたんで脇のソファに置いた。 やはり遊びとはいえ、夜這いの現場である。 無意識に音を立てないように細心の注意を払っている自分がおかしい。 女が寝ているシングルベッドの脇に座る。 鉄骨のベッドが軋む。 女は気付かない風に、何の反応も無く寝ているままである。 俺は掛け布団をそっとめくった。 上半身が露になる。赤地のチェック柄のパジャマ。 髪は黒く、柔らかいウェーブが掛っている。 シャワーを浴びたのだろう、髪が湿っている。 夏とはいえ、部屋はきつめの冷房が入っていて充分涼しい。 女は不意に寝返りを打つ。俺に背中を見せた。 女のパジャマの上から、俺は背中に指を走らせた。 肩甲骨辺りから、背筋を伝って腰辺りまで、指先を走らせる。 女は突然の刺激に一瞬身をよじる。 俺は構わずにごく軽く引っ掻くように、爪を背筋に滑らせる。 今度は何かに耐えるように、身体に力を込めて固まる。 この女の性感帯は背中か…そう直感した俺は、指先での愛撫を続ける。 背筋を指先で微かに撫で上げる。 肩甲骨辺りをパジャマの上から、続けてごく軽く引っ掻く。 右手で髪を撫でながら、左の掌を腰から尻の辺りに這わせる。 その度に徐々に身体をひくつかせて反応する女。 寝たふりをしているのに、隠し切れないもどかしさが可愛い。 吐息が深く、激しくなってくる。 髪を撫で上げ、ふと耳に触れる。 女は短い声をあげた。 「驚いた?」 「・・・」 俺は女の耳元で、声を殺して囁いた。 女は俺に背を向けたまま、一度軽く顎を引いた。 「くすぐったい?」 「・・・」 また小さく一度頷く。 「これは?」 「・・・」 俺は肩甲骨辺りを爪の先で擽った。 女は息を弾ませて、横たわったまま首を振る。 「感じるんだ?」 「・・・」 答えなかった。 「パジャマのボタン、外すよ?」 「・・・はい」 女は声を出して礼儀正しく返事した。 俺は背後から女を抱きすくめるような格好でボタンを一つずつ外す。 見た目以上にボリュームのある、胸元に息を飲んだ。 女体の中でも、最もきめの細かい肌である乳房辺りを指先でなぞる。 はぁぁっ・・・ 暗闇の中、女は大きく息を吐いた。 「綺麗な肌してるね・・・」 「・・・ありがとうございます」 「こうやって指でなぞってるだけでも気持ちいいよ」 「・・・」 「君の彼氏が羨ましいね」 「・・・やだぁ」 照れてるのか、女は思わず顔を背けた。 女のブラジャーの隙間から指を差し込み、指先にあたる乳首を転がす。 声こそ殺しているが、どうにも我慢できないのか身を強くよじる。 その下着の上から、乳首を摘み、さらに軽く転がす。 んあぁんっ・・・ 暗闇の中、恥ずかしそうに喘ぐ女が可愛い。 俺はブラを外させ、ペンライトを持ち出して、彼女の胸を照らした。 ぼんやりと浮かび上がる、たっぷりの乳房。 しっとりと汗ばみ、湿る柔肌。 気持ち大きめの乳首。色素が薄く、美しい桜色だ。 掌いっぱいに乳房を掴み、その芯を揉むようにゆっくり大きく動かす。 女は大胆に感じ始めた。 声も抑えきれず、腰をむずむずと動かしてしまう。 俺は次に、パジャマの上から尻を擦り、肉を掴む。 太腿から内腿を右手の爪先でなぞり、核心へと滑らせる。 肉付きの良い腿に力が入る女。 「ね、名前は何ていうの?」 「・・・ミカ」 「ミカちゃんなんだ・・・感じやすいんだね」 「・・・そう、なんですか?」 「だって、まだ軽く触ってるだけなのに、こんなに反応してるんだぜ」 「・・・分かんないです」 「下着の中、どうなってるだろうね・・・?」 「・・・えっ?」 「もう濡れてるのかなって」 「・・・」 「下着、全部脱がせていいかな?」 「嫌、でも・・・お願いします」 礼儀正しい口ぶりから、ミカと名乗る女は本当に真面目な娘だと思った。 俺の中の『オス』に拍車が掛かる。 パジャマを下ろし、下着の上からミカの深奥を擦る。 すでに過剰な湿り気を吸い取り、なぞる指先に特有の抵抗を感じた。 ショーツの布の継ぎ目辺りを爪で何度も引っ掻く。 その刺激の度に、短い声を漏らし、体幹をひくつかせる。 「君はこの後、どうして欲しい?」 「・・・」 「この下着、脱ぎたい?」 「・・・」 意思を伝えるように、コクリと頷いた。 <以下次号> |
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