1日だった。己の感じた迷いは、結局己自身の客観性と云う臆病さに因るもので、それが己を支えた正義や秩序や美学を脅かしているに過ぎないことに、また辿り着いただけだった。それは夜間飛行時、漆黒の厚ぼったい雲海を突き抜けたら上下反転していた、という笑えない昔日と酷似していた。つまり、雲海を上昇一貫したつもりが、地面へ向かって下降していた、ということ。人には遮蔽視界下において、己の正義を貫くか、己の客観性を重んじるか、の二者択一を迫られる瞬間がある。ワシわ己の正義を微かに疑っていたんだろうな。その僅かな亀裂がワシ自身を不安定なものにしてしまった。『己を裏切らない正義』をつい求めてしまった。迷い戸惑いした結末は、所詮大きく後退している精神のみが鮮明に浮き立っただけか。。。