浪奴社員の呟く
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下駄箱に忘れ物をして、それを取りに戻ったところで夢から醒め、思い出そうと手探ればそれだけ霧のようにあからさまに空気は乱れて、そしてその輪郭は曖昧なものになってしまって。。。
こんな印象を持った久しぶりの宮本ワールド。思えば、ワシがこの作品を読んだんわ、丁度この物語のように大学生になった頃やったな。あの頃のワシわ、『大学生』となる為に大学生になるんやない、と心に決めてたから、そらきっと『大学生』と凡そかけ離れてたんやろーけど。しかし・・・こないなるとわ流石に思わなんだ。。。
来るべき留年に備えての学費対策に毎日パチンコ屋に通い(←ハナっからガッコ―に通えよ・・・)、そのカネで毎日道路を挟んで向かいの呑み屋で晩飯を喰ってたな。二十歳の誕生日にソコでいつものよーにメシ喰ってたら、何かでワシの年齢の話になって、マスターに正直に「今日、実はワシ誕生日ですねん。二十歳になりますねん。」てゆーたら焼き鳥丼奢ってくれたんわ、今でも妙に生々しい記憶やな。丁度その頃に話してたんやな。。。
結局人は何を求めるんや? そら最後は『愛』やろ。 んならお前にとっての『愛』て何やねん? そこに向かって、ただ直向に歩んでいく、その歩みそのものや。 で、そこは存在するんか? いや、果てしなく続く『果て』や。 そーか?自己とそれ以外のものに横たわってるもんわ、『果て』やなくて『壁』やろ。 んなら『壁』は存在するんか?その『壁』をも打ち砕くことが『愛』やないんか? しよる。どないしても打ち砕けん『壁』が存在するんや。 んなら人は何故『愛』を求め、歩き出すんや? 独りであることを知るためや。『壁』を知って、人は独りを知るんやで。「人は独りでは生きていけない」の言葉に秘められた想いは、逆説的に「人は独りである」ことを示しているんや。 それを知ってどうする? ・・・判らん。やから、とりあえずワシわ『独り』に耐えてみようと思ってるんや。
こんな内容の会話やったっけな、確か。最後の一言だけわ正確やな。でもって、あれから結構時間が経ったんやけど・・・ん〜。。。んでも、最近、少しずつ判ってきたこともある。とりあえず、『優しさ』が存在せんのと同値に『幸せ』も存在せんし、『愛』もやっぱり存在せんのやわ。これらの全てを『神は沈黙によってのみその存在を示す』と言い換えても通用するんかもな。つまりは求めれば求めるほどその真実の姿は曖昧で、我々に応えてくれるものでもなくて、それでも信ずるしか救われなくて。。。だから人は定義を与えたくて、それでもあくまで哀しき偶像でしかなくて、そんな偶像に『ない』と叫ぶことでしか『ある』ことが示せなくて。。。まさに『無意識の認識』に因る矛盾の産物そのものなんやわ。(てなワケでバファ●ンわ半分存在せんねん。判った?)
この調子でいったら、ホンマに「『独り』であることを知る」意義に到着できるんやろか。。。やけど、これで辿り着くことが出来るんやったら、差し出した時間も少しは報われるんかも知れん。。。
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