浪奴社員の呟く
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2002年05月08日(水) |
今日のんわ・・・フィクションよ♪(←キモ〜ぃ・・・) |
例えばプロの野球選手が、子供会のソフトボールチームに代打で登場するようなものだ。誰だって期待もするし、打って当たり前とも思うだろう。いや、彼には打てはしない。むしろその方が自然だ。如何にも、子供相手に本気になれない、そんな苦笑いの奥に、自分の慣れ親しんだリズムが存在しなかったことを否定してみせるだけだ。結局人の存る世界など、極めて狭いものなんだ。だから、自分の極小的な真実に誰も見向きはしない。仮に生活と人生との相異を示す為、乳色の空に煙が真っ直ぐに立ち昇ってみたところで、何程のこともない。彼等の声は、忙しない雑踏の中では聞こえないのだから。
地元の進学校から旧帝大に進んだ私は、恐らくはエリートだったのだろう。こんな堅苦しい日本語を羅列していくことで、今の自分を危うく保っているのだ。そのくせ何かとあれば、「日常の慣習」から「言語としての日本語」まで、あらゆる場面で、『人間』の近似が為し得ないことに腹立たしさを覚えるのである。特に言語として苦々しいことは、「この写真は何ですか。」と問えば「写真です。」と応える表面的な日本語が、鏡前に己を映さず街に出掛けていることである・・・・・・。
何時の間にか私の直ぐ傍に、見慣れない男が紙袋を携えて此方を伺っている。新聞紙の束が入れてあるその袋には、どこか馴染めない横文字が記されている。彼は恐らくはこの新顔を、彼の持ち得た「知識」と「経験」で分析し始めたのだろう。私も少なからず、人間に興味はあるのだ。それがどんなに近似し得ないものであっても、そこには『危機に瀕した認識を知る認識』の満足感があるからだ。思い上がりと取られても構わない。『危険な安全』という矛盾に囚われるよりも、むしろそのほうが有り難い。 「あなたは此処に長いんですか。」 「いや、精々三カ月ってとこやな。」 そう云いながら彼は私の傍に腰を下ろす。既に声は枯れ果て、あの独特の汚臭が漂っている。不意に上着を探り始める。繊維が擦れる不快な音が、私に優越感を与える。私がどんなに長く此処に居することとなっても、間違いなく彼のように日銭を大事そうに掌に沈め、それと引き換えに俗世の快楽に浸ることを今生の極楽とすることはない。彼はいづれ新顔の私に、彼の極楽を享受してくれるつもりだろう。その瞬間、私の優越感は頂点に達するのだ。 「アンタ、どっから来た?」 「名古屋から・・・。金に困って此処まで流れてしまいました。」 「そうか。」 尤もらしい返答を、信じるでもなく受け入れる彼には、もう見飽きた光景なのかもしれない。そうして、人の真偽を悟らなくなり、今日の壱日が人生でも生活でもなくなっていく、そんな半死状態で今を彷徨っているわけだ。 「煙草持ってるかいな?」 「いえ、あいにく・・・」 「そうか。」 これも決まりきった挨拶の一つなのか。それ以上に聞こうともせず、只自分の快楽に必要な事物を物色する、それだけなのだろう?醜い生物のように、口元をしきりに動かして、それでいて目は薄暗く地面を見詰めている、それだけなんだろう?私が此処に居ることも、お前には木の葉が裏返ってみせることと相違ないんだろう?
眩暈しそうな自分が、心が、いやこれは私の分身ではない、私自身が云わせている。 「お決まりの言葉で、何も聞かないんだな。」 「聞いてどうする?」 「お前には私が何故こんな処に居るのかも、関係ないのだからな。でも、私はお 前とは違う。今そうしているように、半死半生に今日を過ごすことはない。」 「何が云いたいんや?」 「そうやって思考を止めることで、迎え入れられたいだけなんだろう?しかし な、私もお前も此処に確かに存在しているんだよ!」 「・・・首をなぁ、ククル縄が見えるんやんけ。ワシらが望んでいるのんは、牧師や ないやろ・・・。そいつにな、自分を洗い浚い吐き出しても、死ぬんやないけ・・・。 アンタにはな、捨てきれないものがあるだけなんやて。ワシらとアンタとでは、 そらぁちゃうんやろ・・・アンタとワシらではな、・・・・・・」
それ以上聞きたくなかっただけだ。彼は確かに私との違いを語ったんだ。しかし、覚えていない、覚えていない。私は・・・只彼に語りたかったんだ。いや、誰でも良かったんだ。私が確かに此処に居ることを・・・。聞いて欲しかったんだ。それだけだったんだ・・・。
フムぅ〜。。。珍しく『自己嫌悪型小説風味』な文章やったな。とりあえず、この話わフィックショ〜ンなんで、勘違いしないよーに!別にワシわ『私』でもないし、『彼』でもないよ!んでも、たんまぁ〜〜にこーゆーのん書くんも、悪くなぃな。。。ちょっと欲求不満が晴らされた気分や。。。ぅし。。。今後の目標わ『直木賞』だ・・・な?(ムリムリ。。。)
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